第6話 高1 4月

 知り合いのいない、新しい環境で、友達ができるか心配したが、クラスではバスケ少女のマホと、同じ弓道部に入ったミカリンという仲良しの友達ができた。

 爺様、婆様先生による数学と英語は苦戦することになったが、クラスメートは親切な人が多く、順調な高校生活がスタートした。


 弓道って素晴らしい!すべての動きがゆっくりしている。

 むしろ速いと注意される。

 これなら私にもできると思って入部したのだが、なぜか筋トレが厳しく、長い間ふくらはぎが筋肉痛になった。

 姿勢は結構注意され、部活中はいつも背筋を伸ばしていた。

 ダイエットに効くかも。


 弓道部の先輩方は、全員穏やかで優しく、少し厳しいところもあるが、中学の時の先輩のように、ちゃんとやっているのに、『挨拶の仕方が悪い』とか理不尽な難癖をつけてくるような人はいなかった。

 男子の先輩はもちろん、女子の先輩でも弓道の道着と袴姿は凛々しくて憧れてしまう。

 部長の三年、水川守みずかわまもる先輩は武士のようで口数は少ないが、きりっとしてかっこよく、副部長の早川桃華はやかわももか先輩は大和撫子という言葉がぴったりでマドンナの微笑ほほえみをいつも絶やさなかった。

 二人は付き合っているという噂だが、部活中も学校の中でもそういう気配が全くなくて、なんか尊敬した。


 私はダイエットの最終目標を体重は55㎏で、人間的には桃華先輩のような人間になることに決めた。桃華先輩をよく観察しなくては。


    62kg…。


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