第19話 二人は出掛けることになった

トウドウ・タカノリは、相棒エリーゼの

いつもと違う格好と雰囲気にいぶかしんでいた。

爽やかな朝日が照らし快晴の通りを

隣で歩く相棒こと

エリーゼに横目を向ければ

いつもの魔法ローブではなく、

キレイな長い袖タイプ白のブラウスと

水色の長いスカートで、くるぶし届けそう

ほどに長い格好していた。

輝く金髪が、陽光でいつも以上にキラキラ

それも相まって神秘的な美少女へと変貌。

そのため、通行人はエリーゼに見惚れる。


(ど、どうしたんだ今日のエリーゼは?

俺と出掛けるだけで、こんな格好なんか

するなんて、精神が病んでいるからなのか)


トウドウ・タカノリも一瞬だけ見惚れたが

様子がおかしいことに懸念をする。

エリーゼを見ていたら、チラッとエリーゼが

タカノリを向く、目が合いすぐ逸らす。


(あんな、恋をするような乙女の反応なんかして一体どうしたんだ?)

「その、エリーゼ・・・調子はいいか?」

「ちょ、調子?」


本人に訊くしかないと言ったが

エリーゼが困惑したことにタカノリは

危機感をさらに覚える。

支離滅裂で会話が難しくなるほど追い詰められていると考えた。そんな症状になっている

相棒に必要以上に笑顔を向けるように

意識して笑顔を作る。


「なんて言えばいいのか・・・

こうしてエリーゼと隣で歩いていると

楽しくなる!」

「え!?きゅ、急にそんなことを

言わないでよ!・・・バカ」

「・・・・・」


エリーゼの反応は、顔を赤くして焦る姿。

これ・・・想像したよりも

重症ではないのか。

エリーゼが、俺にあんなツンデレな言動

するわけがない。露店の声が大きい

おっさんがそこのカップル!なんて

声を掛けるが、聞かなかったことに徹し

歩を進める。


「・・・わ、わたし達ってカップルに

見えるのかな?ちょ、ちょっと

迷惑よね。そんな風に見えるなんて」

「ああ、そうだよな!」


タカノリは、いつの調子だと安心する。

エリーゼは、少し憤りと悲しくなった。


「ま、まったくだよねぇ。カ、カカ、

カップル・・・なんて、タカノリも

迷惑だよね」

「そんなのもち――」


そこまで意気投合していたが、タカノリは

わずかなエリーゼの瞳に潤うようなものを

見る。もちろんないと応えようとしたが。


「ろんない・・・なんて、冗談で。

個人的にはそう見られて光栄だと

思っている」

「ふ、ふーん。そうなんだ・・・

わ、わたしはとくにだけど。光栄なんて

タカノリはそうだろうねぇ!」

(うわぁ!?突然、元気になってどうした

んだよ・・・回復傾向でいいのかこれ?)


タカノリは、なにが切っ掛けなのか分からず

首を驚いたがエリーゼが嬉しそうなので

尋ねないことにした。

それりよもあの違和感が訊きたい。


「エリーゼ・・・」

「んっ?なにタカノリ」

「その黄金のバッグだけど、成金なりきん趣味全開でキレイな洋服が台無し

になっているけど・・・・・」

「成金!キ、キレイ・・・」


ショックと怒りと嬉しそうになど多様性な

表情を浮かんで変化していき

情緒不安定に不安を覚え是るにいられない。





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