プロット Ⅱ

●→設定  ○→Episode


㉖放課後、剛士が行っている魔法石のレシピを作る手伝いをしている花子は剛士の魔法石工房に行く事が多くなった>魔法石のレシピは、魔溶液のレシピと言い換えられるモノで『職人の体質に合わせた魔材を消化液に入れた後、しばらく放置して魔素が解け出た後、魔素が抜けた魔材を取り出して魔溶液が完成する』>魔溶液から魔素が抜けた魔材を取り出す際は、受け皿に乗せたざるなどに流し込み、ろ過の要領で魔材を取り出す>魔材は何種類かの魔素を含んでいる場合が多く、職人の体質が魔素AとCを結晶化させるなら、作りたい魔法石がAの魔素で構成されている場合、魔溶液の作成に使用する魔材は魔素Aが含まれていないといけないけど、Cも含まれている場合、Cが混ざり、Aの純度が低下する事からAだけで構成された魔法石を作るにはCが含まれていないAを含む魔材を使用して魔溶液を作る必要がある>職人の体質に合わせた魔溶液の作成が必要であり、その為には魔材が含む魔素を正確に把握したいが全ての職人が魔素を判別する能力に恵まれているとは限らない>現代魔法学を学ぶ魔法使いと共同で魔溶液のレシピ開発を行う職人は多いが、まだ魔法使いとして認められていない程に幼い年齢の太郎と共同でレシピ開発していた職人は殆どいない事から『太郎をスカウトした剛士は普通ではない』と侮辱したり『幼い男の子が好きなのか?』などと邪推する魔法使いや職人、魔法石ギルドが多かった>複数の魔素を優れたバランスで構成している魔法石は魔溶液の製作難度が高い事から、魔法に用いられる魔法石に限れば、高値で取引されている>魔法に用いない魔法石とは、現代魔法学の魔法では使用用途が無い魔素の比率で構成されている魔法石の事で美術的な価値を除けば失敗作などと呼ばれている>剛士は太郎に協力してもらい製作難度の高い魔法石の安定的な生産を行った事で周囲を驚かせた結果、魔法石ギルドや魔法使い達から高い評価を受けた剛士だったが幼い太郎の優れた魔素判別能力に関しては剛士が公にしなかった事も有り、太郎の存在は知れ渡らなかった>魔素を判別できる能力がすぐ得れていても感覚的な情報は共有する事が難しく『これとあれは違う』と口にしても『違うように感じられない』と言われたら、その相手とは共有できない事から太郎の功績を伝える事は難しい上に他の職人から太郎を奪われたくなかった剛士は太郎の功績や存在を公にせず手元に置こうとしていた>太郎は魔法石の製造方法を学びたかったのと、自分が欲しい魔法石を作ってもらいたくて剛士に協力していた事から、自分が魔法石ギルドや魔法使いから評価されなかった不満はあまりなく、その両者から評価される事を期待していなかった事も有り、製造方法を学べて欲しい魔法石が手に入った太郎は高い評価を得た剛士に手伝えた事が嬉しくて、誇らしかったからその部分で言えば剛士に不満はなかったが、友達の由香と恋仲な関係ではないか? と邪推された末に『妹はやらんぞ』と警戒されて『事実無根』と否定しても『本当かぁ?』と信じてもらえず不満だった>由香と距離が近かったのは友達だからで恋仲だからではないから、と考えていた太郎は由香の気持ちに気付いていたが故に警戒していた剛士の心情には気付けなかった>花子と出会い、実質的に太郎と再会した剛士は、由香との関係が上手く行かず、太郎と距離を置いていた間も共同で魔法石を作りたいと思っていた事から何とかして花子を説得しようと軽く脅した>太郎の時は妹と『恋仲になるのでは?』と懸念していたが花子なら恋仲になり難いだろうと考え、警戒心は低くなっている剛士は太郎には絶対に言わない『泊まって行かないか?』などと提案する程だが、寮暮らしの花子からは規則的に泊まりは許可が必要だと断られている>泊まりで魔法石製作を手伝いたいと思わなくもないが学業を優先しないと先生方からの評価が下がるのではないか、と懸念して自制をするために泊まりは泊まりは控えているが、由香との関係が上手く行き始めてからは、頻度が高くなければ許可は取れそうな事から少しなら大丈夫かなとも思い始めている(由香に自身が太郎だと告白して以降、剛士の誘いを受けて剛士宅にお泊りした花子)。


㉗剛士の魔法石工房で魔法石を作る手伝う花子は魔材の加工を行っている>魔溶液を作る際に重要な工程の一つと考えられている魔材の加工は魔材の一塊から必要な分の魔材を分離する作業であり、失敗すれば魔素の量が多くなり、完成した魔溶液の魔素比率が想定と異なる場合がある>魔溶液の魔素比率がレシピ通りでなければ結晶化させる魔素の比率にも影響を与える事から魔法石作りでは魔溶液の作成こそ最も重要な工程だと考えられており、その為に魔素の識別能力が不十分な魔法石職人は魔材加工職人が加工した魔材を用いる場合が多い>剛士も普段は職人から買っているが花子(太郎)なら並み以上の魔材加工職人を上回る結果を出してくれると考えている>剛士は昔、太郎に魔材加工の技術を独学で学ばせながら魔溶液作りの手伝いをさせていたが、現状の花子の魔材加工技術は職人未満である事は間違いないものの、魔素を知覚する優れた才能が有れば並みの職人以上の魔材加工が行えると太郎の実績から分かっていた事から花子にもやらせた>知覚できる魔素の種類や精度が高い花子(太郎)は肉な魔材をどれほど切れば良いか知覚能力と太郎時代に勉強した知識を頼って加工したが加工作業を長らく行っていなかった影響か技術はなまっていたが『繰り返せば技術は取り戻せるだろう』と言われて『そうだと良いけど』と言った花子は『いっその事、頂点を目指してみたらどうだ?』と剛士から揶揄われて『学業を優先したいから今はダメ』と断って黙々と作業を続けた。


㉘太郎の母親、陽子ようこに製品を納品する剛士はどうせ居るんだから……と思い付きで『一緒に来ないか?』と工房に居た花子に提案したら『行く』と返事を貰えた>納品して世間話をする程度だが最近『寮』『学校』『魔法図書館』『工房』を行き来する生活を送っている花子は母親と交流していないのではないか? と考えた剛士が花子に提案したのは『家族は大切にすべき』と言う思いがあり、両親と死別した剛士には大切な存在は希少であり、強い独占欲を抱く事から『大切な存在を軽んじるべきではい』と言う価値観を花子も持っていると決めつけているからか>大切な存在を独占したいと思いがちな剛士は由香が太郎に片思いていると知って由香(妹)を取られたくないって思いレシピ作りの途中でも太郎を家に泊めず帰していたし、太郎が他の魔法石職人に評価されたら自分より優れた職人に惹かれて自分の下から離れて行くかもしれないと考えて太郎の情報を出しすぎないように注意したし、太郎が由香や自分の下から離れた時は陽子さんを通じて情報を集めながら機会を伺っても居た>独占欲の原因は両親を失った剛士が妹と共に生き延びるため、魔法石ギルドから才能が有ると勧められた魔法石職人に成って魔法使いの素質がある妹の由香を学校に行かせる為、必死に魔法石を作り続ける生活を送る中で、工房に籠る時間が多く、人付き合いが少なくなった影響か友人との交流も減り、気兼ねなく話せる存在が希少に成った影響か近しい存在の希少価値が高まった事が起因するのか昔に比べて独占欲が強くなり、由香や太郎(花子)の代わりと言える存在は居ないと思ってしまう剛士は独占欲を自覚しながらも自覚し、内心では開き直りながらも社会的には独占欲を隠して生活している。


㉙幼い息子、太郎たろうに魔法石を判別させた夫、権太けんたが魔法学の常識とは異なる分け方を行った事から太郎が魔素を詳細に判別できる能力を有していると考えた末に古代魔法は実在すると太郎を教育し、魔法学校に通わせた太郎と仕事で忙しい私を放置して古代魔法の情報を求めて旅を始めた愚かな夫に息子が娘に成ったと伝えたら帰って来て面倒な事に成ると考えた陽子ようこは旅をしている権太に太郎が花子に成ったと手紙に記さなかった>剛士と共に自宅兼、職場に来た花子を出迎えた陽子は『帰って来なくてごめん』と花子から謝罪されて自分の事を気にしてくれた事が嬉しくて、事件後から共に暮らす機会が非常に少なく、寂しい思いをしていた心が少し救われた>権太の様に夢を追いかけて寮生活を始めた太郎の行動に不満を抱いていた陽子は夢を追う中で自分を忘れていない事を知れて『学べる時間が増えたんだからしっかり成果を出しなさいよ』と奮起したら『分かってる』と嬉しそうに頷いた花子に権太の面影を感じて、夫を好きに成った理由を再認識できたが家族との時間を軽んじている権太に対する不満は消えない>花子から太郎に戻って欲しいと思わなくもないが、性別が変わった現状を『社会的な評価が消えて好都合』などと言う魔法中心な価値観を当の本人が持っている事から私的な違和感を口にして戻って欲しいと語っても『戻る方法が分からない』と言われて、息子(娘)から邪魔されている、と思われないか不安を抱き、太郎に戻って欲しい、などと言えない陽子は夢を追う花子の姿を見て、手に負えなくて放任的な方法で接してきたけど絶望せず前向きに幸せに生きているなら悪くはないのかな? と考えて本人が何とか出来る範囲なら干渉を控えて見守ろうと方針を変えない事にした。


29.1陽子の仕事は魔法で炎を起こし操る事でガラスを加工している職人で、製品の評判は良くお土産として人気がある。


㉚魔法学校は夏の熱い期間、長期の休みに入る前、魔法のテストが行われる>一学期の終わりに勉強の成果を先生方に披露して評価してもらうのだが、過去の成績が良いとは言い難い由香は良い点を取りたいと思いつつも今までの様に中の下ほどの出来になるのではないか? と不安を抱いていた>由香は昔、太郎から助言を受けたように花子からテスト勉強を教われないかな? と考えたが花子に得はなさそうだから難しいのかな? 迷惑なのかな? と思って躊躇していた>テスト前には先生から課題が発表されて、それを実現する為の期間、練習期間が設けられている>練習期間は午後の授業が無くなり、何時もより長い放課後を用いて課題を達成する為に生徒たちは奮闘する事に成る>課題が発表される日から練習期間は始まり、昼食を食べずに帰る生徒もいる中、花子から『課題、大丈夫?』と聞かれた花子は『大丈夫じゃないかも……』と素直に答えたら、『少しなら手伝えるけど……どうする?』と聞かれて嬉しくなった由香は『良いの!?』と言ったら『剛士さんの手伝いがあるから張り付いては出来ないと思うけど』と言われて『それでも良いよ! ありがとう!』と感激した由香は花子が居れば百人力と思って今回の課題は何とかなりそうだと今回の課題を楽観視した>先行きに安堵する由香と油断する由香の様子から少し楽観視しすぎではないか? と危惧する花子は『何を話しているんだ?』と宗次から話しかけられた>花子が『課題の相談をしていたんだよ』と説明したら『そうなのか』と言った後『もし良かったら、俺も混ぜてくれないか?』と宗次から聞かれた由香は『私は良いけど……、宗次って成績良かったよね?』と抱いた疑問を告げたら『それは……』と言い淀んだ宗次の様子を見た花子は、宗次が好意を寄せる由香と一緒に居たいんじゃないかな? と考察した後、せっかく三人(花子、由香、宗次)が仲良くなりかけているんだから、もっと交流して仲を深めたいなとも思っていた事から、これは良い機会ではないか? と思い、深く考えずに『二人より三人の方が良いかもしれないね』と言って宗次の参加に肯定的な意見を言って『剛士の手伝いもあるから由香に付きっきりにはなれないし、宗次が居れくれれば安心かな』と思いつきな大義名分を用いて出る可能性が低い反対意見を抑制した花子に反論できない由香と宗次は三人で試験対策を行う事に決めた>恋の片思いかは分からないが太郎に惹かれ続けて執着している自覚がある由香は恋であろうとなかろうと、花子と二人で試験対策を行いたかったが、仲間に加わりたいと主張する宗次を仲間外れにしてまで優先する程、はっきりわかってはいないのだから、と考えて我慢する事にした>仲間と一緒に居たいと言う宗次の主張は悪くないし、宗次の事は嫌いではないけど、と考えながらも残念な気持ちを抱いた由香は嫌味な事を思ってしまった、と考えて宗次に対して罪悪感を抱き自分勝手な気持ちを抱いた心に嫌悪感を抱いた。


30.1由香は花子が太郎に戻って欲しいと思いながらも当の本人が気にしてい居ない様子を見て、自分の思いと花子(太郎)の言動が異なっている事が気に入らず、戻りたいと思わないのかな? と内心で愚痴を呟いている。


30.2課題対策は由香の家で行う事に成り、練習期間初日に剛士の工房へ行った三人、由香が課題対策を家で行いたいと剛士に伝え、花子が『剛士を手伝いながら由香の課題も手伝う』と言ったら『そう言う事ならテストが終わるまで手伝わなくてよいぞ』と剛士から言われた花子は少し残念そうに『分かった、ありがとう』と言い『気にするな、お礼を言うのは俺の方だからな』と言った剛士が少し残念そうな花子を気遣ったのかそうではないのか『テストが終わったら手伝ってもらうからな、忘れるなよ』と言って励まされた? 花子は嬉しそうに『うん、忘れない』と答えていたが、些細なきっかけで剛士は花子が離れて行かない様にくぎを刺しておこうと考えた末の行動で花子の気持ちを気遣った訳では無かった。


30.3剛士の手伝いが無く花子が剛士に拘束されなくなった影響で課題対策は課題期間中に申請して借りることが出来る学内の施設や解放されている中庭、魔法図書館などで行う事に三人合意で決まった。


㉛課題は水を凍らして氷像を造形する自作魔法式を決められた規格の魔法石で行うと言う内容で、氷像を作る過程から完成した氷像の質などから魔法式の出来を判断する課題である事から二週間ほどで如何に優れた魔法式を作れるかが重要であると考える花子は宗次を誘った由香から魔法石店に行こうと誘われて魔法石を買いに行った

>魔法石の店はこの町に幾つか存在するが今回の試験で用いる魔法石が全ての店に売られているとは限らない

>魔法石店は魔法の数以上に存在し、発火魔法でも火力の違いなどから魔法石の大きさが異なり、魔素の量や種類比率によって魔法式が変わる事から質の優劣も加えると魔法石の規格は膨大に成る事から魔法石店では『この店は上質な魔法石を扱っているから低質で安価な魔法石は無い』とか『火属性系統の魔法に用いる魔法石を専門的に取り扱う店』とか『低質だが安価な魔法石を売っている店』とか『幅広く取り扱ってているが専門的な魔法石は無い』など店の種類は多い

>今回、由香たちが魔法石を買う店は魔法学校近くにある学生をターゲットにした魔法石店で課題の度に、課題で用いる魔法石を大量に入荷している事から課題が発表された当日、学生で混雑する学生たちには有名な魔法石店であり、由香たちが通う魔法学校の卒業生なら一度はお世話に成っていると言っても過言ではないほど知られている

>初日では無い事から魔法石の在庫は潤沢とは言えなかったが、十分な数が売られているものの、課題の練習や実践で用いる適量を買わなければ持て余す事からと、課題で指定されている魔法石をベタベタと触って厳選した7個を持って会計を済ませた花子は宗次から『それだけで良いのか?』と聞かれて『うん』と答えたら、宗次と由香から驚かれた花子は20個ほど? の魔法石が入っている袋を持っている二人の様子を見て『まあ、足りなかったら買い足せば良いし』と言い『焦って買う必要性は無いかなーって』と続けたのは自分が二人と異なる存在であると認めたくない花子の心から湧き出した気持ちなのかも知れない。


31.1由香と宗次を仲間だと思っている花子が仲間と異なる要素が自分にあると指摘された時、そんなに違わないよ、と言ってしまうのは仲間であると思い、思われたい気持ちから来る、不安から生まれた言い訳なのかもしれない。


❹現代魔法学は、帝国魔法学から神格化された初代皇帝と帝国魔法学を分離する事で帝国に忠誠を誓わなければ魔法は失敗しやすくなると言う魔法使いの常識を壊した事で生まれた>帝国魔法学の魔法理論内では帝国魔法学を用いた魔法が失敗する要因は、魔法式の誤り、未熟な魔素制御技術、信仰心の不足、と定義しさている>帝国魔法学は魔法式が正しくて卓越した技術を持っていても魔法が失敗する事があり、神の存在を頑なに信じなかった初代皇帝は何か理由があるはずだと死の間際まで研究に没頭したが解明できぬまま死を迎えた>次代皇帝は人々を支配する為に宗教的な色を強くしようと考えて『初代皇帝は帝国魔法の創造主で有り神にも劣らない』と神格化し、帝国魔法を用いる世の魔法使い達に『初代皇帝を信仰すれば魔法を成功するだろう』と語り聞かせ『魔法が失敗する者は信仰心が足りないのでは』と助言し『神格化された初代皇帝を信仰しなければ帝国魔法を成功しない』と言う常識を形成する事に成功した>その裏では帝国魔法学以外の魔法を滅ぼし、帝国に逆らう者たちを悪魔に仕える魔法使いなどと言って断罪する事で表面を帝国魔法一色に染め上げた>中期の帝国では魔法と言えば帝国魔法で有り、帝国と付けなくても魔法でそれだと分かるほど帝国魔法の影響力は高まっていたがそれ故に、当時の魔法使い達は『創造主に魔法使いである事を許された我々は主の代行者である』などと語り自らの権威を叫びながら横暴な言動を繰り返していた>帝国魔法使い達は魔法と言う力を持つが故に非魔法使いから恐れられ、権威はより強くなり、皇帝は魔法使い達の暴走を止められなくなり帝国は荒れた>帝国に対する不信感や『帝国魔法の創造者である初代皇帝は神ではなく、彼や抵抗に対する信仰心は魔法の成功に関係なく、魔法の成功は四大精霊に関係している』と言う新しい魔法学の出現で帝国魔法使いと新たな魔法学を信じる魔法使い達の戦いが始まった>帝国に勝利した魔法使い達は現代魔法学を提唱して帝国魔法学は眉唾であると教え広める事で帝国の支配を終わらせた>四大精霊とは現代魔法学が、魔法で失敗する要因として定義し、魔法式の誤り、未熟な魔素制御技術、四大精霊に対する信仰心の不足、があり、四大精霊とは現代魔法で起こせる魔法的現象の種類が大雑把に『火』『氷』『風』『土』という四種に分けられる事から、魔法式が正しく、卓越した技術を持つ魔法使いが成功ばかりではなく失敗する場合がある理由は何かと考えた末にそれぞれの属性には精霊が存在し、精霊の機嫌を損ねたら魔法は失敗するのではないか? と考えて、精霊に祈れば魔法が成功しやすくなるのではないか? と考えた魔法使いの思い付きが、現代魔法を行う際に精霊に対して声に出してお願いする『詠唱』を生み出した。


❺火を起こす魔法は、火の魔素で構成された魔法石に手を当てて、魔法石が当たる手に意識を集中して念じる事で魔法石を構成する魔素を粒子にして、宙を舞う粒子化した魔素を木屑や薪などの燃料に纏わせた後『発火魔法』の魔法式を正確に念じながら唱える事で魔素が燃料を発火する(液体の燃料を用いる場合は粒子化した魔素を浸透させる)

>魔素を標的に飛ばして爆発させる魔法は、数種類の魔素が適切な比率で混合されている魔法石に手を当てて、魔法石が当たる手に意識を集中して念じる事で魔法石を構成する魔素を粒子にして、宙を舞う粒子化した魔素を『風魔法』の魔法式を正確に念じながら唱える事で魔素の動きを制御し、目標の位置に異動させながら密集させた後『爆発魔法』の魔法式を正確に念じながら唱える事で魔素が爆発を起こす

>魔法式は魔法に用いる魔素の量や魔法を使う環境、望む効果によって柔軟に構成する必要があり、扱う魔素の量に比例して魔法式は長くなり構成に用いる思考時間は長くなる事から、用いる魔素の量を一定にする事であらかじめ構成しておいた魔法式を用いる事で思考時間の削減を行う方法が主流であり、魔法使いが最も時間をかける事は魔法式の構築だと言われいている

>魔法式は計算式に似ている感じで、魔法式のルールを魔法学校で学び、魔法の用途に応じた魔法式を自分で考えている感じ(リンゴ6個を3人で分けたら1人何個?=2個、みたいな感じで)

>魔素の量を一定にするために魔法石を構成する魔素の量や種類が重要になる事から魔法石にはある程度の規格があり、その規格に合わせて魔法使い達は魔法式を構成するのだが、オーダーメイド的に魔法石を作っている魔法石職人も存在するがそれに該当する職人の多くはお抱えの魔法石職人である事が多い

>四大属性の『火』は燃やす、爆発させる、など火に関する現象を発生させる際に用い、『氷』は冷やす、凍らせる、など冷却に関する現象を発生させる際に用い、『風』は風を起こす、音を鳴らす、など空気を動かす現象を発生させる際に用い、『土』は石を粉々に砕いたり、土の質を変化させて農作に適した土壌を作る、など土に関する現象を発生させる際に用いている

>現代魔法学では、四大属性以外にも細かい属性があり、それぞれに精霊が存在すると考えられ、魔法式を妖精の言葉に翻訳した文を声に出して人間が知覚できない妖精へ語り掛ける魔法の工程『詠唱』は精霊のご機嫌を取るために必要であると信じられており、魔法の成功確率が高い者は精霊に好かれていると言われ、現代魔法を用いる魔法使いからは羨望の眼差しを向けられる

>現代魔法では精霊に魔法を起こしてもらっている、と考えられている。


㉜太郎だった頃から、知覚できない精霊は本当に存在するのか? と疑問を抱き続けている花子は詠唱を行わずとも魔法を使えるが、太郎の頃に『小声で言っているのでは?』『精霊が勝手にやっているのでは?』などと言われて自分の考えを否定されて不満を抱くも『現代魔法学に間違いはない!』と頑なな人々の考えを変える事は出来ず、自分の力不足を説得が成功しない理由であると分析しながらも、自分の理論を否定されて不満を抱き、湧き出た感情に身を任せて『詠唱は必要ない!』などと反論しても頑なに現代魔法を信じ続ける人々を説得する事など難しく、達成し得る能力を持たぬなら不相応な言動は敵や味方を作って対立を生じさせ、人間関係が悪化すると宗次との一軒から太郎時代に学んでいる花子は相手が大切にしている思想や理念などを安易に否定すべきではないと自分に言い聞かせているが、時に湧き出た感情は理性で抑えられぬほど強大で有り、言い聞かせていた理屈が無力に成る事も有り、常に冷静で有れない自分の未熟さを自覚する事が何度もあった花子(太郎)は全ての魔法を体系化する事で人々に自分の考えを肯定させる為に誤りのない理屈を目指し、魔法理論を構築しながら、魔法の勉強や研究に励んでいる。


㉝課題対策は由香の家で行う事に成り、練習期間初日に剛士の工房へ行った三人

>由香が課題対策を家で行いたいと剛士に伝え、花子が『剛士を手伝いながら由香の課題も手伝う』と言ったら『そう言う事ならテストが終わるまで手伝わなくてよいぞ』と剛士から言われた花子は少し残念そうに『分かった、ありがとう』と言い『気にするな、お礼を言うのは俺の方だからな』と言った剛士が少し残念そうな花子を気遣ったのかそうではないのか『テストが終わったら手伝ってもらうからな、忘れるなよ』と言って励まされた? 花子は嬉しそうに『うん、忘れない』と答えていたが、些細なきっかけで剛士は花子が離れて行かない様にくぎを刺しておこうと考えた末の行動で花子の気持ちを気遣った訳では無かった。


㉞太郎の頃に母親、陽子の仕事であるガラス加工を手伝っていた花子は課題で作る氷像のデザインを決める際にお母さんが持っている資料を借りようと考えている事からデザインに関しては楽観視している上、技術的にも問題はないと自信が有る

>高質な魔法石は魔素の配合比率や量が同じであり練習は技術的な面で重要だが、低質な魔法石は魔素の配合比率や量が異なっている事から練習で用いた魔法石で成功しても本番で使用する魔法石では失敗する可能性は大いにある事と考える花子は魔法の練習ではなく氷像のデザインを確認する為に風魔法用の魔法石4個と厳選した課題用の魔法石3個を購入していた

>氷像を作る魔法は水の形や氷属性の魔素を制御する『風魔法』と整えた水を凍らせる『氷結魔法』の複合で構成されている

>風魔法の制御は自作の魔法式で最も重要な部分であり、魔法式次第で水は樹にも龍にもなり得る事から『何の氷像を作るのか』が決まって居なければ、魔法式を考える事すらまともに出来ない

>宗次から『今回の課題は風属性部分の魔法式を自作する事が要点に成る』と言われて頷いた由香と花子は『二人は何の氷像を作るのか決まっているのか?』と問われて『決まっている』と即答した花子と異なり『私はまだ……』と弱気に答えた由香の言葉を聞いた花子は『宗次は決まっているの?』と聞いて『いくつか候補は有るんだが一つに絞れていないんだ』と宗次から言われた花子は『由香も候補は決まってないの?』と聞き『作りたい物は有るんだけど難しそうで……』と由香の迷いを知った花子は『私の課題は余裕がありそうだから、題材を決める手伝いは出来るけど……、どうする?』と二人に聞いたら『手伝ってもらって良いのかな? 、色々と』と手伝って欲しいがズルではないのか? と不安な由香に『今回の課題は魔法式を自作して実践する事だから、そこさえ自分でやれば問題ないだろ』と由香の背中を押す為に花子の提案へ肯定的な発言を行った宗次の言葉を聞いた由香から『お願いできるかな?』と頼まれた花子は『うん』と答えた後『俺も頼めるか?』と言った宗次に『うん、三人でやろう』と答えた花子は仲間がいる幸せな時間を過ごしていた。


㉞氷像のデザインを決める為に資料が必要だと判断した由香と宗次は魔法図書館で探そうと考えている様な会話を行う二人に『ちょっと良いかな』と割って入った花子は由香から『なに?』と聞かれて、話を聞いてくれると思った花子は『お母さんが仕事でガラス細工を作ってるんだけど、それに使っている資料を使うのはどうかな?』と提案したら『良いのか?』と宗次から聞かれた花子は『使わないからって奥にしまってある物もあるぐらいだから大丈夫だと思うよ、それに、魔法図書館より充実していると思う』と花子が自慢げな理由は母親、陽子が集めている資料は魔法理論や魔法式、魔物に関する情報を専門に取り扱っている魔法図書館より、様々な生物、道具、工芸品などの図、絵、彫刻、はく製など、三次元な視覚的情報で充実しているからだった

>『今から行ってもじっくりと探す時間はないから、明日にしないか?』と言った宗次に『そうだね』と賛同した由香に続いて『じゃあ、今日は解散で良いのかな?』と聞いた花子は宗次から『そうだな』と同意された

>帰り支度を始めた二人由香からは『二人ともこれから時間ある?』と聞かれて『私はあるよ』と答えた花子に続いて『俺も』と答えた宗次

>『それなら、お茶を飲んでいかない?』と提案された花子は『良いの?』聞いたら嬉しそうに『うん!』と答えられた花子は嬉しい気持ちを抱き、『ごちそうになるよ』と言った宗次に『がんばって美味しいお茶、入れるよ!』と気合を入れる由香は楽しそうで、そんな由香を見た二人は幸せで、仲間の大切さや三人で集まって挑む今回のテスト期間は楽しくなりそうだと実感して期待する三人がいた。


㉟翌日の放課後、由香、宗次と共に学校から実家(太郎の実家)に行った花子は、母親、陽子に『課題の氷像作りにお母さんの資料を使いたい、貸して』とお願いして、了承を得た花子は二人を物置に案内した

>資料で満たされている物置を見て驚いた二人を見た花子はお母さんが集めた資料は凄いと言われている様で嬉しくなり、調子に乗って貴重な資料を二人に紹介した

>宗次から『好きに見て良いのか?』と聞かれた花子は『少し、壊れやすい物があるかもしれないから、それに気を付けてくれれば』と言った後、プレッシャーを与えてしまったと自覚して『でも、お母さんが良いって言ったから、壊れたとしても、それは許可したお母さんの責任でもあるから、あまり気にしないでね』と補足した花子はフォローに成功したか不安だったが『分かった、気を付けるよ』と宗次が言ってから、この話題に触れなくなった宗次と由香の心遣いに助けられた花子は二人の優しさを実感しながら、自分が使う資料を探した

>花子が作ろうと考えている氷像は水にまつわる霊獣、龍でこの地より遠く離れた地域で信仰されている水属性の精霊

>課題で用いる水は大きな桶に入れられており、桶に溜められた水を魔法だけで操った末、氷像を作る必要がある今回のテストは、蛇の様に胴体が長い竜を作るのに適していると花子は考えていた

>魔物と異なりはく製は無いが、信仰されている地域で作られた彫刻や絵が参考に成る事から花子はそれらの資料から幾つかを厳選した

>この日は氷像のデザインを考える事に集中した三人は物置で選んだ資料を陽子の家にある客間へ持って行き、じっくり構想を練った。


㊱三人はそれぞれの技術レベルに合わせた氷像のモデルを決め終えた翌日、無風の環境で無ければ水の造形が難しい事からテスト本番では屋内で行われる事を考慮した花子、由香、宗次はテストの練習を行える場所を利用する為に申請を行ったが空きがあるのは数日後であり、練習までに魔法式を完成させる必要性がある三人は、水を造形する風属性部分の魔法式を作る始めた

>風魔法で水を大雑把に動かす事は現代魔法学で難しいとは認識されていないが多量な魔素の制御や、水を細かく動かす事は魔素の制御技術的に難しいと考えられている

>知覚できる魔素の種類が一般的な魔法使いより圧倒的に多くても、魔素の制御技術では上の中程度な花子は魔法を行った回数が同性代では多い方だと言うだけで、それ以上に回数を重ねた人や優れた才能を持っている人たちには制御技術で劣っている

>健治の名前を使って入学した花子は、学校が期待する成果を見せなければ特別扱いは受けられず、限られた人しか閲覧できない魔法書を読むことが出来ない事から、テストで優秀な結果を残し、次につなげる必要がある

>次とは夏休みの後に開催される魔法学園祭の事で、一般人も見学することが出来る大きなイベントの内容が学園対抗魔法競技大会にこの学校の代表として出場するメンバーが決められる事から事前にアピールが必要だと考える花子は学校の代表であるメンバーに選ばれ為には魔法技術に限らず、社交性も大切だろうと考え、立ち振る舞いを意識してテストも全力で挑む姿勢を先生方に絞めそうと考えている

>メンバーに決まった生徒は学園対抗魔法競技大会に向けて特別な寮で共に暮らして親睦を深めながら魔法の修行を行う事に成り、その寮生である事が花子の読みたい魔法書を読む条件に成っている

>希少な魔法書を読む条件が厳しいのは魔法書で優秀な生徒を釣っているからと考察する花子はある程度、大きな町や都市なら魔法学校が存在する現代、生徒数を増やしたり、優秀な魔法使いの卵を欲する学校は多いのではないか、と言う状況分析から、この学校は教育機関として優秀である、とか、優秀な生徒には特典がある、など、他では得られない何かを提示してアピールしているのでは? と考える花子は希少で大切な魔法書を使う事で生徒間の競争意識を高めているとも考えている

>魔法書の内容を公表されたらどうするんだ? と考える人もいるだろうが、他者に口外する事が禁じられている魔法書の内容を誰かに知らせた魔法使いは、信用を失って社会的に追い詰められる事から、常識を持ち魔法に優れる生徒が選ばれるメンバーがそのような事をしないと言う前提が存在する事からこの報酬は成立している。


㊲屋内練習の日、宗次、由香、花子の三人が申請していた魔法の授業で使われる事が多い縦横に限らず天井も高い建屋の一部でテスト練習を始めた

>三人の他にも多くの生徒がテストの練習を行っているが他人の練習に大した関心も持たず、課題発表時に学校から提供された桶に水を汲んできた花子は、魔法石を握った手を桶の水に浸けて魔法石を粒子に変えた後、手を抜いてから詠唱しながら風魔法用の風魔法を行い、空気を制御する事で水を蛇の様に胴が細長く、くねくねと身体を曲げる龍の形を作り上げた

>形成され、静止した水を様々な角度から観察した花子は望む形に成っているかを確認したら、幾つか想定と異なる部分が見つかり、魔法式の修正が必要だと判断して、魔法式の最終工程、造形された水を桶に戻す様子が無事に完了した事を確認した花子は魔法式の修正する為に考え始めた

>花子が風魔法を使う様子を見ていた由香と宗次は単純な魔法だが使用する魔素量がそれなりにある魔法石を使って、精度の高い造形を行った事に驚いていたら、同じ屋内に居る他の生徒たちも花子の魔法が形成する水の龍を見て驚いている事に気付き、花子の異常性を実感した

>周囲の視線を気にせず集中して魔法式を修正し終えた花子は区切りがつき、由香や宗次の様子が気に成って様子を見たら、100%成功とは言えなくても、風魔法を用いた造形の確認が概ね出来ている様子から、この調子なら大丈夫かな、と思い、現時点で手伝う必要性はなさそうだ、と判断した花子は再び詠唱しながら風魔法を使って形を確認した

>二回目で許容範囲の出来に成った花子は凍らせて想定から逸脱しない程度の氷像が出来るか確認する為に風と氷結の複合魔法用、魔法石を使って詠唱しながら水を造形する風魔法の魔法式に水を凍らせる氷結魔法を繋げた魔法式で魔法を行った

>一回目に出来た氷像でも上位に入れる程度だと考えた花子は目指すは一番、と気合を入れ直して、不満な点を改善する為に魔法式を修正し始めた

>熱する魔法を詠唱しながら使って氷を溶かしてから、再び桶に入った水を凍らせず風魔法だけで形を確認した後、問題が無いと判断して二回目の氷像作りを行った

>水を凍らせる際のコツなどを解明しようと長考していた花子は二回目の氷像作りを終えて、今日中に終わらせる必要は無い事から、焦らなくて良い、と自分に言い聞かせて今日の練習を終える事にした

>水を片付けて帰り支度を終えた花子は、奮闘する二人の様子を眺めた後、同じ建物内で同じ課題に取り組んでいる他の生徒たちに目を向けて、観察しながら二人が終わるのを待った。


37.1自分の魔法観を知らない人の目がある場所で魔法を使う際に必ず詠唱を行っている理由は太郎の頃、虐めを受けたきっかけが自分と現代魔法社会の魔法に対する考え方が異なっている事を知られたからだと認識している花子は現代魔法社会に居る間は相手の価値観に合わせないと自分が原因で揉め事が起り得る、と考えて社会的な立場がこれ以上、悪くならない様に相手に合わせる事を太郎時代の失敗から学んだ結果、相手に合わせる大切さを重んじるようになった。


㊳テスト当日、花子は予備の魔法石も用意はしたが、一回で決めたいのは用意した魔法石の中でもっとも適した魔法石を最初に使うからだった

>魔法学校に在籍する学年一つ当たりの生徒数は90人ほどで、クラスは三つに分けられている事から、クラスごとに担当する先生が氷像作りを見て評価する事から、生徒一人当たりに与えられる時間的な余裕は多くない

>手間取らなければ四回は行える時間が用意されているとは言え、全て失敗する可能性もないとは言えず、精霊が祀られている祠に行き、祈る生徒は多いと小耳にはさんでいる花子は、それで結果が変わったら嫌だなぁ、と思ってしまうのは花子が精霊の実在性を疑っており、存在するかしないか証明できない存在に左右されたりしたくないし、自分の考えを否定されている気がして、気に入らないのかもしれないと考える花子は、精霊の存在を妄信できたなら、こんな事で不満を抱かなくて済むのかな、と考えながらも、そんな自分を受け入れがたいのは、それを受け入れる自分は自分ではないと思っているからなのかな? などと考えながら自分の番を待っていた花子は先生から名前を呼ばれた

>他の人より注目されている気がしたものの、やる事は変わらない、と自分に言い聞かせる花子は大人数に見られながら魔法を披露する機会が足りなかったのか、自覚できる程、緊張していた結果、一回目の出来は想定より劣る許容しがたかった

>それでも上位に入れる程度の出来だったが自分的には不出来な結果で気に入らなかったが、周囲から自分の内心とは対照的な『凄い』と言った評価をされた事で、他人との感覚のズレに不満を抱いた事で、緊張が緩和された花子は二回目の氷像作りで想定していた結果を得られることが出来て満足できた。


38.1周囲から『凄い』と評価された花子は、それまで抱いていた健治に推薦されながら不出来な結果に終わったら『期待外れだ』と侮辱されるのでは? と不安を抱いて、成功しなければ、と言うプレッシャーを自分が自分に与えていたが、想定よりも周囲のハードルが低かった事から、価値観の違いを知ってハードルを見誤ったかも、と思った後、周囲の人々を下に見てしまった事実を自覚して、良くない考え方をしてしまった、と思い、気を付けないと、と自分を律した花子は失敗を恐れる不安から意識がそれて緊張が抜けた影響か、二回目は許容範囲な氷像を作ることが出来た。


㊴無事、テストで先生や生徒たちから一番であると評された花子は放置しても大した問題には発展しなかった揉め事(由香の孤立)に介入した事をを補えたかな、と考えたが、感情的な言動で介入した手段は間違っていたかもしれないが介入した事は間違っていないと思っている

>由香は中の上と宗次は上の中と言った結果を残し、三人とも自身に課した目標を達成できた事から『祝勝会をやらない?』と提案した由香に『いいな』と乗っかった宗次に続いた花子が『賛成』と言い、放課後、三人で由香行きつけの喫茶店に向かった。



㊵や❻以降は作る事が出来れば『プロット Ⅲ』で



【プロットⅠの④ここから】


④他人から、社会から、どの様な認識を持たれているのか? を気にしている太郎は自分が女であるという自覚が無い事から、はしたない! と注意されて恥ずかしい思いをした後、はしたなくない様に振る舞おうと考える太郎は、恥じらいが無い訳では無い(寝起き&慣れていない事から翌朝は意識していなかったが……)

>太郎がシャツ一枚でリビングに現れた時は『恥ずかしくないのか』と思った健治だったが指摘したら恥じらって言い訳し始めた様子を見てからは、人並みに恥じらいは持っているが意識していなければ恥じらうのなら、今の太郎に足りないのは女としての自覚なのではないか? と考察した健治は意識させる為にも積極的に指摘しようという方針を決めた

>買い物に出かける為に健治から『診療所で貰った服を着ろ』と言われた太郎は洗ってないから嫌だな、と思っていたら『その格好で街中を歩いたら痴女だぞ』と健治から言われて侮辱された気分の太郎は辱めを受けた屈辱を吐き出すように『そんなことしない!』と直ぐに否定して洗っていない下着や服を着た

>健治と共に洋服店へ行った太郎は『この子のコーディネートをお願いできますか』と店員にお願いした健治に『はい、お任せください』と答えた店員に抵抗せず、服を渡されたが女性用の服を着る自信が無く、渡された服を持ちながら、着方を聞くべきか、手伝って欲しいと頼むべきか、頑張って一人で着るか悩んでいたら、『着替え、手伝いましょうか?』と言われた太郎は『お願いします』と頼んで手伝ってもらった

>着替えた服は可愛らしくて今の自分に似合っていると思い、健治に見せつける為に、健治の目の前で身体を動かしたら、短いスカートがひらひらしたのか『そんなに動くな、見えるぞ』と健治から注意された太郎は、痴女的な行為を行った恥ずかしさから、店員に『動いても大丈夫な服はありますか?』と聞いたら『ありますよ』と答えられて、案内された

>無事に服を選び終えた太郎はお金を払う健治に対する申し訳なさを抱き、考えていたら、健治を見つめる視線に気づいた後、その意図にも気付いたのか『この程度、気にするな』と言われて、自分の不安などを気付いてもらえてうれしい気持ちを抱いた太郎は口には出来なかったがその気遣いをありがたく思った

>店員が最初に選んでくれた服も良かったが恥ずかしい思いをしない事を優先して服を選び直してもらった申し訳なさと、選び直させられたのに文句を言わず楽しいそうだった店員の凄さを実感した太郎は、プロは凄いな、と思った。


4.1恥ずかしい思いをしたくない太郎は、自身の恥ずかしい言動を自覚した場合、今後はそんな目に合わない為に、恥ずかしい言動を避けようと心がける傾向が強く、自覚する度に恥に繋がる言動は減って行く。


4.2他人から言われたり、社会で噂されている『恥ずかしい言動』は見せないべき言動であると認識する太郎は指摘されたり、気付くまで恥ずかしい行為を恥じらいなく行っている事が多々あり、太郎の言動を改めさせたいときは、『こうしなさい』より『そんなことして、恥ずかしいよ』と言った方が効果はある。


4.3だから、接吻とか異性の裸を見たり、見られたりする事は恥じらう太郎は初心な感じに見える角度があり、それらが恥ずかしくないと思える状況は、その行為はまずかしい事ではないと太郎の中に存在する倫理や常識、脳内で行われる社会や他人のシミュレーションで恥ずかしくないと判断されなければ、恥ずかしく思ってしまうから、太郎に恋人が出来てもキスとか容易に出来なさそう。

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