同じ部屋でもよろしいでしょうか?
そして、ツアレとセバスが宿屋に着く。
その宿屋は、超高級ホテルの為ロビーだけでも100人は寝泊まりが出来るんじゃないかと思うぐらいの広さだった。
ホテルの床は全てふかふかのジュータンで、ソファーもふかふか。きっと寝たら寝心地もよさそうだった。
そして、テーブルは全て照明の光が反射するほどピカピカに磨かれていた。
「ふう~疲れました~。セバス様、ここの宿屋さんはとても綺麗ですね~」
ツアレはホテルのロビーのふかふかなソファーにドカッと座ってリラックスしていた。
「ふふっ」
セバスはふかふかのソファーで喜んでいるツアレを見て笑った。
「セバス様、私を見て何を笑っているんですか~」
ツアレはソファに座って足をバタバタさせて、セバスに理由を尋ねた。
「いやまあ・・・・商談相手が皆、ツアレのようにソファーに座っただけで喜んでくれたら楽で良いな~と考えたら、つい笑みがこぼれてしまいました。申し訳ありません」
ツアレはただおしゃべりをしたかっただけなのに、セバスは丁寧に理由を教えてくれた。
(本当セバス様はいつも律儀だな~そんなところが好きなんですが・・・)
「ではツアレ、私は部屋のチェックインをしてきますのでこちらでお待ちいただけますか?」
「はい!私は少しここのホテルのロビーをぶらぶらしながら待ちますね!」
ツアレは、ここのロビーのソファーに興味が出たようで、全て座りたくなったようだった。
セバスがツアレの元を離れると、さっそくツアレはロビーの探検を始めた。
(ここのホテルは私が見たことがないものばかり・・・いろいろ気になるのよね・・・)
最初にツアレが気になったものはエレベーターだった。
「これは動く箱なのかしら?さっきから沢山の人が入ったり出たり・・・最初はドアだけだと思ったけど、表示される数字が光ってるから・・・」
エレベーター乗り場でぶつぶつ話すメイド服姿の女性(ツアレ)がそこにいた。
ホテルの利用客に不審な目で見られ続けたのにも気づかずツアレは、目を輝かせてエレベーターを観察していた。
(よし、この箱の観察はこれぐらいにして・・・次は・・・」
ツアレが次に気になったものは、自動販売機だった。
「これこれ・・・明るく光っていて飲み物らしいものが出てくるのよね・・何を入れたら出てくるのかしら?」
最初この機械を見つけたときは、観賞用なのか、何をするものなのか分からなかったのだが、ちょうど自動販売機で飲料を買う人物がいた。
その人物はとても美味しそうに飲料を飲むので、ツアレも飲みたくなってきた。
「あとでセバス様のお許しが出たら飲んでみたいな・・・」
ツアレは今までとても閉鎖的な環境にいた事もあり、ナザリック以外の至れり尽くせりな世界がたまらなくまぶしかった。
「う~ん!!今回は一泊しかできないけどもっとここにいたいな~」
さて次は・・・・とツアレがまだ探検を続けようとしたところ、セバスが戻ってきた。
何故かセバスは困ったような顔をしていた。
「セバス様・・・どうされたのですか?」
「実はですね・・・・今日泊まれる部屋は一部屋のみらしいです・・・」
「えええええええ!ひ、一部屋・・・セバス様と同じ部屋・・・」
「ホテルの方によると、・・・・
当初から部屋は、一部屋しか予約されていなかったようです・・・・
しかし、スイートルームでかなり広い為、寝る際は距離を取って眠れるそうです。
ツアレが相部屋が嫌だという場合は、満室の為違うホテルを選ぶ事が出来るそうですが・・ツアレ、どうしましょうか?」
セバスは苦い顔で、ふうっと深く息を吐く。
「・・・・・・・///////私は・・・セ、セバス様となら・・どこでも・・・一緒が良いです・・・・」
もじもじとツアレは答えた。
「・・・で、では、本日はそのままこちらで泊まりましょうか!こんな高級なホテルに泊まったことはツアレはまだありませんよね?」
「は、はい・・・こんな高級なところは泊ったことがありません・・・セバス様が良いのなら・・・」
ツアレはぐうの音も出ない。
今回は仕事のついでとはいえ、憧れのセバス様と同じ部屋で泊まるなんて、正直心臓が止まりそうなぐらい恥ずかしい出来事だけど、
でも・・・・・せっかくだし・・・憧れの男性と同じ部屋に泊まるシチュエーションは、世の乙女の憧れ・・・のはず。
もうこうなったら、泊ってやる!と半ばやけになって、一緒の部屋に泊まることにした。
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