エピローグ 後日談




 イェラによるハルト襲撃の件について。結局、この騒動が大きく広まることはなかった。


 ハルトは魔王とはいえ、自身の力も使いこなせない半端な魔王だと認識されている。そんな魔王が襲われた上、普通の人間と接戦だったのだ。この件はただの個人同士の喧嘩ということで決着が付いた。


 とはいえ、イェラが殺意を持って、尚且つ行動したことに間違いはない。イェラは牢獄に入れられることとなった。


 対するハルトとノーリスは、イェラに対する殺意は見られない為、喧嘩をしたと見なし、1週間の謹慎処分となった。


 この件によって、ハルトとノーリスはより仲を深めた様だった。今では、ハルトとノーリスは一緒にマナの研究室を出入りしている。


「それでこの件はおしまい。幕を閉じることとなったーー……っと」


 そこには1人の少女がいた。彼女は羊皮紙に文字を書いていく。


 その内容は、魔王になったハルトの事がほとんどである。


「全く……報告書をまとめるのも楽じゃないですね……」


 彼女、サラ=ハルクサトリは羊皮紙とにらめっこをし、溜息を吐いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る