体調のこと【From:鯉子】

こんばんは。鯉子です。




インフルエンザが猛威を振るうただなかではありますが、みなさんお身体にお変わりありませんでしょうか?


我が家ではくらげちゃんが肺炎でダウンしてしまいました。


とても心配でしたが、ゆるやかにでもなんとか症状は快方へと向かっているようで、ひとまずは安心しているところです。

くらげちゃんは普段からあまりご飯も食べないし、とても痩せているから(当社比ではありません!)、私もラメちゃんもしょっちゅうお母さんみたいに小言を言うのですが、いざこんなことになったので、ここぞとばかりに食事の大切さを説いてやろうと、流行の病もなんのそのの健康でヒマを持て余した私たちは、くらげちゃんへ手料理を振る舞うことにしました。

私たちはスーパーへ買い出しに出かけ、帰ってくると、さっそくおかゆを作りました。

しかしラメちゃんはいたずら心の旺盛な人なので、身体に良さそうという建前で、食材を無分別に次々放りこみ、挙句にはそもそものおかゆという体を失って、闇鍋のようなものが出来上がるという結末を迎えました。


私たちはあぜんとして、見た目にもドス黒い赤色に煮え立つなにかを眺めていたものです。辛そうで美味しそうでもあるのですが、顔を近づけてみると、なぜか酸っぱい匂いがします。腐ったレモンティーみたいと言ったラメちゃんの言葉に言い得て妙だと私は感心しました。自分たちでやっておきながらこのザマですから、病床にふせっているくらげちゃんに出すのははばかられます。が、倫理観だけは立派な私とラメちゃん。自分たちの悪行は棚に上げて、食べ物を粗末にしてはいけないと、苦渋の選択、身を切るような想いでくらげちゃんの枕もとへ配達しました。

くらげちゃんの部屋にはノスケが遊びに来ていましたが、ノスケは私たちが持ってきた鍋に鼻を近づけると、ぎゃあん、と叫んで、ベランダの外へと走り去ってしまいました。

いらない、とくらげちゃんは見もしないうちに言いました。

食欲ないの。ごめんなさい。

私たちはおとなしくヨーグルトやゼリーのたんまり入った袋を渡すと、リビングに戻って席につき問題の鍋をはさんで向かい合いました。

食べようか、とやがてどちらからともなく言いました。それがどちらだったかというのは思い出せません。

たしかなのは、食べた瞬間舌の先が麻酔を打たれたみたいにしびれ、胸が焼けたということ。それから家にトイレがひとつしかないことをいままでになく不便に思ったことです。

私たちはたくさんの胃薬を飲みました。くわえて、ラメちゃんは私の制止もきかずに、ええいままよとばかりにお酒をがぶがぶ飲んだのです。そのせいでトイレは彼女の貸切状態。


気持ち悪いけど気持ちいいよお、と深夜にラインが届いてから連絡が途絶え、朝になっても帰らぬ人をむかえに鍵のしまったトイレの扉を十円玉でこじ開けると、なかは凄惨な、阿鼻叫喚の光景が広がっていました。とてもここには書くことができませんが、しばらくはお手洗いに入ることができず、体調が悪いなか、私はまだしもくらげちゃんまで、わざわざ外に出て花を摘まなければならないようなことになったのです。


私もたいへんな馬鹿をしでかしましたが、ラメちゃんは大馬鹿ものです。

私とくらげちゃんは、ラメちゃんからどんな風にこってり絞ってやろうかと考えています。


みなさまもご自愛ください。




それでは、また。

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