このままで良いのでしょうか・・?

結局、二人で一部屋に泊まることにしてエレベーターホールへ向かう二人。


(さっきは探検に来た時はワクワクしていた場所なのに、今は凄く緊張する~!!ま、まあ・・ただ同じ部屋に泊まるだけだし・・・大丈夫・・)

ツアレは緊張でどうにかなりそうだったが、平静を保ったフリをしていた。


「大丈夫ですか?ツアレ?どこか体調でも悪いのですか?」

「・・・い、いえ大丈夫です・・とても豪華なので緊張してしまって・・・」

ツアレは本心を言えるはずもなく、ごまかした。


(ふむ・・・ツアレ、やはり一緒に泊まることに抵抗があるのでしょうか・・・?部屋についたら対策を何か講じましょうか・・・・)



ピロンとエレベーターが到着したメロディが鳴り、エレベーターの扉が開いた。

「ツアレ、エレベーター乗りますよ」

「は、はい!」


セバスがホテルの最上階の50階へのボタンを押した。

(魔法も使わずに高速で移動できるのは便利ですね。あとで報告書に記入しましょう。アインズ様もお喜びになるはず)



ウィーーンとモーター音がしてエレベーターは上に上がっていく。

「まあ、すごいー!!セバス様!街が!街が見えますよー!!人が小さく見えます~!」

ツアレはガラス張りのエレベーターの窓から見える景色にテンションが上がっていた。


「おお、良い景色が見えますね。ツアレ良かったですね、あとで夜景も観られることでしょうね」

(・・人間は良い景色でこんなに喜ぶのですね・・うーん、ナザリックの中で景色が良い場所を増やせたら、ツアレは更に喜ぶでしょうか?)



そしてエレベーターの中でセバスは考える。

(ツアレをこのような場所に場所に連れてきて、働かせてよかったのでしょうか?

いくらツアレ自身の願いだとしても、私はツアレは人間の世界で生きていた方が幸せなんじゃないかと・・・ふう・・いけませんね・・・どうしてもツアレと一緒に居ると、考え込む時間が増えてしまいますね・・・)







__________そして、エレベーターは最上階の50階に到着した。

「ここがスイートルームですか・・・思ったより広いですね・・・」

口先では驚いた言葉を発しながらも、セバスは先ほど考えてしまった事に気を取らていた。


「セバス様・・・ここは廊下でも良く眠れそうなぐらいふかふかな廊下ですよ~!!そして広いです~!!装飾もキラキラしてますっ!」

見るものすべてが輝いて見えるツアレは、スイートルームの廊下の広さに感動した。

セバスから少し離れてスイートルームの廊下をきょろきょろと見ていた。


「ツアレは好奇心旺盛ですね。・・・まずは部屋に荷物を置いていきませんか?」

そんなツアレをセバスは優しい瞳でツアレを見た。


「は、はい。荷物を置いていきましょうっ・・・」

ツアレは、パタパタとセバスに近づき荷物を持って部屋のドアに近づいた。

(同じ部屋かあ~、こ、これは夢じゃないよね?現実だよね???)


未だにツアレはこの状況は現実だと思えなかった。

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