ズボンのファスナーが開いていることを指摘されて始まる恋。そんなきっかけがあったっていいじゃないか。恋という普遍的なテーマの中に、男女に関する機敏、青春を謳歌したいけどできない阿呆どもの暴走、SFチックなループ構造、展開によって主人公寅次郎の思考も変容している様は、ループ展開という物語構造上の醍醐味がつまっていておもしろい。そしてどうやら、この構造に気づいているのは彼ではなく……SF要素も楽しめる恋の宴、たまには興じてみるのも良いのではないでしょうか。
重めの文体が主人公によってコミカルに感じられる良作です!幾重にも張り巡らされた伏線が絡み合い、多重構造的な文章を作り出してます!それでいて頭でっかちではない、心を持った主人公と登場人物にぐいぐい引き込まれていきました!
愛の溢れるストーリー。老若男女を問わず、多くの人が楽しめる内容だと思います。真面目過ぎて変わり者な寅ちゃん。でも優しく思い遣りがあって、寅ちゃんの饒舌ぶりも面白いです。読むと寅ちゃんを応援したい気持ちになります。