第2節

 清楚少女が歩いていると不良少女に絡まれた。


「おい、金を出せ」

「嫌です」



 清楚少女は即答した。それからしばらく押し問答が続いたが、しびれを切らした不良少女は清楚少女の腕をつかむと、路地裏に連れ込んだ。路地裏に入ると今度は不良少女は清楚少女を壁際まで追い込み、清楚少女の肩ごしに両手を壁についた。



「壁ドンってやつかな」


 不良少女はニヤリと笑う。清楚少女は逃げるため屈もうとするが、すかさず不良少女は彼女の股下に膝を滑り込ませる。不良少女は顔を近づける。互いに息がかかる距離だ。



「金が無いってんなら、別にこっちでも構わないよ」



 不良少女はおもむろに清楚少女の唇を奪った。



「私、そのケがあるんだよね。あんたの顔、かなりタイプ」


「ちょっと待ってください!」


「金を出す気になっても、もう遅いんだからね」


「そうじゃなくて――」



 不良少女の右手が清楚少女の股間に伸びる。



「いや! 触らないで!」

「――ん?」



 不良少女は感触に違和感を覚えた。



「この感触は……?」


「そ、そうよ」


「ふざけんじゃねえッ!」


「があああああああああああ!!!」



 激高した不良少女は清楚少女の股下に滑り込ませてあった膝で、思いっきり膝蹴りをかました。女装少年はたまらず悶絶した。


 そこへ、


「待ちな!」


 路地裏の入り口に、突如として男が現れた。

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