第41話オリヴィアは、戦えるヒーラー?

襲った賊達は、ギルドに報告し

暇そうにしていた冒険者らと共に

気絶していた賊を

ルクサント・ルークに運んだ。


さすが異世界、自治体警察や軍を

使わずに安く動ける冒険者を使う

辺りが納得できるけど、

気持ち的には納得できない。


「どうして、俺が・・・

労働組合!労働基準法を

知らないのかギルドめえぇぇ」


縄でキツく縛り引きずりながら

引っ張る。ちなみに縄で縛った

経験はないため、エリーゼに

手伝ってもらった。

どうして、できるのか怖かった。


「基本的にギルドは、傭兵や

腕自慢の人達が軍や自治では対処するには人材不足で困っているのよ。

少数で動かすにしても資金や時間も

余裕がない。

そんな事情があるから志願者に

公的にこなしてもらおうと

目論見があるわけよ。

それで、冒険者は軍の雑務代わりも

こなしているの。

安報酬で」


なるほど。人材、資金、雑務などは

荒くれ者がやってもらったほうが

いいのではと考えたのか。

達成すれば、お金を支払い

失敗すれば公金は減らない。


なるほど、客観的に見れば素晴らしい

非の打ち所ない案だ。

だけど・・・


「冒険者からすれば、もっと

報酬を出せとか安全がほしい!」


下山する長蛇の列の中にいる

行き場のないブラックな仕事に

怒りを叫ぶ。周囲の冒険者も

頷いている。いい人達だ。


「いえ、これも大事なお役目

ですわお二人とも」


後ろから数十人を引いて行く

オリヴィア。

長く真っ直ぐな栗色の髪。

20歳の美少女とも美人とも言える

容姿端麗な仲間の一人。

目を疑うのは、華奢な体型なのに

数十人も引きずっていること。


(この失神させたのもオリヴィアだよなぁ。ジョブは神官という

回復担当。戦えるヒーラーて

違いないか)


ゲームでもラノベでも戦えるヒーラーは希少レベルだけど、いるのは

いる。そう考えると、もしかしたら

俺達は優秀なヒーラーを確保した。


「お、重いです・・・こんなの

持ってないよおぉーーー」


「え、えーと、タカノリ・・・

わたし手伝いにいくね」


「ま、待ってエリーゼ!

あの声は酒豪フェイなんだぞ。

トラブルに起きて・・・ああー!

面倒だな、まったく」


「フフ、そう仰るけど助けに行くの

ですね。ええ、ええ。

わたしも行きますわ」


困った人は手を伸ばすのが

金髪碧眼エリーゼ。

オリヴィアさんが誤解しているが

お姉さんは厄介だ。

からかうし、ガキ扱いするし。


「あっ、お二人さ〜ん・・・

げぇ!?オリヴィアさんも

居たのですか。あはははは」


「ど、どうしたの平気?

笑いキノコとか食べて苦しいの?」


背中を擦り心底に不安そうに

するエリーゼ。


「こ、怖いなぁ。

もう人格破綻者に進路確保だな

フェイ・・・でなにがあった?」


「こ、これです・・・」


「へっ!ガキどもが!!

俺様を・・・なんでもありゃしま

せんで」


縛った盗賊が目覚めて暴れたようだ。

だけど、俺の背後を視線を向けると

畏怖して頭を何度も下げ謝ってくる。


「オ、オリヴィアさん・・・

そんなに強かったのですか?」


「ウフフ、どうでしょうね。

魅力のあるお姉さんは秘密が

多いんですよ」


戦闘がかなり秀でているのか。


賊が、必死に謝る点や

ポンコツと化した神官フェイの

震えという点を疑念があるが

オリヴィアさんのような神官に

仲間になり僥倖と呼べる。


お姉さん系のヒロインもありだな。

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