仲間No.2 早見 織(はやみ おり)
私の名前は 早見 織 です。
27歳、独身です。
身長は160cm、体重スリーサイズは乙女の秘密ですよ?
自分ではスレンダーな体系だと思うのですがどうでしょう?
私は大学の動物病院で獣医をしていました。
動物を診る傍ら、生徒に指導もしたりしていました。
福山さんには生徒が心配と言いましたが動物達も心配です。
あの子達は元気でしょうか。
逃げ出せたでしょうか。
心配ですが連れて行く事もできないので無事を祈るしかありません。
私は幸せでした。
子供の頃から両親の愛情を受け、友人にも恵まれました。
『タツヤ』という柴犬を飼っていて、私達はいつも一緒にいました。
病気で亡くなった時は人目も憚らず泣いてしまいました。
その事が獣医を目指したきっかけとなり、病気で苦しむ動物を救うため猛勉強を開始しました。
両親も応援してくれていたのですが、大学生の頃に事故で亡くなってしまいました。
また泣きました。
その後、優しい祖父の家に引き取ってもらう事ができ、無事に獣医になることができました。
その祖父も一昨年に病気で亡くなりました。
また泣きました。
でも優しい友人(格好がエロいですが)や生徒達、動物達にも囲まれ、充実した幸せな日々を過ごしていました。
不幸があったからこそ幸せが輝く、そう思っていました。
あの日までは。
それは突然起こりました。
大学で大好きな研究をしていたら、外から悲鳴が聞こえてきたので窓から外を見ました。
そこには人が人を襲い食べている光景が繰り広げられていました。
今まで幸せな日常だった日々がガラガラと音を出し崩れ去り、もう恐怖しかありませんでした。
私は部屋に一人で膝を抱えて震えていました。
やはり不幸は不幸でしかないと絶望していました。
もう泣くのは嫌なのに!
どうして私ばっかり!
おとうさん、おかあさん、おじいちゃん、タツヤ、怖いよ助けて!
私は声に出さずに泣き叫びました。
今まで我慢していたものが噴き出してきたようです。
もう死のうと思い窓に近付きました。
おとうさん、おかあさんごめんなさい。
おじいちゃん、タツヤ今そっちに行くね。
部屋の外では変わらずゾンビがバンバンと扉を叩き続けています。
私は意を決し窓を開けます。
すると一階から何かブザーらしき物の音が聞こえました。
扉を叩く音が少なくなり、やがて聞こえなくなりました。
そして聞こえてきたのです。
あの間の抜けた声が。
私は固まりました。
こんな地獄のような状況に助けに来れる人なんていないと思っていましたから。
しかしまた聞こえて来ます。
私を安心させる声が。
思わず反応して声を上げてしまいました。
そして恐る恐る扉を開けた先にいたのは・・・
幸せがまた、輝きだしました。
だって私のヒーローと、今は一緒にいられるのですから。
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