第12話 新しい仲間と祝宴
「えー、今日は
(前置きが長すぎるぞエリーゼ・・・
仕方ない強制的に中断させよう)
「最高、かんぱい!」
「「乾杯!」」
「ちょっ!?」
日が落ちる寸前まで魔物を倒していた
俺達は、疲れた体を癒そうとギルドに入り
食堂で宴―――つまりパーティをやる。
さすがに今朝とは違い、他の席には
同じく宴をするパーティが所々にある。
今日が初のパーティでの戦闘した
高揚感が残った顔を三人はしていた。
俺もきっと同じくしているだろう。
長々と語り始めたエリーゼの言葉を
遮って俺は、ブドウジュースを掲げて
かんぱい!と普段は使わない高い叫ぶと
フェイとホールドは、乾杯と気持ちよい
応えその勝手な行いに批判。
(なんだかんだで、これが冒険する
仲間との宴なのか。日本にいたときには
こんな体験一度も出来なかったからなぁ
・・・・・)
「まったく・・・タカノリは」
「いや、エリーゼ俺がわるい扱い方に
なってくるけど、さすがに固すぎなのは
場所を選んでだな――」
「そう?記念の仲間と勝利に
言葉を飾るのは当然じゃないの?」
「ま、まぁ・・・そうなんだけど
・・・・・・場所とか時と場合とか?」
重たいとは、言葉にするのは阻まれた
気持ちでそれに近い言葉で伝えようと
試みるが・・・
「?どういうことなのそれって?」
「・・・俺も言っていてよく
分からなくなったからストレートに
言うとだな・・・もう少し楽しくやろう」
「ハァー、この反応からして間違っていた
かなって思っていてから
そうなるよね」
「・・・・・間違っていないと思うけど
エリーゼ・・・」
「え?きゅ、急にどうしたの・・・
優しくなって・・・怖いんだけど」
少し距離を取ろうとするエリーゼ。
それやられると傷つくのとエリーゼが
引くなー!?とかツッコミたいけど、
今は自然とそんな感情が僅かにあるだけで
・・・・・
「なんだろう、エリーゼのくせに」
「それだったら、タカノリが怠けてばかり
だからじゃないの?」
エリーゼは、そう皮肉った事を言うが
どこか親愛に向ける声と表情をする。
エモーショナルで優しく漂うのを感じる。
エリーゼも同じ気持ちなのだろうか?
唯一の親友で相棒の意味として。
決して
類いのものじゃない!
「えへへ、皆さんのおかげで
わたし・・・すごくレベルが
上がりましたよ~♪」
神官ローブ姿で、顔を赤くなり
ふわふわとした笑みを浮かべるフェイ。
なんだか、違和感が・・・・・
「あれ?フェイってお酒を飲んでいるの
だけど大人だったの?」
「な~に、言っているのですか
タカノリさん!わたし立派な17才の
大人なんですよ」
「・・・・・いやいや、アウトだろ
普通に!」
「え~、わたしアウトなの?」
「・・・あー、ゴメンね。タカノリの
国では20才以上しゃないと飲めない
らしいの」
エリーゼの困惑した言葉に俺は、
思い出す。確かエリーゼが15で成人と言っていた。つまり、フェイは・・・飲めて
俺もこの異世界では飲めるわけなのか。
(でも、日本の法律を抵触するような
ことならないとか
そんな問題じゃないよなぁ。
なんかお酒を飲んだら、体に悪そうだし
なによりエリーゼがいるし・・・)
「もう、いつもそんな難しく考えないで
飲もうよタカノリ」
「フェ、フェイ!?近い近い!!」
いい香りする、胸が腕に当たっている、
熱い視線、吐息が聞こえるほど近い。
「わたしを好きだって熱烈に告白されて
ドキドキしたのに、ずっーーーと、
エリーゼさんと話して・・・
次はわたしと話してよぉーー」
「ね、
こ、こっ、告白していないよフェイ。
そのもう少し離れて――」
17才となるとフェイは俺よりも一つ年上の
お姉さんになる。・・・なんて言うか
酔っているフェイは、
なっていて思春期の俺は、刺激が強すぎる。
「フェ、フェイ!?タカノリが嫌がって
いるんだから、離れなさいよ!」
「イヤです。エリーゼさんは、
タカノリさんの恋人や夫婦でもないです
よね?」
「ふぇ!?・・・そ、そうだけど
今はそんな関係は・・・・・」
頬を赤らめしどろもどろのエリーゼ。
どうしたことか、エリーゼのそんな表情を
するなんて・・・あっ、おそらくお酒を
飲んでいてフェイみたいに
変貌したとか?なら、理屈が通る。
「ありますよ。わたしはこーう
ギューーウとしたいんです」
「わあぁぁーー!?」
フェイが唐突に
それもかなり密着し強くぎゅーとした
ハグを。俺は頭が沸騰しそうなぐらい
恥ずかしく思考がオーバーヒート起こす。
「なっ、なっ、なぁ!?」
「えへへへへ、大好きですよ♪」
「わ、わ、わわ、わかったから。
いったん離れよう・・・離れよう!!」
「無理です♪本当に拒むなら、もう
離れているよ。だから・・・タカノリも
離れたくないよね」
フェイの語脈が怪しくメチャクチャな
理屈に俺は、どうすればいいんだ。
「・・・楽しそうだね。タカノリ・・・」
「エリーゼ・・・」
エリーゼを見ると取り繕っていた。
物憂げにしているのを雰囲気が漂うように
していて、苦しんで無理していると
理解する。・・・した。
「そんなに・・・仲が良かったなら、
わたしも・・・仲間として・・・・・
嬉しいかな」
「な、なにを言っているんだエリーゼ。
少し落ち着いて―――」
「わたしと同じ部屋なんてイヤだよね。
これからは、別々で。
・・・・・フェイと同じ部屋でいるのも
いいんだよ。それじゃあ・・・
わたし先に寝るねぇ、おやすみ」
一方的に盛大に勘違いをして、言いたいことを言って走っていくエリーゼ。
「エリーゼ待ってくれ!!」
叫ぶほどの声高な言葉にエリーゼは
振り返らず走っていく。
俺は、上げた腰を力なく下ろすと
フェイが熱烈なアプローチの抱擁に
何故かドキドキとかそんな高ぶる感情が
起きてこない。向かいに突っ伏して
いつの間にか酔って寝ているホールドの姿。
こういうとき、お酒を飲むものだろうかと
思いながら、結局はブドウジュースを
浴びるように飲み続けた。
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