究極の選択
焼き芋とワカメ
第1節
目の前で美少女が不良に絡まれている。
俺だって男だ。助けるほかはない。
だが駄目!
踏み出せない!
何故か?
俺が弱虫だからか?
違う違う、そうじゃ、そうじゃなぁい。
むしろ俺は貪欲だ。目の前の美少女をいい感じに助け出して、あわよくばお近づきになり、恋に発展して、行為にまで発展させたいと思っている。
美少女は長い黒髪に白を基調とした服を着ていて、スカート丈は膝が隠れるほど長い。清楚の権化みたいな少女だ。それか清楚が服を着て歩いている。しかしその場合、服装も清楚なのだから清楚が清楚を着ているということになる。
冗談はさて置き、身持ちは堅そうだが、助けられたという恩があればなんとかなるだろう。自信はある。
では、なぜ俺は踏み出せずにいるのか。それは悩んでいるからだ。いや、不良と彼女の間に割って入ることは決定済みだ。そこは悩んでいない。俺が悩んでいるのは、そう……なんと、不良の方も美少女だったのだっ!
対して不良の方はミニスカートと、そこから伸びる引き締まった足が、鮮烈な印象を与えている。さらには上半身も、下半身に負けず劣らずの巨乳が激しく主張している。肉体的魅力は断然、不良少女に軍配が上がる。不良少女に手を貸してやれば、恩義を感じた彼女は必ずやその魅力的肉体で恩返しをしてくれるはずだ。
しかし、不良少女が今一人でいるといっても、仲間がいないとは限らない。それが女だったら特に問題はないが(いやむしろ歓迎だが体力が持つだろうか?)、男だったなら、そしてその男が彼氏だったなら、俺の狙いはきっと外れてしまうだろう。いや、彼氏が寛大な男であれば、もしかしたら御相伴に預かれるかもしれないが、望みは薄い。俺は聡明だから解る。
というわけで、出来れば不良少女と健康的前後運動を共にしたいところだが、危険性と確実性とを考えると清楚少女を取るべきだという、二者択一を迫られているのだ。
いったいどちらに手を貸すべきだ? これを即断即決出来る男がこの世にいるだろうか? いや居ない。たとえ俺ほどの聡明な男であろうとも!
そうこうしている内に、不良少女は清楚少女の腕をつかんで路地裏に連れ込んでしまった。
決断を急げ……!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます