第4話 12月
「あっ、お母さん、オレの目玉焼き、黄身がつぶれてるじゃん。もう、つぶれたときは、そのままスクランブルにしてって言ったじゃん!」
優斗が朝から目玉焼きに文句を言っているのに続けて、私はもずく酢を食べながらさらりと言った。
「お父さん、私、志望校をS高に変えるから。」
両親が反対しないことは分かっている。なんせ二人の出身校だ。
元々家から歩いて十分のK高校に行くつもりだった。
だが、そこは私の中学からたくさん進学する。
S高校は通学に駅まで徒歩十分、電車三駅、さらに学校まで徒歩十五分、両校のレベルはほぼ同じという理由で私の通ってる中学では人気がない。
しかし、私には大きなメリットが二つもある。
一つは通学が厳しいので、カロリー消費が期待できる。
急ぐふりをしてジョギングもしよう。
二つ目は友人関係を新しくスタートすることができるのだ!
入学までに62kgに減らせば、周りにいる人全員に62kgの私からスタートできる。
食事の改善と
ただの規則正しい生活を送っているだけのような気がするが、本当にちょっとづつ体重が減っていくのが楽しい。
やっと66kg。
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