第8話夜会

健太は、深い眠りの中で両親の夢を見た。


母さんはいつも優しく父さんは正義感が強かった。


そんな二人に二度と会えない。そんな残酷な事が許される世界に僕は、生きている。一人て生きている‥‥。


一緒に死にたかった。二人は天国にいるはずだ。誓った。二人のお通夜の雨降る夜に誓った。


石に食らい付いてでも一人で生きてやると。

親戚に宣言した。


みんな、ホッとしたような顔をした。

やっぱりだ。僕は、邪魔な存在なのだ。


目を覚ますと真っ暗な部屋にふかふかベッドで寝かされていた。


そうか、僕は勝負に負けたのか‥‥。

あの、女の犬になるのか。


隠れてバイトを掛け持ちして猛勉強した。

血が滲むような努力をして一流大学付属高校エリス学園の門を抉じ開けて特待生で合格した。


それなのに‥‥。


「色々、思案中のところ、すみません。執事の武田孝と申します。」


「うわ!びっくりした!」


部屋の灯りがゆっくりついた。


「夜会つまりは、パーティーの準備があるので起きてもらえますか?」


「はぁ‥‥。」


パーティーか、金持ちは違うな‥‥。


健太は、クマのパジャマを着ていた。


健太が、パジャマを脱ごうとするとサササッと孝がタキシードに着替えさせた。



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