人の感情を『色』として視ることのできる少年・甲斐。
その能力を買われた彼は、世界に蔓延る『能力者』たちを捕獲する組織にスカウトされ、危険な任務に身を投じていきます。
バイトとして。
最初の1話を読んでまず驚いたのが、「映像の見える文章」だということ。
過不足のない的確な描写で、まるで映画を見ているかのようにシーンが再生されました。
加えて、凄まじいテンポの良さで綴られるアクションパートや会話の掛け合い。
流れるようにストーリーが展開して、読む手が止まりません。
登場人物もみんな魅力的です。
主人公の甲斐くんや、その相棒の折賀くんを始めとして、彼らの所属する『チーム・オリヅル』は一癖も二癖もある人物ばかり。
そんなイカれたメンバーを紹介したいところですが、長くなりすぎるのでとにかく本文を読んでくれ。
なお、私の推しは矢崎さんです。
本作、甲斐くんの一人称視点で進行していくのですが、その語り口がまた絶妙に軽くてイイ。
次々起こる怪現象や理不尽な仲間たちに対する容赦のないツッコミのキレが、とにかく最高です。
任務のたびに危険があり、重く昏い事情も見え隠れしますが、それをスパイスにして仕上げられた極上のコメディ・エンターテインメント。
多くの人もレビューやコメントで書かれていますが、ぜひ映像で見てみたい!
今後も更新が楽しみです!
たとえば、でっかい洋犬くんと日本犬くんが仲良くじゃれている……と思いきや、日本犬くんは思いっきり洋犬くんの尻の下に敷かれてた、とか Σ🐕
百戦錬磨の洋犬くんに果敢に挑んだ日本犬くんだけど、やっぱりワンパンチで返り討ちにされてたりとか。
だけど本当は仲良しさんの二匹♡と言いたいけど、またポカスカしてる……だとか🐶=3
そんなワンコたちにきゅんきゅんしてしまう方に、ぜひオススメの物語です。
主人公の甲斐くんは、甲斐犬のごとき一途さとけなげさと健全さの持ち主。普通の高校生だったのに、ある日いきなり「スパイ組織」カテゴリのブラックバイトに放り込まれてしまいます。
でも甲斐くんは負けてません! 持ち前のツッコミ力と愛する少女(絶賛片想い中)への想いを武器に、難題へと立ち向かっていきます。
その状況はかなり理不尽なのに、彼を取り巻く個性フルスロットルな脇キャラたちに翻弄されまくる甲斐くんが楽しくて、軽快にスルスル読んでしまうのです。
加えて重要なのが、「猟犬コンビ」の相棒、折賀くん。こちらはガゼルハウンドのごとき俊敏さ+腕っぷしを持つオトコマエ。
同い年の二人はしょっちゅう衝突し、そして大抵甲斐犬くんのほうが負けて、ポーンと殴り飛ばされたりしてるのですが。それでも一緒に走れば(鍛錬のため)すぐに仲直りできてしまうという、ワンコ可愛い爽やかコンビなのです♡
世界を股にかけて苦労を背負い込む甲斐くんが、国内外を疾走させられる痛快アクションは、まるでアニメを観るよう。鮮やかな描写と滑らかな筆致に惹き込まれること間違いなしです。心からオススメします!♪🐶🐕♪
巻き込まれ型主人公甲斐の受難の日々、とでも言えそうな、序盤から立て続けに面倒ごとに巻き込まれる展開。
ですが、甲斐は決して泣き言を言ったり腐ったりしません。
柔軟な感性で、自らに降りかかる事柄にくまなく突っ込みを入れつつ対処していきます。その姿が笑えるやら同情を誘うやら…
勿論、毅然と事態に立ち向かう甲斐は格好良いです。
主人公甲斐の目から見た、他の登場人物達の個性の強さも魅力的です。
彼と組む折賀、主人公コンビの同僚や上司、ちらっと出てくるだけの所謂モブキャラに至るまで…個性の博覧会状態です。
そんな人々に囲まれて、甲斐が始めることになった"バイト"がこれまたとんでもなくブラックで…同情を禁じ得ません。
ヒロイン美弥ちゃんの存在が、甲斐にとっても読者にとっても一服の清涼剤(安定剤?)になるのは当然の成り行きでしょう。
これからも甲斐の行く末を笑顔で見守りたいと思います。
主人公・甲斐の軽快な語り口のせいか、お話は読みやすくスピーディーに進みます。
目の前で漫画を読む様に、格闘シーンとかも鮮やかに浮かんできます。
いろいろな「能力」を持つ人達が出てきますが、甲斐の人の残留思念や感情が「色」として見えるという設定が特殊です。
彼の能力は、そのままでは単なる人探しぐらいにしか使えません。
けれど他の能力者と組むことで、物凄い相乗効果を生むのです。
まだ序盤までの拝読ですが、甲斐と組むことになる、能力者・折賀さんがカッコいいのです。そして折賀の妹、美弥ちゃん。
彼女にほのかな恋心を抱く甲斐の想いは、通じるのでしょうか。
(折賀兄がいるかぎり、難しそうですが…)
この三人が織りなすドラマにも今後注目したいと思います。