第2章 僕の生活
いつもご飯おいしいよ。サキ。
それ、本当に思っているの?
今日は涼さんの嫌いな人参がはいっているよ?
ほんとうだね‥気づかなかった。気づかないぐらいに美味しいんだよ。
僕は笑いながらサキのつくった肉じゃがと少し歪に切られたサラダを頬張った。
サキは本当に?というような疑いの目を僕に向けながら自分のつくった肉じゃがを頬張っていた。
僕等はもう2年も同棲をしていた。
お互い、周りの友達がどんどん結婚していくことで「結婚」ということを考えることもあったがまだできなかった。
なぜなら僕が定職についていないからだ。
いわゆるフリーター。
サキはしっかり定職について毎日仕事を頑張っていて生活も僕は助けられている身だ。
それでもフリーターとして毎日僕は頑張っていた。
厨房で休みなく続くお客様から注文された料理をただひたすらにつくっていく。
厨房の中は男ばかりで、狭苦しい中ひしめきあいながら仕事をするがそれでも注文に追いつかない時もあるぐらいだ。
そして貰う給料は月10万円ほど。
その給料は全てサキに渡していた。
僕ができるのはそれぐらいだからだ。
その分、美味しい料理をつくってくれるし、家事も僕がしようとしても私がするから休んでていいよといってほとんどしてくれている。
フリーターという惨めな身分でありながらも僕を受け止めてくれる。
僕は幸せだ。
そしてご飯が食べ終わると僕達は1つのダブルベッドに入りおやすみとお互いに言い合ってから眠りについた。
僕が朝起きるとサキはもう隣からいなくなっていた。
時計をみるともう9時30分であった。
彼女は仕事をしている時間だ。
僕は15時からの勤務であるが散歩でもしようとバイトの支度をしてから、荷物を持って外に出た。
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