火のない所に煙は立たぬ【From:ヒラメキン】
おてーんき!
このあいだ吾妻さんにもらったオリーブ色のフィッシングベストを着て自転車を走らせた。空は青く凍りついて動かない。今年も冬がはじまりましたねぇ。
大公園の芝生で午前中をずっと、あたしはただじっと目を開けて過ごした。子犬と子どもがいそがしく走り回っていた。黄色いフリスビーがくるくる飛んだ。ちいさな凧があがった。
こんなふうに人生があればいいとなあ思う。地に足のついた生活なんか、風に吹かれて飛んでしまえ!
あたしは舌を出して、そんで歯磨きを忘れたことに気がついた。
遅れてくらげちゃんが来た。それから小鮫ちゃんが、最後に鯉ちゃんが来た。
みんなで鮫ちゃんご持参のお昼ご飯を広げて、変な色のバスに乗って、ボーリングをして、カラオケをして、家へ帰ってきて、鮫ちゃんを交えてみんなでゲームをした。スマブラとか、マリカーとか、ジェンガとか。
鮫ちゃんはあたしたちのなかにすんなり溶けこんだ。なにをさせても鮫ちゃんが一番うまいことに大人は冷や汗をかかされたけど、とてもとても楽しかった。あ、でも考えてみたらくらげちゃんはあたしと鮫ちゃんとのちょうど中間くらいのお年頃なんだな。そう考えてみるとまだまだ娘っ子だね。
それからこんどは四人で旅行に行こうなんて話をしたり。ほんとうにそうなったら最高だな。
迎えにきたハマさんがまたコロッケをたくさんくれたので、夕食に招いて、あたしと鯉ちゃんとくらげちゃんの精一杯の手料理をふるまった。
いい週末だ。ふたりが帰った後の、一転して静かな夜。
あたしはこれから仕事ですがね!おのれえ!
HiRame
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