第48話トゥルーエンドにはいかない終わり
エリーゼの奪還する作戦が実行することになった。意外なのは仲間になって日が浅い二人が快く返事してくれたこと。
まずは情報収集としてエリーゼの友人らしき人に尋ねることにした。彼女は夜によくギルド内にある酒場で飲んでいる。
「ジ、ジネプラさんそれ・・・それってマジですか?」
「マジ、マジ。エリーゼはアークツルス家の令嬢なのよ」
銀髪美少女にエリーゼを聞いてみるとそんなことを返ってきたのだ。
「ま、まさか公爵家だったなんて・・・あんなにガサツで単細胞なのにか・・・・・」
「あはは、それ本人に言うわないでねぇ。傷つくから」
「はぁー、そうですか」
「真顔で返事してお姉さんのこと信じていないでしょう?」
「ま、まぁ。それよりも
エリーゼに会いたいんですけど
何でもいいですので教えてくたさい」
衝撃の衝撃な連続。
頭がパニック状態だが動かざるにはいられない。ジネブラは肩を竦めて嘆息する。
「それじゃあ・・・手伝えないけどアドバイスだけでも」
そして公爵家の豪邸がある貴族街に俺とオリヴィア、アマリア三人で目的地へと急いで進むため馬車で移動する。料金は高かった。
すごく、タクシーを見習えと吐きそうだった(涙)。
「よ、よし貴族街まで来た所で
俺とオリヴィアで行く」
「ま、待ってよ。本物の盗賊に頼るのが」
「お前は盗みなんか似合わない」
「・・・なんだよ、それ。それでも助けたいんだ。エリーゼは仲間で」
アマリアは仲間と強く言った。
なら止める理由は無いことが無い!一番下のアマリアには絶対にやらせたくない。
「それじゃあ、アマリア。
頼みがあるんだけど――」
俺はアマリアをある事を頼んだ。本人は眉を顰めて心配させてしまったが、なんとか説得した。
俺は特殊魔石を駆使して音もなく飛翔してステルスで移動する。
「こんな魔法は見たことありませんわ」
「お褒めどうも。さて、エリーゼはどこにいるか・・・いた!」
豪華な屋敷と隣接して塔がある。
いるのは屋敷と思ったが、なんとなく塔に星をお願いするエリーゼが中央の塔にいると思った。これは異世界召喚でなにか繋がるようにさせたのか・・・・・。
「まぁ、奇跡でいいか」
「何か仰りました?」
「いや、何でもない。ほら、あそこにいると思う」
直感か何か導かれたかよく分からない未知の力により中央塔の最上階に滞空にして窓を覗くといた!
「エリーゼ!」
「えっ?・・・・・どこに?
は?どうしてタカノリがいるのよ!早く帰りなさい」
窓を開けると姿を現したエリーゼ。ステルスを解除して目視できるようにすると、エリーゼは
帰れと言って追い返そうとする。
「助けにきたんだよ。ほら捕まれよ」
手を差し出す。何だかんだ言って掴むと思った。
「無理よ。早く帰ってよ!
わたしの事を忘れてタカノリは自由に生きていけばいいの。
わたしは・・・・・」
エリーゼは手を伸ばさない。
何か言われたのだろう。
「何かあったのか知らねぇが、
エリーゼは俺を呼んだんだろう。なら俺が呼んだら来てくれ
エリーゼ!!」
そう、勝手に呼ばれた。白い魔法陣で現世から異世界に。ラノベが豊富な国がいきなり文化がほとんどない世界だぞ。唯一の救いが魔法。超常現象がこの手にあるのはちょっとした万能だった。
妄想が魔力となって魔法を発動してくれる過程の一つ。そして理不尽を訊いてきた。エリーゼの尻拭いを何度も、してきた。
「・・・ダメなの。ダメなのよ!
もし、行けば刺客が送られるって脅しをされたの。指名手配もするって!だから」
「タカノリ諦めましょう。エリーゼも迷って選択したんですわ。
わたくしは、タカノリやエリーゼもアマリアを傷つけたくありませんわ!」
オリヴィアの言うとおりだ。
あの、エリーゼが強く拒むのは余程なのだろう。鬼気迫り、泣いているエリーゼを。
一緒に行けば失う確実の道。
「上等だよ」
「は?なにを――」
「恐いなぁ。でもエリーゼを失うより恐いことじゃない」
「・・・もう、そんな事を言われたら手を掴みたくなるじゃない」
エリーゼは満面な笑みで手を掴むのだった。
そして、魔法を重ねて発動する魔石でステルスと飛翔して脱出する。作戦実行した場所に戻り着地する。ステルス解除をしたのは
俺とオリヴィアのみ。エリーゼはそのまま継続。
「言われたとおりに噂を流したぜ」
駆け寄るはアマリア。
「アマリア!!あなたまで!?」
「おっと、細かい事は後だぜ。
ほら早く逃げようぜ。
噂で護衛が動いているうちに」
「そうだ、行こう。あと、アマリア最高だぜ」
仲間のやってくれた成果のお陰で難なく進んだ。夜に紛れ、このまま高く囲んだ城壁を飛翔で超えて終わりだ。順調だった。上手く進み城壁を超えて上に行くと斬撃が飛んできた。
「なっ!?」
俺達は斬撃の雨あられに命中。
無傷・・・寸刻、遅れていたら障壁を展開出来なかっただろう。
「なるほど、エリーゼ様が気に入られるだけはあるようだね」
城壁の上にいくつか道が続いていてそれは元の世界で有名な物に近い。そんな場所で歩くのはエリーゼを連れて行ったイケメン騎士だった。
「出たなぁイケメン騎士。
ここで会ったは百年ぶりほどの気持ちだぜ」
空中で滞空する俺は、青色の髪をしたイケメンを見下ろしながら悪態をつく。
「私の名前は、オリバー・アーヴィング。この騒ぎはキミたちだろう。いや、そもそも計画を立てたのはキミだ!」
イケメン騎士もといオリバーは
剣を技の構えを取る。
「やあぁぁぁ!!」
ステルスを解いてエリーゼは剣を抜き上段で地上にいるオリバーを振り下ろす。
「エリーゼ様。そのぐらいの魔法で目をくらませることできませんよ」
受け止めたオリバー。
「そうね、あなたはとくに」
オリバーは相手の剣を蹴り後ろへ飛び着地し距離を取った。
「屋敷に戻るのは――」
「無理な話ね、それは!」
両者は駆けた。エリーゼはバッグから2本目の剣を抜く。物理法則も収納限界も無視した不思議アイテムだ。オリバーはそれを見ても驚きの色はなかった。一太刀がよく見えなかった。あまりにも早く。そして、乱舞していく斬撃。
受けては止め攻撃に転じる。
それしか認識できない神速の域。
そして、前へ電光石火となって貫く二人。そしてエリーゼは膝をつく。
「くっ」
「エリーゼ様、もう決着はつきました。ここは諦めてお帰りになってください」
「なら、次は俺が――」
パキン。と壊れた音が響く。
それは前にプレゼントした魔法を即時に発動する使い捨ての指輪。
エリーゼの指輪が衝撃に耐えずに壊れた。
「あっ・・・・・」
エリーゼは呆然としていた。
俺は、そんなことよりもエリーゼの怪我が心配だった。降りようとスピードを上げる。
「待って、タカノリまだ終わっていないから」
「終わっていない?」
「だって、わたし本気じゃなかったから」
ゆらゆらと立ち上がるエリーゼ。その瞳には鬼の形相していた。
「ひっ!?」
「ほぅ?」
味方の俺は悲鳴を上げて敵は面白そうに笑みを浮かべる。普通は逆ではないかな?
「あぁぁぁぁーー!!」
エリーゼは奔る。走って走り奔る。そして、尋常じゃないほど足の速さで背後を取り無数の斬撃によるガトリングのような連続での突き技。
「ぐっ、くはあぁぁぁぁ!!?」
オリバーは、剣よみねに当たり飛ばされる。強い、圧倒的に。
「ハァ、ハァ・・・・・もう行くわ、わたし達は」
「エリーゼ様!行かれるのですか、仲間を危険に晒しても!」
「大丈夫だから」
「エリーゼ様?」
オリバーは、ゆっくりと立ち上がりエリーゼの背中を見る。俺からは前に進んでいる。
「だって、わたしには最高の相棒がいるんだから」
振り返ったエリーゼの表情を見たのはオリバーだった。だから俺はどんな顔なのか分からないが清々しい顔をしてオリバーが驚き憧憬の眼差しをしていたのは
目に焼き付いている。
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