interlude-3

 ――俺は夢を見ているのか……


 男は、霞む視界の中で女の面影を見た気がした。


 ――ああ、そうか……

 ――ようやく、会えたのか……


 男は、女が自分を迎えに来てくれたんだと理解した。

 男は、疑問に思わない。

 目の前で微笑む女が、自分の記憶の中の12年も前の姿のままだということに。


「へへ、遅いんだよ…」


 その言葉は、果たして声になったのか。


 男は微睡む。

 男の意識の中では、ここは安心出来るベッドの上なのか。

 男の目がゆっくり閉じていく。

 男の寝顔は、安心しきった幸せで満ちていた。

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