第13話 攻撃は、〇〇休めのあとに

 局地的にも6対5と数的優位なはずのチームKOURYUUだが、総攻撃には移らない。相変わらずアイリスとあゆみと優姫が不自然な撤退を繰り返す。その理由を探るため、たかたんは音を立てないようにして移動。観察した。その結果、1つの事実を確認する。


 アイリス達の撤退場所はB地区。そこには30センチメートルほどの台の上に置かれたドラム缶がある。床からの高さは120センチメートルほどで、身を隠すには少々心許ない。だが、どうやらアイリス達にとっては、重要な拠点のようだ。何故なら、アイリス達はそこで数十秒間、乳休めのをしているのだから。


(なるほど。そういうカラクリだったのか)


 たかたんは確信する。1度仲間と連絡を取り、再度単身B地区周辺に展開した。そして、ドラム缶めがけて撃つことを、数秒毎に繰り返した。


「そこね!」


 撃った直後には、居場所がバレてしまう。だが、B地区で乳休めができないとなると、アイリス達の戦力は半減してしまう。チームKOURYUUのプレイヤーは、6人のうち3人がB地区周辺に集まってきた。無論アイリスとあゆみと優姫の3人だ。こうして、たかたんは自陣前で4対3という数的優位の状態を実現した。


 ーーパンッ! パンッ! パンッ!ーー


 先に動きがあったのは旗の前。立て続けに銃声がした。ヒットという女の子の声が響いた。まこととしいかとあおいが離脱した。


「不味いわ。これで5対5よ……。」

「どうする? B地区を放棄して自陣に戻る?」

「致し方なさそうね」


 B地区を放棄した3人は、太一達と合流。勝負は終盤戦にもつれ込む。

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