考察 1-2
カフェにつくとそこは女性ばかりで入るのが少しためらわれたが勇気を出し中に2人で入った。
中に入り席に案内され、そこに座ると以外にも居づらさは感じず落ち着くことができた。
「達也、ここどうやって見つけたんだ。」
「バイトにいる女の子がここのガレットが美味しいっていうからさ。ほらメニューにあるサーモンの乗ったガレット。美味しそうだな。」
達也はきっと食べたことがないのだろう、はじめての遊園地のようなきらきらした目でメニュー表を見ていた。
「そうだな。じゃあ僕はこの生ハムののっているガレットにしよう。」
「涼、ここはホットケーキとガレット半分ずつだろう。ここを教えてくれた女の子がな、ここのバナナチョコパンケーキも美味しいと言っていたんだぞ。」
達也はそのバイトの女の子が好きみたいだ。僕がバイトでいたころにはいなかったからどんな子なのか分からないが可愛いのだろうな。
「じゃあこのバナナチョコパンケーキとサーモンのガレットだな。」
「おうよ。」
「じゃあ店員さんは…すいません。」
「はい。」
きれいで大人っぽい、大学生であろう若い店員が注文をとりにきてくる。
「あ、達也くんだ。来てくれたの、ありがとう。」
「あ、あぁ君が勧めてくれたから一度食べにいきたいなと思ってね。」
「そっか。本当に美味しいから楽しんでね。ご注文はどうなさいます?」
ぼくはバナナチョコパンケーキとサーモンのガレットを頼んだ。
「バナナチョコパンケーキとサーモンのガレットですね。はい。」
そういって店員は厨房の方へと行った。
「達也、さっきの店員が勧めてきた女の子かい?」
達也は微妙な笑みを浮かべていた。
「あぁそうだよ。でもここで働いているとは知らなかったな。客引きかな。涼どう思う。」
僕はそうだなぁと苦笑いをしながら考えた。
「いや、バイトの子だしシンプルに美味しいっておすすめしたかったんだと思うよ。」
「そうか、そうだよな。変なこと考えちゃったな。」
達也は水を一口飲んだ。
「そういえば達也はこれからもバイトで生計をたてていくのかい。」
「いいや、そろそろ僕も就職をする頃だと思うよ。自分の夢はそれからでも遅くないような気がしてきたんだ。とりあえず資金集めだな。」
僕は、1日1日が仕事に奪われていってそうしていつか自分のことを考えることなんて忘れちゃうんじゃないかと思った。
特に達也には夢である雑貨のお店を開いてほしかったので少し残念だった。
「そうか、きっとそれが現実を見ているってことなのかもしれないね。」
「そうだな。でもいつかきっとお店を開けるようにして見せるさ。」
「おじいちゃん…」
「おじいちゃんになってもいいんだよ。だいたい店主ってのはおじいちゃんなもんだろ。」
僕はそうだねと含み笑いをした。
そして待ちに待った料理がやってきた。
バナナチョコパンケーキにはバナナがいたるところに散りばめてあり、暖かいとろっとしたチョコが全体的にかかっていて冷たいバナナソースとうまくからんでいる。食べるとバナナの香りと甘さが広がり、チョコの香ばしさが甘さに変化を与える。
「このバナナチョコパンケーキとてもおいしいよ。そのガレットはどうだい。」
達也はもぐもぐと美味しそうに味わっている。
「あぁ美味しいよ。ガレットってクレープ的なものだと思ったけどこれは完璧なおかずだ。」
本当に美味しいと思っているのか分からないコメントだが、顔は嬉しそうであるからとりあえず美味しいのであろう。
「じゃあ交換しようか。」
そして今度は僕がガレットを食べた。
うん、おいしい。
食べたことのないその生地に男2人は美味しいとしか言えなかった。
「美味しかったなー」
僕たちはカフェを出て、何をするということもなしにただ道を歩いていた。
「店員さんも可愛かったしなー、告白するなら早くしろよー。でももう彼氏いるかもな。」
「涼、僕はそんな恋をしたからあの店に行ったとかじゃないんだ、美味しいそうと思ったから行ったんだよ。」
達也は恥ずかしいようでそう言った。
「そうかそうか、それは悪かったな。」
そしていつのまにか夜に太陽は向かっていた。
僕たちは店に入ったりしながらも散歩を続けていた。
「彼女さん今、旅行なんだろ。」
「あぁそうだよ。それがどうかしたか。」
「お前って昔からサキさん一筋だよな。いつか爆発しないかってずっとひやひやしてるけどずっと円満って感じだ。だからお前一度だけ試してみないか。」
「何を試すんだい。」
「そりゃ風俗しかないだろ。」
僕は達也がそんなことを言うとは思わず驚いた。
「達也がそんなこと言うなんてめずらしいね。でもそういう所は行ったことないし。」
「俺は外で待っといてやるし一度いってみろよ。俺、2人には仲良くこれからもやってほしいんだ。だから爆発しないように一度だけ試しとけ。」
いつのまにか風俗店の前についていた。
「サキに悪くないか。しかも試したことによってサキへの愛が変わってしまったらどうするんだよ。」
「それはそれだけの愛だったってことだろ。きっとお前なら大丈夫だよ。」
そういわれ僕は達也に言われるがままそこに入った。
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