元日【From:鯉子】

あけましておめでとうございます!

鯉子です。



元旦ということで、私たち三人はクリスマスに引き続き亀さんに連れられて、鎌倉の鶴岡八幡宮へ初詣に出かけてきました。


しかしすごい人混みでした。


とりわけラメちゃんとくらげちゃんは人の多いところを苦手としているので、楽しそうにしていましたけれど、やっぱりときどき顔があれになっていました。

今回もやっぱり一番元気なのは亀さんでした。


亀さんはなんだか立派な着物を着てらっしゃって、出店のものを手当たり次第に買っては、引き連れた三人の小娘にお与えになりました。三人は大喜びでした。

ずいぶんあちこちでお母さんお母さんと冷やかされていましたが、亀さん本人もまんざらでもなさそうで、それがなんだか親孝行をしているようで私たちはうれしかったです。助けられっぱなしで、けれどもなにか目に見えて価値のあるものを亀さんのような人に返すには力のない私たちですから、その不甲斐なさは常々痛感しているのです。


私たちは全員あまりまともとは言えない家庭環境で育ってきたため、亀さんの豪放磊落なやさしさには、もしかしたら親の愛情というものはこういうものなのかもしれないと感じさせられたりします。


調子に乗って邪険にしたりすることもあるけれど、私たちはみんな亀さんが大好きなのです。お年玉もくれますし。


参拝を終えると、亀さんはお寿司を食べさせてくれました。

なんとなんと、回らないお寿司です。なんだか緊張してしまって、あまりよく味を憶えていないのですが、とんでもないものを食べたことだけは舌が憶えているようで、帰宅していつも私たちが夜食で食べてる100円ローソンのそばを食べたところ、ぴくりとも反応しなくなっていました。薄情なやつです。


亀さんにあれこれ着替えさせられながら何回も撮影した晴れ着姿の四人の写真が送られてくるのが非常に楽しみです。


私たちは亀さんの頭の後ろで、各々いたずらを仕掛けていましたから。

どんな仕上がりになるのでしょう。亀さんの第一声はなにかな。


ここに書いたらバレちゃう?

ええ、その通り。悪質な予告犯なんです、私。


亀さんも、みなさんも、こんな私たちですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします。




それでは、また。

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