第13話 魔法探偵シャーロット・ホームズ3

「あなたは!?」

 下校中の私の前に、飛行機で私にハイジャック犯は二人と教えてくれた、美人なお姉さんがいた。

「飛行機に乗っていたお姉さん!?」

「その通りよ。」

「どうしてお姉さんがここに!?」

「あなたは私が乗客だと思って、簡単に私の言葉を信じてしまった。もし、あなたが乗客の中にも犯人の共犯がいると想像していたら、もしかしたらハイジャック犯の2人を助けることができて、魔女王様のことを聞くことができたかもしれないわね。」

 美人のお姉さんは魔女王と関係があるようだった。

「まさか!? お姉さんはハイジャック犯の共犯者で、魔女王のことを知っているの!?」

「正確には違うわね。共犯者ではなく、管理者。私は魔女王様の使い魔、ストリーム。」

「魔女王の使い魔!?」

 美人のお姉さんは魔女王の使い魔だった。

「そうよ。あなたは魔女王様の計画を2回も邪魔した。そして魔女王様の存在も知ってしまった。せっかく1回は見逃してあげたのに。」

「なら私も殺すというの?」

「そうよ。あなたは私たちのことを知り過ぎてしまった。誰であろうと魔女王様のに近づく者は始末する。」

 魔女王の使い魔ストリームの狙いはシャーロットの命だった。

「それは無理ね。」

「なに?」

「だって私は、あなたたちの存在に気づき、あなたたちが私に近づいてくることも想定していたんですもの。」

「なんだと!? まさか!? 私をおびき出すために、わざと事件の真相に気づいていないフリをしていたというのか!?」

「私の周囲には協力してくれる警察官が大量に待機しているわよ。観念しなさい。」

 シャーロットは知っていた。ハイジャック犯が魔法を使うと聞いた時点で、事件には魔女王が関わっていると。そこで魔女王を逮捕するべく、魔女王の関係者を探し出そうと罠をはっていたのだ。

「さあ、話してもらうわよ。魔女王のことを。どうして魔法を使って犯罪行為を行うのかを。」

「クッ!? 悔しい!? 追い詰められたのか!? 私は!?」

 シャーロットは魔女王の使い魔ストリームを追い詰めた。

「なんちゃって。」

 苦悩の表情から、コロッと余裕の表情に変わるストリーム。

「え?」

「まだまだ女子高生の青二才ね。本当に私を、魔女王様を追い詰めたと思っているの?」

「なんですって!?」

「私は魔法を使える。魔法が使えるということは、何でもできるということ。瞬間移動、テレポーテーション、次元の入り口を開いて逃げることもできる。なんなら、あなたを焼くことも、凍らせることもできる。好きな方を選ばせてあげるわよ。」

 ストリームは魔法が使えるので、危機を危機とも思っていなかった。

「そうわさせないわ! 私の魔法で、あなたを逮捕しちゃうぞ!」

 シャーロットは一筋縄ではいかない相手に、魔法で実力行使を試みる。

「それも無理ね。女子高生探偵シャロやん。あなた有名人よ。ニュースでも引っ張りだこの名探偵ね。警察の捜査にも魔法少女として協力している人気者。」

「いや~、それほどでも。アハハハハッ。」

 シャーロットは敵から褒められても嬉しかった。

「ただ、あなたは女子高生になったばかりで、レベル16って感じ。私のレベルは25よ。」

「レベル25!?」

「あなたなんか小娘に負ける訳がないでしょ!」

 年齢ベースではあるが、レベルなるものを導入してみた。

「そんなことやってみないと分からないでしょ!?」

「どうぞ。攻撃魔法を私に撃ってみなさい。」

「なっ!?」

 ストリームがシャーロットを挑発する。

「望むところよ! 私が、伊達に魔法少女をやっていないってことを教えてやる!」

 シャーロットは挑発にのり魔法の詠唱を始める。

「我が由緒正しきシャーロット・ホームズ家に代々仕えし、炎の獣たちよ。破壊と再生の炎! 不死鳥フェニックス! 炎の蜥蜴! サラマンダー! 炎の竜! ファイヤー・ドラゴン! 炎の魔人! イフリート!」

 シャーロットは、次々と炎に関わる獣を呼び寄せる。

「なんだと!? たかがレベル16の小娘が炎の獣たちを操ることができるというのか!?」

 ストリームは侮っていた。シャーロットを何もできない女子高生だと思っていたからだ。

「レベルが低いからって、弱いと勝手に決めつけないで!」

「クウッ!?」

 ストリームの表情に緊張感が感じられる。

「驚くのは、まだ早いわよ!」

「なに!?」

「4匹の炎の獣よ! 合体して1つになりて、魔女王の使い魔を撃て! 炎のキメラ! フェニサラドラート!」

 炎の獣、フェニックス、サラマンダー、ファイヤー・ドラゴン、イフリートが1つの炎になり、シャーロットは炎の未知の獣を生み出す。

「なんだ!? この見たことのない炎の化け物は!?」

 魔女王の使い魔のストリームですら、シャーロットの召喚した炎の獣を見たのは初めてであった。

「魔法は人々を笑顔にするために使うものだ! 魔法は困った人々を助けるために使うものだ! それなのに魔法を悪いことに使うあなたたちを。私は絶対に許さない! 私が魔女王を倒す!」

 シャーロットは炎の獣を解き放つ。

「燃やせ! 炎の獣! フェニサラドラート! 悪の根源が燃え尽きるまで!」

 しかしフェニサラドラートは動かなかった。

「どうした!? フェニサラドラート!?」

 動かないフェニサラドラートを振り返ってみるシャーロット。

「フェニサラドラートが消えていく!?」

 フェニサラドラートの姿が徐々に薄く消えていく。

「オッホッホー! 残念でした。 全て魔女王様はお見通しよ。」

「なっ!?」

「おまえの魔法は封印させてもらった。」

「なんですって!?」

 魔女王はシャーロットの魔法を使えないように封じ込めたのだった。

「滑稽だな。魔法の使えない魔法少女とは。キャッハッハー!」

「そんなバカな!? 魔法が使えないなんて嘘よ!? ファイア! ファイア!」

 しかしシャーロットは魔法で炎を出すことができない。

「そんな!? 魔法が使えない!?」

 落胆する呆然とするシャーロット。

「おまえには命を取られるよりも、重い罰だろう。魔女王様に歯向かったことを後悔しながら生きればいい! さらばだ! 魔法少女、いや、違うな。魔法の使えない、ただの女子高生。ワッハッハー!」

 魔女王の使い魔のストリームは笑いながら去って行った。

「ま、魔法が使えない!?」

 シャーロットはストリームを追いかける気力も無く、戸惑い立ち尽くすだけだった。


 つづく。

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