第16話 挑む!?

「魔法×ミステリー、はい、消えた。」

 世界なるほど・ざ・ワールド並みの部長の消えたが入る。

「何か得ることはできたの?」

「得た。コネが無いと何を書いても消える運命だと。」

 これが現実である。

「仮に作品の投稿者数を1万として、書籍化背れたのが100人。確率でいうと、1%だから・・・まず無理ね。」

「そういうこと。気楽にいこうぜ。軽い文学部なんだから。アハハハ。」

 笑うしかないのが出版業界である。そして便利なライト文芸部。

「迷惑探偵コナンにケンカを売ろうか?」

「極端ね? なぜそうなるの?」

「だって、コナンが終わらないと、探偵モノのアニメ、マンガは全て却下される。ここ20年で二匹目のどじょうって、金田二少年の事件簿くらいだろ? メジャーが終わらないと、そのジャンルでの次のエースは育たない。」

「コナンは黒幕も分かったし、もうすぐ100巻で終わるって噂もあるわよ。」

「部長の執念はどこから湧いてくるんですか?」

「コネがない所から強者に負けたくないという雑草魂が育ったのだ。ワッハッハー!」

「迷惑探偵は、現実ドラマだから、魔法探偵とジャンルは微妙に被らないのではなですか?」

「迷惑探偵を見たことがあるか?」

「はい。」

「メガネは、追尾魔法。ベルトは、ボールの召喚魔法。靴は、攻撃力倍増魔法。科学を魔法に置き換えた要素が満載だ。なぜ探偵モノで爆発や観覧車が燃える? 結局は、戦闘シーンが派手で視聴者ウケするのをよく分かっている。だからカーチェイスするのだ。最近の推理は無理があり過ぎて、見ていても分からない。それが迷惑探偵の全てだ。」

「でも、それって探偵モノや、推理する必要がないわね。」

「そういうこと。このライト文芸部も書籍化やアニメ化されたかったら、爆発シーンや戦闘シーンを描けってな。」

「ライト文芸部でどうやって、爆破シーンをやるんだよ!?」

 その時、笑と大蛇が科学の実験を行おうとしている。

「おまえたちは何をやっている?」

「え? 爆破シーンの演出ですが?」

「バカ野郎! 部室を破壊する気か!」

「ごめんなさい!?」

「やるなら体育館を破壊しなさい。」

「他の爆破は良いんですね。」

「職員室も許すぞ。」

 天部長は、そういう部長である。

「ということで。」

「どういうことですか?」

「迷惑探偵は、魔法を科学に置き換えただけで、魔法と科学は同じということ。迷惑探偵が終わったら、別作品の続編的に、魔法探偵は大ヒット間違いなしだ。」

「天は、そういう才能はあるのよね。」

「問題は主人公のシャロやんが女子高生で、迷惑探偵は薬を飲まされて子供になったと。シャロやんも魔法で子供にしてしまうか?」

「本当に置き換えることができるのね。迷惑探偵と魔法探偵は。」

「もうすぐ迷惑探偵が終わるなら、チャンスね。」

「スケジュールを抑えると「あなたを食べてもいいですか?」が8万字なのでもうすぐ終わる。私たちは、グダグダ系だから、この調子で大丈夫。創作時間が取れるとしたら、7月前かな。」

 なんだかライト文芸部は、忙しかった。

「ホラー的に、何か新しいものを生み出したいんだが、探偵で魔法を使えるキャラクターのDNAということだな。」

「でも、それって異世界ファンタジーモノで、ミッションをクリアしている冒険者でしかないわよね。」

「麗は、たまに核心をついたことを言うな。それを言っちゃったら、現実ドラマの探偵さん、全員死んじゃうからダメよ。」

「ごめんなさい。」

「ライト文芸部なのに、真面目にライト文芸の話をしている!?」

 カロヤカさんは、天と麗の会話を聞いて驚いていた。

「カロヤカさんは、うちの部活を何部と思っていたんだ?」

「落研。」

「・・・言い返せないのが苦しい。」

 これでも平和なライト文芸部。

「魔法探偵のスキルを欲しい人はいるか?」

「はい!」

「はい!」

 笑と大蛇が立候補する。

「探偵キャラになって、出番を増やしたいです! ニコッ。」

「魔法を使って、全てを破壊したいです! キャッハッハ!」

「おまえたち、志望動機が腐ってるな。」

「出番のある部長に言われたくありません。」

「そうですよ。暇なら人間は腐るんですから。」

 部長は、魔法探偵スキルを委ねる部員を決めた。

「カロヤカさんに、任せよう。」

「ありがとうございます。」

「どうしてカロヤカさんなんですか?」

「そうだ! そうだ! 納得いきません!」

 笑と大蛇が抗議する。

「探偵モノが、異世界では魔法、現実世界では化学、それで派手な演出をしているのは理解できたので、やはりカロヤカさんは、絶対無敵なので、探偵になっても、どんな難事件でも解決してしまうだろう、ということだ。」

「カロヤカにお任せあれ。」

「確かにカロヤカさんの前に、事件は跡形もなく解決されるでしょうね。」

「カロヤカにお任せあれ。」

「カロヤカさんが悪乗りしている!?」

「カロヤカにお任せあれ。」

「カロヤカさん、お化けが出たぞ?」

「キャアアアアアア!? お化け嫌い!?」

 お化けが出たという言葉に怯えるカロヤカさん。

「これで魔法探偵の主役ができますか?」

「ムムムッ!? 再考した方がいいのかな?」

 どんな難事件も解決! カロヤカさん! ホラー以外は。

 つづく。

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