第23話 変わらぬ日常
窓越しから、射し込む陽光に朝の到来を
告げられ覚醒する。
「・・・ふわあぁ、眠たい」
普通の寝室に俺一人だけで、
近くに置かれているベッドにはエリーゼが
寝ていたが今は、洗顔か食事中であろう。
必ずと言ってもいいぐらいに俺はエリーゼと
寝室を共有している。
勘違いしないでほしいが、男女の関係とか
そんなものじゃなく
男友達的な・・・は、少し無理があるけど
まぁ、それに近いので美少女ゲームの
ようなイベントなんてないのだ。
「・・・うわあー、昨日の宴が懐かしい。
あのときに戻れないかな?
・・・ここは、異世界!願えば叶えるはず」
しかし、なにも起きない。
無駄な独白を終了して着替えるか。
トイレに行き次に
洗顔所で軽く顔を洗い準備を完了。
一階には誰かが作ったかは知らないが
食事ができる簡易な机とイスがある。
ちなみに利用するには受付で
食事代を払えば食べれる。
階段を降り一階に着くがエリーゼが
いつも座るテーブルに足を進め
向かい席に座る。
「おはようエリーゼ」
「・・・んっ。おはようタカノリ」
(こう読書しながら紅茶を嗜む姿だけは
どこかのお姫様に見えるよな・・・)
テーブルには俺の分トレーがある。
これを運んだのはエリーゼで
こうして、先に目覚めたエリーゼが
着替え終えるとトレーを置いて優雅に
読書しながら食事をするのだ。
「なぁ、エリーゼ」
「・・・・・なに?」
(読書中だから、苛立っている・・・)
「いや、なんでもない」
「ふーん、そう」
「・・・やっぱり、言う。
いつも、ありがとう」
「・・・・・・は、はあぁぁ!?」
本を勢いよくパン!と閉じ、
以外な言葉に驚いくエリーゼ。
「ほら、いつも先に起きてこうして
トレーを置いて待っていて
悪いなぁと思ってなぁ」
「それぐらいで、感謝されても・・・」
珍しく戸惑い何を言えば分からない表情を
するエリーゼ。
「それだけだから、食事してギルドに
行こうぜ!」
「そうね。・・・でも、
「・・・・・ちっ」
「はぁー、もしかして先のお礼は
稽古を逃れようとして?」
「いや、普通にお礼したくなっただけで
そんなことはない。
・・・実は、戸惑うエリーゼを見て
もしかしたら稽古を回避できる
じゃないか一計を思い浮かべたわけ」
「そう。それじゃあ今日は元気そうだし
厳しくやりないとねぇ!」
「・・・・・・・・はい」
朝食を済ませると、日課の剣の稽古がある。
ルクセント・ルークの正門から
少し外に出て芝生で始める。
馬車などの往来する補填されている道は
避けてだ。
「はああぁぁぁぁぁぁ!!」
「気迫を感じる。前のタカノリよりも。
でもね・・・それじゃあ―――」
「っ―――!?」
前進してのジャンプ。そして、大上段斬り
を決めようと気合のおたけび。
しかし、エリーゼはそれを最低限の
スレスレな左に回避した。
「まだまだ、気迫が出るじゃないの?
ほら、もう一回」
楽しそうに無邪気になるエリーゼが
言うが早いか剣の
叩き込む容赦なく。
「ごっ・・・・わああぁぁぁぁ!!?」
衝撃に後方へ跳ばされる。満面な笑顔で
えげつないことをことをするんだ!
「あっははは、楽しくなってきた。
ほらほら、次の攻撃♪」
「・・・バ、バケモノめぇ!
タカノリ
「うーん。遅いから、わたしが
仕掛けるねえ!」
「・・・マジか!?・・・は、速っ!
ギヤアアァァァァァーーーー」
「あははははははは!やっぱり楽しい♪」
稽古が終えると、俺の体はズタボロで
エリーゼは、ストレス解消したと
言わんばかりに爽やかな笑みを浮かべる。
ダメージは、俺の回復魔法で自分で
回復するなんだか惨めな気持ちになる。
正門の門番の二人が俺に
「少年、大志を抱けよ」
「天は二物を与えずだ!」
小声で門番さんの二人は俺に励ましいの
温かい言葉をもらう。
あれ?それ、俺の世界での偉人の名言ですけど何故お前達が知っているんだ!?
(きょ、今日は本当に来るしいかったぜ)
苦しいツラい稽古から解放されれば
ギルドの依頼をこなす仕事である。
張られている依頼をエリーゼと
ちょっとした議論を交えて、常に妥協を
心掛けている。
ちなみに妥協の本来の意味は、相手を
話で決めることである。
誤用を使っていたが、
本当の意味を教えてくれた人はエリーゼ。
「ねぇ!わたしこれがいいって思うの
だけど、この依頼はどう?」
「なになに?漁師さんが怪我をされ
困っています。だれかご助力を・・・
えぇーー!!もしかして漁獲しろと!?」
「詳細は受付の人に話を。
それにもっと詳細の話は現場に来てから
だしいのは、不安なのは分かるけど
困っている人がいるんだよ。
助けないといけないじゃない!」
「そ、そうだけど・・・ああー、分かった
受注!報酬が少ないのに分かったよ!」
半ばやけくそになって、今日の依頼が
決まった。
詳細は受付の人と事なので
その詳しい話と言うのは、代わりに力仕事
をやってもらい漁師さんが指示するわけだ。
受付の人は、この住所に向かえと事だ。
依頼者のプライベート保護法が甘いなぁと
考えながら、歩きながら向かう。
そして、依頼者に出会い受注したことを
伝え船を乗る。
依頼者は、男性で年齢は30から40ぐらい
の筋骨隆々だった。
「オラアァ!なんだ、そのヘッポコ腰は!
もっと腰を引け少年!」
「だ、だって釣り竿が重たいんだよ!
インドアの俺にはキツいぞおーーー
これはーー!!」
「なに、訳の分からねぇ事を言って
いるんだよ!見ろよお前の彼女は
見事に大漁じゃねぇか!
彼女の前ぐれぇ男をみせやがれ!」
男を見せろって、カッコいい所か?
残念ながら、彼女じゃないし相棒だし、
仲間だから検討違いだよ。
「・・・か、彼女」
「すまねぇなぁ、お嬢ちゃん。
こんな無理なお願いに精神誠意に
やってくれて、嬉しいぜ」
「い、いえ、当然のことですよ!」
エリーゼは、振り返りおじさんに
スマイルで応える。応えていても釣り竿が
引き青と白の魚が釣れた。
大きさはニジマスぐらいかな?
エリーゼの
俺の釣果はいえば、2匹である。
スゴい雲泥の差だぜ。
「まったく、彼氏さんは力仕事には
不向きで彼女は、大変だな」
「ええ、そうなんですよ。
気づけば、他の女の子に声を掛けてくるで
・・・怒っても、やめてくれないで」
「それは、大変だな」
おい、やめろ!おじさんがクズを見て
きたじゃないか。
その前にエリーゼ、恋人を否定しろよ。
俺はどう思われても構わないが
エリーゼが俺の彼女だって、思われるのは
イヤだろ!
日が傾き釣りは終了だと漁師さんは言う。
「平気ですよ。わたし達は、どうせ
暇なので」
「いや、夜になれば海の道が見えにくい
上に狂暴な魔物の活動時間になるんだ。
だから、ここが退き時だ」
漁師さんがそう強く言われてたので
俺とエリーゼは、船を漕ぐ。
漁師さんの教えがあって、危ういことなく
依頼は終わるのだった。
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