第14話 剣舞する魔法使い

「グオォォォォォォォ!!」


天空からドラゴンの咆哮ほうこう


「あっ、あぁぁ・・・・・」


フェイは、たじろいだ。竜の咆哮に

精神の深層を恐怖を支配されていた。

フェイは、思考や身体が動けずに、

ただただドラゴンの開くアギト

見てそして喰らわれ―――


「させるかあぁぁーー!!」 

「!?」


俺は、全力で駆け女の子にこれはどう

だろうかとよぎるが心中、ごめんと謝り

担ぎ木々が多い場所へと逃げる。


「・・・タ、タカノリさん!?」

「ごめん。咄嗟とっさの事とは

いえ、こんなことして」

「い、いえそれは構いません・・・

タ、タカノリさん上空からほのおが来ます!」

「焔?・・・・・っ――!?」


ドラゴンが飛ぶ場所へ仰ぎ見てみると

荒ぶる焔が竜巻ごとく襲ってくる。

少し暑く感じたのは危機感だと思っていたが

これだったのか。


(あの・・・ドラゴンのブレス。あれを

受けたら防御そこそこの俺はともかく

フェイは・・・)


パーティの中では一番レベルが低いフェイ

しかも神官なので防御が高いとはいえず

全体のジョブの中では低いだろう。

あの熱量を避ける方法は、ふところから障壁の魔方陣の展開するための

魔石を下へ投げ俺達を護るように

秒もかかるか掛からないか展開する魔方陣。

翡翠ひすい色を放つのは魔方陣で

とくに端が最も輝いている。


「・・・スピード重視の魔方陣でいけるか?いや、いけるはず」


灼熱の焔は、翡翠色の魔方陣で防ぎていた。

しかしすぐ決壊した。


「やっぱりか、くっ!」


俺は、担いでいたフェイを次は下ろし抱擁する。そうハグを抱きつく。そして背中から

襲うのはドラゴンが吐き出した焔。


「ぐああぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「あっ・・・あぁ・・・・・」


威力が落としたとはいえ暑い痛い。

フェイをブレスを巻き込まないよう抱擁し、

壁となった。地獄のような暑さが収まり

俺は、膝を地面につく。


「タ、タカノリさんしっかりしてください」

(ま、まずい!思ったより

ダメージが・・・このままじゃ、

俺もフェイはあのドラゴンにやられる!?)

「フェ、フェイ・・・逃げてくれ。

俺は動きそうにない」

「そ、そんなこと・・・できません!

今から回復魔法を使います。

スゥー・・・この者に癒しを【ヒール】!」


まぶたを閉じ片手を向けフェイは

初級の回復魔法を発動する。

淡い光の粒が無数が俺の身体へ集まっていき

いやしていく。しかしそれは

あまりにも遅い回復する時間などもちろん

ドラゴンがおとなしく待ってくれる

はずがなく、地上へ着地し俺達へゆっくりと

足を動いていく。


「フェ、フェイ・・・ドラゴンが後ろに

・・・・・」

「えっ・・・・・あっぁぁ」


治療しながら振り返ったフェイは、彼我ひがの距離おそらく6メートルに

いるドラゴンを見て!恐慌状態へと陥る。


「ぁ・・・わあぁぁぁぁ!!」


フェイは、一目散と逃げていく。

竜の至近距離の威圧に屈して。

それは、仕方ない俺も逃げるほど威圧的で

恐怖を与えてくるその様相には。


「フェイが逃げてくれて良かったけど

・・・さて、俺はどうしようか?」


師匠の魔法具店で多くかった魔石は残っているが、魔法ローブや魔法の強化や補助

ができる杖がないと強力な

魔法陣が使えない。

もし、魔法ローブを装備させてくれないだろうなぁ。最後は真のメインヒロインの

フェイが逃げたことに満足するか。

そう抵抗感がなくなり諦めた俺はドラゴンの

攻撃を待つ。


「タカノリっーーー!!」


叫びそして、姿が見えたのは

エリーゼは神速の袈裟斬りで

その攻撃にドラゴンは悲鳴を上げ苦しそうに

もがく。


「・・・だ、大丈夫なの!ケガとか

してないわよねタカノリ」

「ど、どうしてエリーゼが・・・

ケンカして、それに相手はあのドラゴン

なんだぞ。依頼で戦う盗賊とか完全に

別格する存在なんだぞエリーゼ!」


叱責に近い声音で俺は訊き方になることに

なるのは無茶な行動を平然と選択

したことと、危機感を持ってほしいなど

色々とない交ぜっていた。

俺へ振り返るエリーゼは

安堵した表情。そして、視線をドラゴンに。

敵のかぎつめがエリーゼへ切り裂こうと

するが、難なく剣で軌道を逸らせさらに

エリーゼの一閃で腕に攻撃された

ドラゴンは悲鳴を上げる。


「やっぱり、堅いわね・・・

えーと、ホールドはタカノリの護って」

「あ、ああ。エリーゼその一人で

大丈夫かい?」


剣を持ち無双するエリーゼにホールドは

困惑する。とうとう・・・と言うほど

長い付き合いないけど、隠していた

剣の神業を使わせてしまったかと

何故かエリーゼよりも俺が嘆く。

エリーゼの表情や声音には後悔の念など

なかった。もしかしたら、ただ忘れている。


「ええ、大丈夫よ。あの程度の速度じゃ

わたしには追い付けないからねぇ!」


言うが早いかエリーゼは突撃敢行。

ドラゴンの足元を

回り、回って、回る。

囲むように走り、残像から分身となって

敵に向け突進して、斬撃としていき

ドラゴンは爪や足で抵抗するが

ただの分身が、避けるついでと斬撃。

嵐のような剣舞にドラゴンは

翻弄されていた。


「・・・スゲー・・・・・」

「まぁ、エリーゼなら出来て

当然だろうなぁ」


感嘆の声を出すホールド。俺も最初に知った

頃はこんなリアクションだったかなと

こんな場面で考える。


「ああなったエリーゼは強い!

もうそろそろ決着がつく頃だろう」

「・・・し、しかしドラゴン相手にそう

早く決着などは―――」

「グググオォォォォ!!」

「ハアァァァー!」


ドラゴンは、甲高い悲鳴を上げる。

エリーゼは、一撃を込めた発する声と剣舞。

素早い攻撃を明け続け圧倒している

完勝は疑いのないことだろう。

だが・・・・・


(そのはずなのに・・・エリーゼの攻撃を

受け立っている事と傷が浅い・・・

もしかして、攻めあぐねているのか

エリーゼ?)

「やああぁぁぁぁーー!」

「オオォォォォン」


優勢なのにジリ貧に思うのは俺の考えすぎだろうか。そうだといいなぁと根拠もなく

考えていると、ドラゴンは腕を地面に

爪をたててそして口を天に向けて大音量で

地面を震わせる轟音を放つ。


「グオォォォォォォォン!!」


その咆哮に俺の魂は恐怖した。


「ぁ――――。

ああっぁぁぁぁぁ!!?」


俺は恐怖のままこの場から、駆け逃げる。

ドラゴンが恐くとにかく逃げることしか

考えれないほど追い込まれた。

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