第9話変態仮面舞踏会

孝に、健太は恥ずかしい告白をした。


「僕、トランクス初めて穿くんですけど‥‥何かスースーして落ち着かないんですけどブリーフ無いですか?」


「お嬢様が、佐藤様にはトランクスが似合うと言われているので。すみません。」


何だよ!あの変態女!


いきなり部屋の巨大な扉が開いて車が一台、爆音と共に入って来た。


そして健太の目の前で急停車した。


「どうぞ、助手席へ座って下さい。」

と孝は言うと無人の運転席に座った。


健太は、スポーツカ-らしい車の助手席に恐る恐る座った。


「飛ばすぜ!シートベルトをしめろ!」


え?健太は、孝の横顔を見てびっくりした。


良く車に乗ると人格が変わる人間がいると言うが孝は顔の形相まで変化して鬼のようになっている。


「ちょ!」


健太の声がかき消されるぐらいの猛スピードで車は発進して部屋の扉を突き破った。


廊下に出た車はスピードを緩める事無く爆音と共に加速していく。健太はジェットコースターに乗っている気分だった。


重力が、健太の体を押さえ付ける。


「まだまだ!」


と孝は叫ぶとハンドルを切って壁に登り天井を突き破った。


一瞬、夜風が車内に入って満月が見えた。


そして車は回転して廊下に着地し、急停車した。


いつの間にか孝は車を降りて助手席の扉を開けた。


「どうぞ、この扉の先にお嬢様が待っています。」


健太は、放心状態で孝が何を言ったか分からなかった‥‥。


黄金に輝いた扉は意外と小さかった。


扉を健太が開けるとドでかい花火が空に上がった。


純白のドレスを着た女に手を引かれて健太は大勢の人の波に飲まれた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る