第22話 決別ための再加入
もう慣れ親しみが湧いてしまうレオーや
ドラゴンなど戦闘をした生い茂る草木
を歩いていた。
隣に視線を感じて、俺は何度目になるか
相棒へ経緯を説明をする。
「勝手に決めたのは悪かったよエリーゼ。
あの二人を再加入するべきだって
今あの時に言わないと、お互い吹っ切れずに
いられなかった思ったんだ!」
右隣に困ったような表情するエリーゼに
おそらく三度目になる説明に眉を顰める。
「勝手に決めたのは・・・怒っているけど
思い遣りがあるから別に
怒ろうとしないわよ。
ただ、単純に混乱しているだけよ。
ホールドやフェイがわたしに罪悪感な
眼差しを向けて居心地しないだけ」
ああ、なるほど。ホールドやフェイが
俺のこの日だけの一日加入の提案には
快く返事・・・・・ではなく、
(こうして、4パーティに再びなったとは
いえ、前へ歩くホールドはエリーゼに
振り返って口を開いて結局やめたり
している。勇気を振り絞っても
今日は天気がいいですね。と明らかに
言いたかった言葉をではない。
それに、俺とエリーゼの背後には
回復担当のフェイが、振り変えると
俺に助けを求める視線・・・・・
わるいけど、そこは自分で)
前みたいに和やかで緩い空気のパーティ
から、なにか言わないと重たく静寂な
パーティ・・・ナニコレ入りたくない。
まぁ、この空気を作ったのは俺の原因とは
いえるし、安易に一緒に魔物と戦えば
元に戻って上手く行くと思ったのだ。
どうしようと悩んでいると、
茂みからゴソゴソと聞こえれば
前へホールドが立つ。
「グオオォォ!」
現れるは、レオー3体だ。
黒い獅子は奇襲を成功したと勇ましく吠え
ながら、ホールドに爪で切り裂こうとする。
「フンっ!・・・だあぁ!」
盾で防ぎ片方の手にある剣でレオーを貫く。
「ギャオンンン!?」
「一匹は仕留めた、タカノリ殿!」
「ああ。右に回ったレオーは、任せろ!」
右に走るレオーの前へ立ち足を止めさせる。
「さあ、来い!おまえ相手なら魔法
なくとも剣で倒せるぜ!」
「グウゥ・・・・ガウゥゥ!」
「フッ、ワンパターンだぜ。
その隙に貰った!」
しかし、振り下ろした剣は
跳躍し
敵は剣を握る右手首に噛みつく。
「い、いてえぇぇぇぇ!?
・・・こ、この!」
「グウウゥゥゥ」
片方の手で顔に拳をぶつけるが離して
くれない。痛い痛い痛い痛い
痛い痛い痛い!!
「やああぁぁぁ!」
「ゥ・・・・・・・」
レオーの鋭い唸り声がポツンとしなくなった
のは、エリーゼの剣閃によるものだった。
動脈となる、うなじのあたりに出血し
レオーの噛む力は無くなり、噛まれた口を
離れさせ地面に落とす。
「ぎやあぁぁぁぁぁぁ!!
痛かったーーーーーーー!!!」
「はぁー・・・フェイ!
タカノリを回復をお願い」
「は、はい!」
ジョブは、魔法使いを貫くエリーゼが
握るのは杖・・・そして決して持ったずと
決めていた剣。その剣を鞘に納めると
スーパー収納できる雑嚢へと入れ
俺に飽きれた表情を向けていた。
「この癒しを【ヒール】!」
緑の粒が唐突に現れ俺の体内へ入っていき
流れる血がみるみる内に良くなっていき
傷がふさがっていく。
「タカノリさん!何度も倒している
レオーとはいえ油断しないでくださいねぇ」
「ああ、ありがとうフェイ。
そう優しく掛けてくるのは君だけだよ」
そして、討伐依頼を早々と達成。
まだ、時間や体力が余裕があるため
ここからは、レベルやルビー目的で
魔物を戦う。
「ああぁぁーーーー!!?
アーチェリーモンキーの石が
折れた痛いぃぃぃぃ!!」
「わああ!?い、今すぐに治療をします
タカノリさん!」
アーチェリモンキーの群れのバトルでは
エリーゼは剣を使うことなく勝利した。
この戦闘でそこそこダメージをもらったのは
俺だけである。
森の中を徘徊していると、河が見え
そこには通常サイズの
「よし、あの黒いイノシシは一匹だけなら、
汚名返上だ!」
「ちょ、ちょっとタカノリ待って
ブラック・ボアは
ならない攻撃力があるんだから
猪突猛進はやめなさい!」
制止を振りきりブラック・ボアに
新品と変わらない美しい刀身の
剣で走る。相手は気づいていない・・・
なら、大技を!
地面を蹴り握る刀をより強く握り
過度な力を入れずに、
ジャンプしての大上斬りの攻撃が決まる。
「ブオォォォォォ!!?」
「よし、続けて様にナナメ斬りで・・・
わあぁぁぁぁぁーー!?」
いい一撃が決まり果断な攻撃をしようと
するが、黒のイノシシは突進により
放物線を描くように落ちていく。
「ああー!?もう忠告したのに
あんなバカなことして・・・まったく。
フェイは、今すぐに向かって!
わたしは、あのイノシシを一人で倒すから」
「わ、わかりました!」
「その、俺はなにをすれば?」
「えっ?・・・タカノリ回復するまで
護ってくれない?」
「何だか、俺だけ地味すぎる!?
騎士だからやりますが」
眼下にはエリーゼの指示に従う二人、
連携が取れていいことだ。
懸念するべきは・・・・・・
「これ、落下したらケガだけですむかな」
そう。聞こえてくる仲間の声よりも
落下した後をおののいている
最中なのだった。
「あ、危なかった・・・
幸いだった。天に召されると思った」
窮地に一生を得た俺は、そう独白。
「驚きましたよタカノリ殿が
こうも猪突猛進な部分があったとは」
パーティは、休憩ことで輪の形で座り
軽食を取りながら話をしていた。
ホールドは、クロワッサンを頬張りながら
聞いていて、飲み込むと率直な言葉をする。
「そうですよ、タカノリさん危険すぎます
よ今のは。次からあんな無茶なことは
しないでくださいね!」
食パンのようや口に運び咀嚼していた
フェイは、珍しく怒った。
「あ、あはは・・・面目ありません」
俺が、気合を入れて魔物と戦えば
無様で非常に滑稽なことになった。
「はっははは、
でも愛する人へ恐怖を打ち勝った
タカノリ殿がこうも剣術が拙くて
見ていて面白かったです」
「プッ、フフ。笑ってごめんねぇ
タカノリさん。
・・・あの姿が、本当の
タカノリさんなんですねぇ」
「・・・・・ああ。肩の荷を一つ無くな
ったら、自然と。
幻滅したかな?」
こんなカッコ悪い姿を見たのはエリーゼだけで、二人にはガッカリしただろうなぁと
思う。この二人は俺の評価がやや高め。
「そんなことない。
親しみがあるお方だと思いました」
「うん、うん!タカノリさん何だか
かわいいかったですよ!」
「そ、そうか!・・・そうなのか」
「日が暮れてきたわねぇ・・・
みんなそろそろ街に戻りましょう」
エリーゼがそう言われ空を見れば
黄昏へとゆっくりと変化していく空。
「了解。魔物をけっこう倒せたし
レベルも上がっているだろうなぁ」
立ち上がり、陣形を組み移動を始める。
「タカノリその大丈夫なの?」
「エリーゼ?なにがだ」
「何がって、しっかり決別ための
再加入した二人よりも女々しくなって
いるじゃないのかなって?」
エリーゼは、高飛車な姿勢しかし、
声音の少し心配が含まれていた。
「まぁ、たぶん。脱退するとしても
なにかしたかった・・・
で女々しくないからなぁ!」
「はいはい、そうね」
「ぐぬぬっ!」
昨日と打って変わって余裕綽々な笑みを向けるエリーゼに腹立ってきた。
さらに解せないのは、俺がその笑みを浮かべるエリーゼに嬉しくなったこと。
それから、世間話などしてギルドへ戻り
俺は依頼達成したこと報告し報酬を
貰い三人が待つ食堂へ足を向ける。
「あっ、来たわねタカノリ!
報酬の件なんだけど」
「二人に分けろだろ」
「・・・はぁ?ど、どうして、
わたしの考えを知っているのよ!」
「それは、俺も考えたことだからなぁ」
エリーゼの隣に座り報酬が入った袋を
開き懐から別の袋を取りだし
ルビーの半分を入れ終えて、
ホールドとフェイのテーブル前へ置く。
「そ、そのこれをいただけるわけには」
「あわわ、駄目ですよそれは!?」
ホールドとフェイは、驚きに目を見開くと
受け取れないと恐縮な態度で断る。
「俺とエリーゼは、また明日も二人で
クエストやればいいけど、
フェイとホールドは、暫くは
一人で活動するなら必要だろ。
だからだよ」
「「・・・・・・」」
二人は無言。そして、迷った末の返事は
受け取ってくれた。
それから、最後となるであろう四人での宴。
ホールドとフェイは、生ビールを勢い
よく飲み、揚げ物を頬張る。
俺は異世界だからお酒が飲めるとはいえ
日本では未成年で飲めない年齢であるため
ブドウジュースと干しブドウやからあげを
食べる。エリーゼは、牛乳と
シチューなど口に運ぶ。
周囲は喧騒で賑やかだった。
「急でありますが・・・・・
エリーゼ殿、ドラゴン相手に逃走して
しまい申し訳ありません!」
ホールドは、酔った顔であったが
真剣な表情でエリーゼに真摯な瞳を向け
謝罪をする。
「えっ!しゃ、謝罪?」
「その、エリーゼさん逃げて戻らくて
すみません!わたし臆病だったんです」
「・・・二人とも別に気にしていない
からいいわよ」
二人はエリーゼの明るい笑みに
安堵と自然な笑みを浮かべる。
よかったなぁ。二人とも・・・そして
エリーゼも。
おどおどしい三人を見ながらブドウジュース
を飲み込む・・・弾けるような甘さが
広がる味は、絶品。
そう考えていると、向かいに座るフェイが
俺を見続けていて、そして口を開く。
「その、タカノリさんご迷惑を
お掛けしました」
「迷惑・・・を?」
「はい。わたしに気を使たり
逃げるわたしに優しく声を励まして・・・
嬉しかったですけど、わたしは
失礼な発言もあったし、酔っぱらって
迷惑を掛けてなどです」
振り返れば・・・確かに酔ったフェイに
迷惑があったのは否定しないとして
今ここで言うのは失礼だろう。
どちらかと言えば俺の方が数倍以上は
迷惑をかけている自負があるぐらいだ。
「その・・・ありがとうございました。
いいパーティでした・・・
いつかお会いしたときは秘めた想いを
・・・伝えますね!」
「え?秘めた・・・そうだな。
その時になったら」
「はい!・・・・・えへへ、
言っちゃいました」
パキン。とガラスが砕いた音が響き渡り
自然とその音がなった場所を向くと
・・・エリーゼが俺に驚愕の眼差しを
向けていた。
視線を下げれば飲んでいた牛乳のグラスが
落ちたのが分かった・・・けど、
エリーゼの表情が分からない。
「エリーゼ・・・どうしたんだ?」
「・・・・・・・・はっ!?
な、なんでもないわよ!
なに、フェイと話しているのよバカ、
バカ、バカアァァァ!!?」
「お、落ち着けよ!言っていることが
分からないぞ」
エリーゼが、危機感を覚えたような?
そんな気がした。
それで、俺に怒りをぶつけるって
理不尽すぎるだろがあぁぁぁ!
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