第8話 ノート page7
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私はママの弱点を握ったことで対等な立場に立ったような気がして、それからというものはママに対して横柄な態度を取ることが多くなりました。
あれは高校2年の夏休み前です。
ある日の放課後、仲のいい友達5、6人で雑談をしていたとき、思いついたように夏休みのキャンプ生活の計画が持ち上がりました。
言い出しっぺは私です。
ずいぶんと前からひそかに考えていたのです。
あの一件があるから絶対にママを説得することができると確信した上で計画を進めました。
友達は私の話に身を乗り出して耳を傾け、全員が計画に賛成してくれました。
でも、当然のこと両親の承諾を得ないとなんとも言えないという答えが多く、その日はそれで解散しました。
あくる日――。
学校に行くと私の姿を見るなりみんなが駆け寄って来て、次々に朗報を聞かせてくれました。
その中で返辞ができなかったのは私一人でした。
その日1日中キャンプの話題で持ち切りになり、帰る時間も忘れるほど話に熱中しました。
夕食が済んだあと、思い切ってママにその話を持ち出しました。
ところが、それまで穏やかに話していたママの顔がそれを聞いたとたん急に険しくなって、いままでにないくらい猛烈に反対されたのです。
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