第6話 大型魔物レオー2

「それで、どう倒すの?」


騒ぎに現れた魔物を一掃したエリーゼが

静かな表情で訊かれる。信頼の眼差しで。


「そうだな・・・障壁の魔方陣を二重に

して、試したい魔法で倒す」

「ふーん、そう言っていたよね、たしか。」

「そんなわけで、魔方陣を展開させるから

もっと近づいてくれ。もう目撃されても

構わない」

「了解。タカノリ近づくんだね」


依頼の大型の魔物レオーは欠伸をしている。

気づいていないとはいえ、

狙われているのを気配で知ってほしいなぁと

さびしく思う。

視線をエリーゼに戻すと・・・・・距離が

ある。せめて隣に立つと呼べる距離じゃないと障壁を破壊されたときが不安だ。


「エリーゼもう少し近づいてくれないか?」

「わ、わかったわ・・・」


何故か恐る恐る近づいている。なにを

怒っているのか顔はやや赤くなっている。

大型レオーに視線を向けるとすでに

気づいていた。木々の視界にならないように

隠れていたが、少し見えるだけなのに

気づかれたのか?少し油断していたな。


「エリーゼ!早く、俺のところに。

気づかれている」

「えっ?あっ、油断していたようねぇ」

「ああっー!どうしてそう余裕なんだよ。

もう少し危機感を持とないと」


なかなか近くまで寄らないので俺は

エリーゼの隣まで走り魔法の石と魔力を

発揮して二重の魔方陣を展開させる。


「どうしたんだエリーゼ。なんだか

らしくないけど大丈夫か?」


とくに戦闘では安全をとることに

うるさいのに。


「だ、大丈夫よ!・・・そう意識させる

言葉が」

「えっ、もう一度?」

「なんでもない!ほら早く魔法を使うの

でしょう」

「心配したら、なにその理不尽な怒り。

まぁ、別にいいけど。

我が手元に従え【ストーン】」


魔法詠唱と片手を敵を狙い定める。

掌から岩石が出現すると魔方陣を解除する。

その岩石を大型のレオーに向け放ち

飛んでいく岩石を魔方陣の範囲外まで

進んだところで再展開。

直線でそんなに早くない岩石に大型のレオーは難なく避けて俺逹の方へと駆けはじめる。


(やっぱり、避けられた。できたら爪が届く距離までに倒したい!信頼している

エリーゼにケガとかさせたくないから。

中二病で魔力をあげるとしよう!)

「くく、ハッハハ!愚鈍な獣よ、

貴様が相手するは最強のヴィザードで

あるんだぞ!」

「・・・うわー・・・・・」


この異世界で召喚された俺が魔法を扱えるのは、魔力を答えてくれる異世界だから。

魔力は、妄想力。それを強く発揮させるには

俺の中二病を再び戻さないといけない。

だ、だからその理由だから

仕方なく中二病に一時的に戻って

いるだけで別に嬉しくないんだからね。


「さあ、漆黒の獣よ。我が魔法のにえとなるがいい。

我が手元に従え【ストーン】」

「・・・・・軽々と避けられているよね」

「・・・う、うるさいなぁ!」


ストーンは基本初級魔法。狙いやすく

あたれば大きい魔法。

しかし速度はそんなに早くなくレオーの

場合だととくに。


「グルルルウゥゥゥ!!」

「エリーゼ・・・刮目かつもくするがいい。我の新たなる魔法を」

「はい、はい。見ているわよ」


俺は、片手を上げ詠唱をはじめる。


「いくぞ、これが・・・新魔法。

きらめきの赤き隕石【メテオ】」


そして、伸ばしていた手を下へ降り下ろす。

隕石がレオーに落ちていき

巨大な爆発が起きる。

上からレオーがいた場所へとまだまだ

落ちて爆発が起きて、さらなる

炎が揺らめく

クレーターへと量産されていく。

土と炎と光の複合した魔法。


「・・・・・ス、スゴい魔法!」

「エリーゼよ。貴様が見たのは我が

知恵で作られた魔法なのだ」

「この魔法ってわたしにも使える?」

「やめておくがいい。この魔法は

叡智の本での培ったものだ」


ラノベや漫画とは答えれず叡智の本と

俺は答える。爆発地帯となった漂う煙が晴れるとレオーは黒焦げで倒れていた。

つまりこの討伐依頼は。


「斯様にこうも簡単に終わるとは

楽なものよ」

「よく言うよ。焦ったり

倒されたというのに。ププ」


屈託ない笑顔でツッコムエリーゼ。

その笑顔に長い付き合いになりそうだと

思い返事をする。魔方陣を解き倒れる

レオーのもとに進む。


「後は依頼の爪を手に入れて終わりだな!」

「だね。いーやー、本当に強いなんだって

気づけたよわたし」


大型魔物レオーの討伐依頼・・・完了。

報告を終えまだ、時間があったので他の依頼をするのだった。


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