第10話 新たなるメンバー

「もう名乗りましたけど、もう一度、

改めて・・・わたしはエリーゼ。

見ての通りの魔法使いで、使用できる

魔法は、まだ中級ですけど

頑張りたいと思います!」


ギルドの食堂は、出入り口から左にあり

異世界、ゲームの酒場を少し広い。

隣に座るエリーゼは、凛々りりしく

優雅に名前を述べる。


「いや、誰なの?あの傲岸不遜で横暴な

魔法使いが、爽やかに目的を

語っていて・・・なんだか

怖かったんだけど」

「・・・・・えー、わたしの隣に座る方は

相手が女の子なら、見境なく声を掛ける

だらしない方です。ジョブは勇者で

名前はトウドウ・タカノリ。

とくに、あなたは気を付けてください。

豹変しやすい所もあって―――」


エリーゼは、俺の発言に怒りを表すわけには

いかず堪えるがこめかみが動いている。

そして、スマイルのままで俺の誹謗中傷と

やってもいない悪事を平然と説明に俺は、

バン!とテーブルを強く叩き立ち上がる。


「虚言やめろぉぉ!俺そんなことが――」

「それじゃあ、可愛い女の子に告白まがいの言葉の数々と口調や雰囲気の変化・・・

全部、事実と思うけどなぁー。

わたし最初に言われたこと一文一句、

覚えているんだから!」

(ぐっ!美少女ゲームのような反応なんか

するから、つい・・・言動したこと

思い出した。向かいに座るフェイや

他の仲間も同じことを俺けっこう

しているんだな・・・・・)


ここに呼ばれてから、酔っていたのか

変に感情が高ぶってナンパをやっていた。

エリーゼの言葉を否定しようと過去を探っていたら俺の過去の言動・・・ヒドイなぁ。


「・・・み、認めるよ。だけど・・・

楽しいと言うのか、反応が見たいとかで」

(頭に浮かんだ言葉を言葉にしてみて

自分でもクズな理由で少々、驚く。

ちなみにフェイの隣に座る騎士の青年は

引いているじゃないか!?)


エリーゼ以外に実行しているが

本気で告白なんてしていない。ただ、そう

しないと話せないのが理由。


「・・・で、でも!わたしはそれでも

嬉しかったですよ!」


フェイは、頬を赤くしながらも勇気を

振り絞っての言葉に嬉しいけど、

出来れば次は普通に話せるようにしようと

俺は決める。もう俺のメインヒロインは

フェイなのだから!


「ありがとう・・・さて、今のやりとり

通り、エリーゼは猫を被る奴だから

俺はそんなことしないことを自負する

名前をタカノリ・トウドウ。

ジョブは・・・一応、勇者だ」

「えっ?ま、待って名前が逆じゃない?」


当然、エリーゼは疑問の声を上げる。


「実は俺の国では、名乗るとき

相手によって、逆になるんだ。

名字がトウドウで名前がタカノリになる」


ここ中世ヨーロッパな雰囲気なので

名乗るときは、逆にしたけど最初に話をしたエリーゼには日本の順序にした名前で

言っていたからなぁ。


「な、なにその国は!?」

「そ、そうなんですねぇ・・・」

「名前が逆か・・・」

(今までそんな人と会っていないから

混乱させたか。俺も名乗るときは

どっちにするかって悩むんだ結果だな

これは)


何故か他人事のように思っていると、

注文したブドウジュースが俺の席に置かれ

去っていく。とりあえず喉が乾いたので

好物のブドウジュースを飲む。

・・・口に広がる潤ってくる甘露かんろ


「い、いつもわたしとタカノリは

頻繁にケンカしますけど戦闘は頼りにして

ください。

そ、それじゃあ二人の名前とジョブに

得意なもの、苦手なもの言ってください」


明るい笑顔を向け、面接的な言葉を向けて

始めようとするエリーゼ。

フェイは、緊張した顔で応える。


「は、はい!名前フェイ。ジョブは神官で

回復魔法では使用可能なのが中級ですけど

レベルが低いでして・・・魔力がすぐに

枯渇します。苦手なのは戦うことです」


この異世界の魔法取得は人によっては

歓迎するし反対の意見が賛否両論する。

取得条件は、その人の力量でつまりは

想像力によるもの。それ以外の条件はない。

つまりは、レベルがいくら上がろうが想像力がなければ魔法は使えないのだ。


(特別な力とか血脈など関係ないのお陰で

俺でも使えて上級をすぐ取得したんだが、

なかなか夢がなくて落ち込んだな)


関係のないことを思い出していた。


「うん、ありがとうフェイ。

これからよろしくお願いねぇ」

「は、はいです!」


手と手を握り仲間としてはくしゅをする。

はくしゅを終え次にエリーゼは、あの

青年の騎士を次はあなたと

言わんばかりに見る。


「名前はホールド。ジョブはこの通りの

騎士。得意なことはあまりないかな?

苦手なことは、魔法が使えないことだろうかな?」


青年は、そんなエリーゼに緊張や困惑などの

色がなく応えた。


「そう、ありがとうホールド。

これからよろしくねぇ」

「はっ!声をいただいたことに

光栄であります」

(あー、あー、はくしゅなんかして。

エリーゼの乱暴を知っても

態度は変化なしなのか)


偉丈夫ホールドは、爽やかに笑い

席を座る。エリーゼもはくしゅをしていた

手を放しこれからの依頼の内容と

その勝つための作戦をする。


「お待たせしました。注文なされた

ブドウを使った料理です」

「あっ、はい!ここ」

「あなたは・・・どんだけ

ブドウ好きなのよ」


エリーゼは呆れながらため息をする。

その後、エリーゼやフェイ、ホールドの

頼んだ料理が届き食事を楽しむ。

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