クリスマスイブのこと【From:鯉子】

メリークリスマス!


こんばんは。鯉子です。




皆さんいかがお過ごしでしょうか?

私はイブの昨夜、同居人ふたりと一緒に亀さんに連れ出されて、わざわざ車で遠出してまで壮大なイルミネーションを見てきました。相模湖のほとりにある、プレジャーフォレストというところ。

とっても美しかったです。私たちも女子の端くれですから、そりゃまあテンションもあがります。


……と思ったのですが、実際はものすごくフラット。平熱。なんせ寒かった。亀さんが一番はしゃいでいました。


ラメちゃんは隣でずーっと、目がチカチカするぜえ!と文句を言っていましたし、かく言う私も両手に持った味違いのチュロスを食べるのに夢中でした。光り物より炭水化物というわけです。


くらげちゃんにいたっては途中から行方をくらまして、放送をかけてもらった挙句、亀さんからプレゼントしてもらった画集を食事処の片隅のテーブルに広げて眺めていたところを保護されるという事態。窓のすぐ外ではきらびやかな光がきらめいているというのに、まるで意に介さずといった感じで、くらげちゃんは画集を一心不乱に見つめていました。

私たちはみんなそれぞれに亀さんからプレゼントを頂いたのです。くらげちゃんは画集、ラメちゃんはコーデュロイのボアジャケット(私が推薦したもの)、私はフィルムカメラ。

まばゆい光にあてられて上機嫌な亀さんをよいしょこらしょして、私たちは手練手管で焼肉までごちそうさせる始末。


けれども私たちにも良心はあるので、お世話になりっぱなしというのには辟易します。

満を持して、私たちは亀さんにみんなで選んで買ったマフラーを渡しました。くらげちゃんは亀さんの似顔絵もプレゼントしていました。巧みにデフォルメされた本当に素晴らしい絵で、昨晩せっせと描いていたのは知っていましたが、改めて私はくらげちゃんの才能に驚かされました。


私とラメちゃんも慌てて即興のプレゼントを用意し(ラメちゃんは店内アンケートの裏紙に肩たたき券と書き殴り、私はいただいたばかりのカメラで四人の記念写真を撮った)、それらを手にした亀さんはお酒が入っていたこともあってか、子どもみたいにおいおい泣いていました。私はその姿をさっそくカメラに収めたのですけれど、皆さんにお見せできないのが残念です。

帰りはぐっすり眠る亀さんを私の運転で自宅に送り届け、私たち三人は電車で帰ってきました。近所のコンビニでケーキを割り勘で買い、暗くした部屋でロウソクを灯しました。くらげちゃんは部屋に一度帰りふたたび戻ってくると、なんと、私たちにもそれぞれの似顔絵をプレゼントしてくれました。我々は当然大喜びです。くらげちゃんは浴びせかけられる抱擁やキスの嵐に困惑していました。

私とラメちゃんは明日のそれぞれの用事を済ませたあと、合流して、くらげちゃんに素敵なプレゼントを贈ろうと約束しました。


なにがいいだろう。プレゼントを考えるのはとても楽しいことです。特に、親しい人へ贈るプレゼントを考えるときは。



ラメちゃんは今日もまもなく仕事に出かけていくみたいです。


鯉ちゃん!3℃しかないよ!と言っては、雪だるまみたいに服を何重にも着てまんまるになっています。



さて、今日はここまでにして、ラメちゃんのためにココアを入れてあげようと思います。私が飲みたいがための言い訳なのですが、いいでしょう、今日はクリスマスです。優しい日なのです。



ああ、来年こそはしっかりダイエットしよう。




それでは、また。

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