第3話 魔法は至高なり

エリーゼは溜まった鬱憤うっぷんを晴らされるためボロボロになりました。


ケガは自分の魔法で治癒した。

俺達は、

異世界の地図から見て北東部にある

ルクサント・ルーク

に戻ろる道すがら話というケンカ。


城壁は厳かで高く、

中に入れば喧騒で人の往来が多い。

それも、そのはず経済は潤っていて

山や海があり、森林地帯ある。


そうなると、魔物の種類も多くなる。

倒した魔物をギルドに報告して

報酬を貰う。


そのギルドは資源を使い

商人や職人に売ったり譲渡する。

それにより発展する・・・

と鬼の金髪エリーゼが言っていた。


報告と報酬を次に旅籠はたご

宿泊手続きを済ませ、

ギルドにある酒場に入る。

そこで、向かい会う形で座る。


「異議を申す!

エリーゼが勇者で俺が

後方支援の方が合っていると思う。

それにだよ、俺が必要ないほどに

強いのに」


「しつこいわよ!

わたしがなりたいのは

勇者の魔法使いであって、

騎士とか勇者なんかに

なりたいわけじゃないの!

だから、

あなたが頑張って一人前の勇者に

なればいいじゃないの!」


理屈を言えばエリーゼは感情論で

返す。

勇者は、思ったより重労働。


エリーゼが

やりたくないのは分かるがいい加減に

我儘わがままに付き合えない!

俺は机をバンと叩き立ち上がる。


「たまにはジョブを変えて

戦闘したいんだ!

俺が魔法使いでエリーゼは

前線ジョブにすれば色々と

見えてくることもあるだろ。

・・・だから、

試すつもりで一回は――」


「無理、却下、お断り!

二度と前線に

出たくないからわたし」


言葉の最中に遮り、

聞く耳は持たないと

強めな声音で否定をするエリーゼ。

ほ、本当にこの金髪碧眼は・・・。


「そうか。そんな我儘を言いますか」


「わがままじゃなくて、信念と言ってほしいわね。人には譲れないものがあるのよ」


エリーゼは自分の長い金髪をサッ、

と触れ舞う。


才媛を思わせ振りな返事をする。

この余裕綽々と強気な

態度と才色兼備に

顔をしかめたくなる。


(ぐっ、さり気なく美少女のような

振る舞い方して・・・それが

かわいいと一瞬でも思った自分が

くやしい。

・・・んっ、ひらめいた!)


「我儘じゃなく、信念・・・ねぇ」


「そ、そうよ。な、なにか企んでいるようだけどやめた方がいいと

警告するわよ!」


俺の言葉に警戒心を露わにする。

実力行使すれば、

力ならお前だろ!俺が恐ろしい

目に合うことで恐いんだぞ。


論破しようにも

強引に話を逸らせるなら、

やることはひとつ。


「俺も信念を貫くことにする。

なので勇者をやめて魔法使いになります」


突然の宣言。

しかし何度も聞いたセリフなので

余裕の表情のまま。


「そう。魔法使いが二人で前線は

どうするって言うの?

わたしが召喚したん

だからそれぐらい訊いてもいいよね」


優しく諭すような笑顔のエリーゼ。

しかし否定する権利はないと

しみじみ伝わる。

しかし、しかしだ!

エリーゼは言っているのだすでに。


「これは、我儘じゃなくて信念だ!」


「はい、はい。これからも

勇者としての

活躍を今後も期待しているわよ」


「信念と言って断った

人が目の前にいた気がするけど。

それはどうなんだろうか?」


今度は俺が強い態度でエリーゼを

問い詰めるようなスタンス。


「うっ!そ、そうだけど・・・」


「そんなわけで、

俺は魔法使いになる。

じゃあ!」


「じゃ、じゃあって、どこに行くのよ!?」


制止の声どこ吹く風。ギルドの

食堂から出て俺はある目的に

走る走る・・・ハシーーールゥ。

向かうは夢の場所!

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