そんな言葉が浮かぶ物語です。
不幸な生い立ち、一癖二癖あるクルー、敵は宇宙海賊…SF好きならば一度は触れた題材を入れながらも、父の魂が宿るぬいぐるみに代表されるように、古典SFに則った舞台装置、小物だけではありません。
それらがあるからこそ、ただの懐古主義ではなく郷愁ともいえるような雰囲気を纏い、この物語を凡百ではないものにしているように思えます。
ストーリー展開も描写も、なかなかハード路線であり、バラ色の未来ではないと感じさせられるのですが、だからこそ父の魂が宿ったぬいぐるみ、古い仲間達との絆が光っています。
バラ色ならずとも希望があり、深い郷愁を感じさせる、その物語は、繰り返しになりますが、SF好きならば一度は触れ、また夢想した物語です。