26日 水曜日
26日 水曜日
仕事の中間。月・火曜日と働いた僕は疲労が少しずつ溜まっていることを実感していた。
その表れかよく分からない失敗を仕事中にしてしまうことも多々あった。
幸い周りに迷惑をかけることはなかったが僕の仕事は増え、より忙しくなった。
仕事が終わり僕は3日会っていなかった咲歩と会う約束をしていた。
以前に会った際はあまり会話という会話をしていないのでものすごく久しぶりに会う気持ちであった。
「あぁ久しぶり咲歩」
遠くからこっちに向かってくる咲歩に軽く手を振る。
咲歩はこっちを見ているが知らんぷりである。
彼女は軽い服装でバッグだけはブランド物であるような良いものを持っていた。
化粧はいつもと同じ整っていて少し眉は角度があり、そこになぜか知性を感じさせる。
「少しぐらい反応してくれてもいいじゃないか。」
やっと着いた彼女に僕はさっきのことについて問いただした。
「遠くから手を振るなんて恥ずかしいことしないわ。そんなことするなんて涼はまだ子供なのかしら。」
冗談っぽく言って彼女はまた、歩き始めた。
僕は彼女についていく。
「なんだか今日は気が強いね。出会った頃と同じようだ。」
「じゃあ今までは何だったの。涼は私に甘えられていたって思っていたってことかしら。」
「そうだね。君は最近、僕に甘えていたね。あと元気がないようにも見えた。」
「私はいつでも普通よ。元気だなんてものないわ。」
そういって彼女はまっすぐホテルへと向かった。
「いきなりホテルかい?ご飯とかだけでもいいんだよ。」
彼女にホテルに連れていかれるとは妙な気持ちだ。そして今日は僕はそんなことはまったく考えていなくただご飯でも食べられたらと考えていたので余計に驚いてしまった。
「女に恥をかかせる気?」
たしかにここで断ってしまっては彼女に対して失礼である。
僕は彼女に従って中に入った。
濃密に絡み合うそれはいつもよりどこか激しいような気がした。
いつもよりたしかに彼女は求めていた。
何を求めているのかは分からないが僕はただ彼女を気持ち良くしたい気持ちでその行為に集中した。
そして僕よりも早く疲れてしまった彼女はそのまま僕をほって眠ってしまった。
僕は彼女の深い眠りと同時にこの間見てしまった彼女の写真について思い出してしまった。
興奮がまだおさまっていない僕は彼女のかばんからスマホをとり、電源を付けた。
運がいいのかそのスマホは以前と同じ物みたいだ。
僕は写真フォルダを開き、彼女の卑猥な恰好をさせられた姿や血がふっくらとした太ももから下につたって、痛がっている姿など目を釘付けにしてみた。
じっと静かに見ればみるほど僕の頭はショックをおこしたようにふらふらとして身体は興奮している。
そしてたまらず寝ている彼女にキスをしたり彼女の谷間に当てたりした。
それは咲歩からの興奮ではなかったがやはり感触は欲しいのだ。
僕は咲歩の身体をただの女の身体として使ってしまったのだ。
そして僕は落ち着いた。
彼女は余程眠たいのか目を閉じている。
しかし、先ほど行為の最中に静かに“やめて”と言っていたので起きてはいるのだろう。
もし、目を開けていれば僕はとてもおかしな人だろうし。彼女のスマホを片手に見ていることもばれてしまう所だった。
急に我に返った僕は慌ててスマホをカバンに戻し。それから布団を掃除した。
そうした所で彼女はやっと目を開けた。
「変な所で止めてしまってごめんなさいね。でもさっきのは、驚いた。でも気持ちよくなれたようで良かったわ。」
彼女は先ほどの寝ている彼女に対してした行いを驚いてはいるもののその行為そのものについてはたいして驚いてはいないようであった。
僕はばれていないようでほっとした。
余程彼女は深い眠りをしていたことにも同時に気づいた。
「今日は何かあったのかい、咲歩。」
僕は心配で声をかける。
「ほら、私って風俗で働いているからさ。疲れているのよ。引っ越しセンターの人並みに重労働ね。」
そういって彼女はまたはぶらかした。
「ほんとにそれだけかい?」
僕は写真のことが聞けるかと少し期待する。
しかし、思っていた通り彼女はそのことについては触れなかった。
「ええ、ほんとにそれだけよ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます