第28話 暴走と翻弄
日課となる剣の鍛練が今日も始まる。
今日の天気は
「やあぁぁぁぁぁ!!」
掛け声を上げながらエリーゼは走り
素早く右からの
「くうぅっ!!なんとか受け止めれた」
「ワアァァァァァァ!!」
木刀で受け流したが、手が痺れる・・・
あの華奢なスタイルにどこから
あんな力が出るのか。
次の掛け声が聞こえた。それが、次の攻撃だと失念してしまい結果―――
「うっ!?・・・みぞおちはやめてほしい
んだけど。痛い、痛い!!」
そんな、願いなど受け入れてくれず返事の
代わりに剣を振った。
「何しているのタカノリ!
これは、実戦を想定にした鍛練・・・
そんなことじゃ、生きてられないよ!!」
「うわぁ!ま、また
・・・ぐっ、ごぉほ!!」
エリーゼの剣の乱舞により
あまりにも速いため避けられず木刀で
受け止めるか別の方向へ流している。
明らかにエリーゼは手加減をし
攻めている。少しでも疲れや手を抜こうと
すれば先みたいにみぞおちを狙い
容赦のない攻撃をするのだ。
「ほーら、早く防ごうとしないと
痛いよタカノリ」
「楽しそうですねエリーゼ殿!
今日はすこぶるに厳しく感じるのは
気のかな?パワハラ知っている」
「
話する余裕があるのかなタカノリ。
動きが、遅い!遅すぎるよ!!」
俺はエリーゼを話に夢中にさせ
攻撃を減らそうと考えたのだが、
通じずにいた。
何度目になるか、
「・・・ぐっ、加減をしてほしい。
もしかしなくても、これって昨日の
事だろうなぁ。
あっ、いたぁぁぁ!?」
昨夜にエリーゼを励まそうとして
冗談を言った。それが原因なのか本人に
訊けないと、独白と答えになっていた
時に
「ここまで、翻弄されるなんて
屈辱だったわ。・・・ちょっと
いい雰囲気だったのに」
「はぁ?いい雰囲気って、そんな
恥ずかしいことをよく・・・・・」
「えっ?きき、聞こえていたの!?
思った言葉が漏れて・・・
それに聞こえるなんて・・・・・・・」
青のスポーツウェアのエリーゼは、
頬を桜色に染め上げていく。
もう、慣れていいと思うのだが
俺が日頃に伝えた方がいいだろうか?
エリーゼは、素直に伝えるのが苦手なのが
「エリーゼ。もう、そんな態度しなくても
いいだろう。半年もいるわけだから
気持ちぐらいはなんとなく理解は
知っていると自負しているんだ。
・・・だから、言うぜ」
「や、やだぁ。
ま、まだ心の準備が出来ていないの」
熱い言葉を自然と出てくることに
自分でも驚いているけど、当然な認識している無意識的に俺はなっている。
その想いを明確的に伝えようとするが、
エリーゼは、顔を横へ向け視線だけを
チラとなにかを期待と恐怖が混じった
眼差しを向けてくる。
「思うのだけど、せめて素敵な場所とか
綺麗な場所で聞きたいのだけど・・・・・」
「え?まぁ、エリーゼがそう言うなら
別に構わないけど」
「はぁー・・・でも、そうなんだ。
フフ、タカノリもわたしのことをねぇ。
・・・・・ちがう、ちがうぅぅぅ!?
わたしは、別にそうじゃない」
深い思考へと堕ちいたのかしらないが
困惑、絶叫、歓喜、微笑、困惑、紅潮
と様々な表情を忙しく変化していく。
まぁ、スゴく嬉しいだけは伝わった。
「エリーゼ。その・・・・今日の
鍛練を終わらせて今日も一緒にクエスト
実行したいと考えていますが、
よろしいでしょうか?」
「あっ!うん。そうよね一緒に行こう!
早く終わらせてゆっくり続きが
聞きたいからねぇ」
「お、おう・・・・・」
恐いぐらいにキャラの急激な変化に
戸惑いを覚えるが喜んでくれているなら
別にいいか。エリーゼはいつもこれが
平常運転だし。
「それと、タカノリ緊張し過ぎて
敬語になっているよ」
「いや、お前に言われたくない!!」
朝の鍛練終了。街へ戻ろうと門をくぐろうと
すると、いつもの門番さんが
妙に応援なんかしてくるのだ。
こんなに早く告白するなんてなぁ。とか
まったく、こんな美少女に
しいよ。なんて言われ、舗装された道の
横にある芝生での会話を聞こえたのかと
感心と呆れが出る。暇なのかなこの人達。
その言葉にエリーゼは、嬉しそうだった。
―――――――◇◇◇―――――――
「す、すみません。お姉さんの
ので見惚れてしまいました」
「そ、そう・・・はは。初めて
言われた。こんなにも褒めてくれる
なんて・・・キミ名前は?」
「僕の名前ですか・・・えーと、
タカノリ・トウドウ。と言います」
「カッコいい名前だね。お姉さん
好きだよその名前は♪」
ギルドで、貼られているクエストを
探していると綺麗な声だなと
振り返れば案の定、絶世の美少女がいた。
桃色のストレートヘアーは光沢があって
美貌には、知性と凛々しさを併せ持った
才色兼備をした17から22才の容姿だった。
「・・・・・・・」
背後から杖をトントンと何度も地面を
叩く音が聞こえたが知らない。
「あ、ありがとうございます!
お、お姉さんは、かわいいですよ」
「あはは、真っ直ぐそう言われると
照るなぁ~。キミも可愛いよ!」
「あはは、
「・・・・・言われていない」
背後から、悲しそうに怒りも入った言葉。
どこか、よく聞き覚えのある声だな。
「・・・な、なんだか運命のようですね」
「そうだね。ねぇ、キミよかったら
私達のパーティに加入しない?」
「っ―――――!?」
息を飲むのが背後からでも聞こえたような
気がした。パーティの加入しないかと誘われ
たのは初めてで、正直に嬉しかった。
だからこそ、俺の返事はもう決まっている。
「すみません。俺には大事な相棒が
いるから・・・・・
せっかくの誘いですがお断りします」
お姉さんは少し残念そうにして
朗らかに微笑み去っていく。
傍観を徹していたエリーゼが隣に近づく。
表情は、喜怒哀楽を見事に全部を
現したスゴい顔をしていた。
睨んでいて、頬は赤く口は笑っているような
不敵に笑ってみて取れるものだった。
「タカノリ・・・よく、ナンパ
できるよね。わたしにあんなことを
言って、ギルドに入ってすぐに
あんなことを・・・・・分かっていたけど
バカじゃないの!
結婚するなら、妻は複数とか言う人!?」
「んなわけないだろ。
本当に好きな相手がいれば悲しい顔を
刺せたくないんだよ!」
「んなぁ!?・・・・・む、
矛盾しているわよ。なに、その無駄な
カッコいい言葉は。こんなので
納得しないから、本当の事を
言いなさいよ!」
最近はエリーゼなんだか、俺に
恥ずかしそうにもじもじするのが増えた。
それ以外は普通にスマイルなのに、
俺はそれが不満に思っている。
「エリーゼだって、俺とは長いのに
他の人に落ち着いているのに、
俺の前では戸惑って恥ずかしそうに
して・・・どうしてなんだ!」
はっ!俺は何を想った言葉を上げたんだ!?
エリーゼは、
俺を見続けている。な、なにも
言わないのか?
「ど、どうしてなにも言わないんだよ」
「あっ!・・・・・その、あの
嫉妬みたいな感情だったりする?」
「は、はあぁ!?その青い瞳は節穴か?
俺が嫉妬なんてないし、相棒にそんな
目で見ているわけないだろ!」
エリーゼは、またも頬を赤らめ
微笑み口を開く。
「・・・フフ、そう言うことにしておくと
しようかな?」
「な、なんだよそれは・・・」
優しそうで満面な微笑みを浮かべていた
エリーゼに咄嗟に視線を逸らした。
理由は分からないが、深く考えない
方がいいと俺は判断する。
「ねぇ。・・・・そのタカノリの
反応だけど・・・か、か、かわいいよ」
恥じらいながら言えたことに安堵と
不安そうにまじまじと見てくる。
「はぁ?なに言っているんだよ。そんなの
エリーゼの方がずっと、かわいいだろ」
「・・・・・・あっ、はい。
あ、ありがとうございます」
口を開き片手を胸の前に触れる姿は
強く願い想い続けるような雰囲気を醸し出し
真っ直ぐと見てくる。
「どうして敬語!?」
俺の一番の疑問はこれだった。表情が
気になるが触れていてたら
ツッコミ過労する。それにはっきりとした
返事がなかなかない。
「よ、よし!無駄話はこれぐらいにして
クエストと行こう!」
「・・・本当にキャラが変わりすぎだろう」
口調や明るさも変わっている。
エリーゼは、貼られているクエストを見て
俺も隣に移動して調べるとエリーゼは
発見したと声を上げる。
「あっ!・・・ねぇ、タカノリ。
これを受注したいけど、いいよね?」
「・・・報酬は少ないけど、
やるんだなぁ。まぁ、俺も気になるし
いいぜ!」
貼られるクエスト内容にお互い苦笑する。
そして、依頼を引き受けたので
さっそく現場へ二人は赴くのであった。
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