第11話 たかたんは思慮深く
第1ラウンドは、不幸に見舞われたチームSAIKYOUだが、地力を見せて踏み留まる。第2ラウンドで太一達はチーム卑裏悪に対して雪辱を果たす。最終ラウンドはSAIKYOU対KOURYUUとなった。
「彼女には、何か秘密があるはずなんだが……。」
たかたんが言うと、だっさんの顔は真っ赤になった。アイリスの胸のボタンが外れた際に、隙間から覗くブラジャーを見てしまったのを思い出して、恥ずかしいのだ。その色は緑だったのだが、誰にも言えないでいた。緑の悪魔と呼んだのは、その代償行為だ。
「身体能力が高いというだけでは説明がつかない」
たかたんは、対戦時のアイリスの行動をよく思い出すことにした。攻勢にありながらの不自然な撤退。あまりにも素早い反応。目視してから撃つまでの俊敏な行動。どれも1流のプレイヤーのそれをも凌ぐ。アイリスだけではない。優姫やあゆみ、しいかやまこともアイリスと変わらない性能を誇る。ポイントこそ奪ってはいないが、あおいだって動きは完璧なのだ。さらに、そんな彼女達が、冴えないリーダーの太一の号令に従順に従っている。チーム卑裏悪のメンバーよろしく嫉妬を覚えるのは自然なことだ。
「やはり、太一君というのが相当な大物なんだろうか」
「いや、それはないと思うが」
太一の話題に移ると、だっさんの顔色がいつもの焦げ茶色に戻った。
「太一君の指示よりも早く、みっ、緑の悪魔は動いていた……。」
自爆したようで、再び顔を真っ赤に染め上げる、だっさんだった。
「じゃあ、一体何を合図に行動しているんだろうか……。」
分析結果が出るより先に、第3ラウンドがはじまる。
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