第12話 魔法探偵シャーロット・ホームズ2
私の名前は、シャーロット・ホームズ。16才の女子高生。魔法を使った犯罪が増えているのは「魔女王」という者が関わっていることが分かった。私は由緒正しき探偵の一族の末裔として、必ず謎を解いてみせる。
「私に解けない謎はない! キャッハッハー!」
この物語は真実が魔法で歪められてしまう、魔法少女探偵のミステリーな物語である。
「うるさい! 授業中だぞ!」
「え・・・もう・・・朝ですか?」
目覚めると、そこは教室。私は渋谷高校の生徒だった。
「おやすみなさい。」
「二度寝するな!」
「ゲフッ。」
先生はカンカンに怒っていた。私は観念して目を覚ますことに決めた。
「こらー! シャロやん! 授業中に居眠りする奴があるか!」
「ハンズ先生、そんなに怒らないで下さい。今日は朝から飛行機のハイジャック事件を解決してきたんですから。」
思いついた。刑事がハチ公とモヤイなので、登場人物の名前は渋谷の建物の名前にしよう。
「社会貢献ですよ! 社会貢献!」
この時の私は自分が魔法少女で魔法が使えることに調子に乗っていた。
朝、私が学校に登校して通学路を歩いている時、スマホに事件のニュースが流れてきた。
「渋谷上空の飛行機でハイジャック事件が発生!? 犯人は自分は魔法が使えると叫んでいる!?」
私は魔女王が関係していると感じた。女の第六感というやつだ。
「なんですって!? 大変だ!? 何とかしなくっちゃ!」
ハイジャックされた飛行機に乗っている人々も助けなくてはいけないと思った。
「魔女王について、何か分かるかもしれない!」
私は魔法を使って悪いことをさせる、謎の存在、魔女王の手がかりが欲しかった。
「瞬間移動もいいけれど、犯人と出くわして、最悪の場合は人質の乗客を危険にさらしてしまうかもしれない!? ここは空を飛んで行くしかない! いでよ! 魔法の空飛ぶほうき! シャロ・シャロ・シャーロット!」
私はほうきに乗り、大空に舞い上がり、ハイジャックされた飛行機を探す。
「見つけた! あれだ!」
上空に飛んでいる飛行機を見つけた。私は見つからないように操縦席の中を見た。機長と副操縦士に魔法の杖を向けている犯人がいた。
「コクピットに一人。」
私は意外にも冷静で、人質の乗客の命を救うべく、まず犯人が何人いるのかを確認することにした。
「私の体よ、飛行機の壁を通り抜けよ! シャロ・シャロ・シャーロット!」
私は飛行機の中に突入を試みる。ここで瞬間移動や次元の入り口を開いて移動するのは芸が無いので、魔法が使えれば飛行機の壁を通り抜けることぐらい、朝飯前なのである。
「あの、すいません。犯人は何人なんですか?」
私は乗客に紛れて座席に座った。そして隣の美人なお姉さんに聞いてみた。
「2人です。あの乗客の前にいる男と、操縦室にいる男です。」
「ありがとうございます。」
私は犯人の数を正確に把握することに成功した。魔法が使えれば何でもできる。私は犯人を逮捕しようと動き出す。
「魔法が使えないように、拘束してやる! 見えない空気のロープ! ハイジャック犯人たちを縛ってしまいなさい! シャロ・シャロ・シャーロット!」
「ギャア!?」
「なんだ!? これは!?」
ハイジャック犯の男たちは見えないロープに縛られて、身動きができなくなった。
「乗客のみなさん! もう安心してください! ハイジャックした犯人たちは、私の魔法で取り押さえました。」
私は乗客の人々を安心させるために大声で呼びかけ、皆さんの前に姿を現わす。
「シャロやんだ!」
「あの女子高生探偵のシャロやんだ!」
「あの子、魔法少女よ!」
警察の捜査にも協力してマスコミにも取り上げられている魔法少女の女子高生探偵の私の認知度は高かった。
「私の人気もまんざらでもないわね。キャッハッハー!」
シャーロットは自分の人気に酔っていた。本当は呼ばれたくないが、シャロやんでも何でも好きに呼んでと諦めていた。
「さあ、こいつらを空港で警察に引き渡すか。遅刻だから学校に着いたら、また先生に怒られるんだろうな。」
私の華麗なる活躍で、ハイジャック事件は解決した。
「俺たちに歯向かって、ただで済むともうなよ! 魔女王様が黙っていないからな!」
「魔女王ですって!? あなた魔女王について何か知っているの!?」
拘束されているハイジャック犯が魔女王の名前を口にした。それを聞いた私は魔女王の情報を聞き出そうとする。
「教えて! 魔女王とは何者なの!?」
「魔女王様は・・・。」
「ブリザード。」
その時だった。どこからか女の声が聞こえたような気がした。
「ギャア!?」
「こ、凍ってる!?」
一瞬で犯人が氷に覆われて、凍死した。操縦席の犯人も同じく氷の棺桶に入っていた。
「クソッ!? 貴重な証人が、またしても殺されてしまった!? 魔女王について話し始めると、禁忌ワードなのか、口封じに自然発火や自然凍結するように、魔法が発動するようになっているのか!?」
私は魔女王の手がかりを燃やされる次は、凍らされてしまった。
「魔女王、いったい何者なの!?」
飛行機は無事に羽田空港に到着したのだった。
「さようなら。」
学校が終わっり帰路を歩いていた。私は飛行機ハイジャック事件のことを考えていた。そして一つの仮定にたどり着いた。
「まさか!? いや!? だが可能性はある。もし魔女王のことを話そうとしたからといって、炎の魔法で口封じをしたら、飛行機が空中で家事を起こしてしまうかもしれない。逆に、わざわざ氷の魔法を選択したということは、乗客に危害や、飛行機が爆発してしまうことは避けたということ。」
そして私が出した結論は。
「口封じをした者は、飛行機の中にいた! そう考えれば、炎の魔法ではなく、氷の魔法を使ったのも、無事に飛行機が空港に到着できたことにも納得がいく。魔法の遠隔操作や魔法が仕組まれていた訳じゃないんだわ!」
その時、私は人気のない道を歩いていた。
「その通りよ。名探偵さん。」
私の前に一人の女が現れた。
つづく。
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