第61話 家族愛をコンビニ経営で確かめる9
「いざ! 会国議事堂へ!」
「出陣じゃ!」
「天誅でござる!」
「我が家の夢と希望を返せ!」
今の夢も希望もない日本で安倍家はテロ行為を行うことを決意した。そして手には油やチャッカマン、包丁に打ち上げ花火を持って、民自党本部や、会国議事堂へ向けて出発した。
「ごめんなさい。」
「すいませんでした。」
「なぜバレた!?」
「神よ! 我が家を見捨てたのですか!」
安倍家は不審者として、周辺を警備している警察に職務質問して、逃げ出したので逮捕された。そして部屋に連れてこられた。そこには警察だけでなく、政治家もいた。
「どうして、こんなバカなことをしようとしたんですか?」
「実はカクカクシカジカで。」
安倍家は警察と政治家に、今までの経緯を説明した。仕事も無く、コンビニを経営しても夢も無く、行きついたのが無差別テロ行為だった。今後の日本は、安倍家のような破綻者テロリストが増えるだろう。
「それはただの八つ当たりでしょ。」
「本当にいい迷惑だ。」
「すいません。」
警察も政治家も安倍家の勝手な思い込みに迷惑した。安倍家は反省するしかなかった。
「どうします?」
「どうしますと言われても、こんなバカバカしい出来事を公に後悔することもできませんよ。国会議員の恥になります。」
「警察も困りますよ。子供の遊びでテロ行為が行われようとしたなんて。」
「困りましたね。」
警察は逮捕もできず、政治家も世間体を気にするので、安倍家のような幼稚なテロ行為の処理を困った。
「そうだ! あなたたち、コンビニを経営していたんですよね?」
「はい。」
「なら会国議事堂で、コンビニを経営しませんか? ちょうど会国議事堂にコンビニが無くて不便で困っていたんです。」
「ええー!?」
「あ! それなら警察署にもコンビニを出店してください。雨の日に外に食べ物を買いに行くのが面倒臭いんですよ。建物の中にコンビニがあれば助かります。」
「なんですと!?」
警察と政治家は、それぞれにコンビニを出店してほしいと、プチテロリストの安倍家にお願いした。
「いいんですか!? 私たちなんかで!?」
「いいんですよ。これで犯罪も減るんだから。」
「そうそう、お互い困っている者同士。助け合っていきましょう。」
「はい。ありがとうございます。」
こうして安倍家は逮捕されないで、警察署と会国議事堂のコンビニ経営の独占権を得た。
「やったー! 就職出来たぞ!」
「これで路頭に迷わなくて済む!」
「ご飯が食べられるぞ!」
「儲かったら、ブランドのバックを買いに行くわよ!」
安倍家の家族愛は復活した。
つづく。
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