無詠唱
一つ、後悔している事がある。
それは、地球にいた時にしっかり勉強しとくべきだったと言う事だ。
そうすれば、アルテンシアで、知識無双できたのに……。
まぁ、過ぎたことを後悔したって仕方がない。切り替えよう。
幸い俺には、勇者時代に培ってきた経験がある。
それを活かせば、知識無双は出来なくとも、俺TUEEE系にはなれるかもしれない。
よし!そうと決まれば早速行動開始だ!
先ずは、魔術についてだ。
二百年前と比べると現在の魔術や他の戦いの知識などは衰退している。例えば魔術は詠唱して唱える事が常識化してしまっている事など。
恐らくこれらは自称創造神による常識改変の影響によるものだろう。
何故、自称創造神はわざわざ知識を衰退化させたのか何となく予想はつくが、今は置いておこう。
本来、魔術とは、魔力を使ったイメージの具現化だ。
そしてイメージを言葉にしたのが詠唱になる。
要は、イメージさえ、完璧であれば詠唱など要らないのだ。
しかし、階級が高くなると無詠唱も難しくなるがそれでも、詠唱省略くらいはできる。
俺とリリムは、例の洞窟に向かう道中、死体の振りをしているナイトアーマーを実験台にして、無詠唱の練習をしていた。
死体の振りをしていた所為で、ナイトアーマー達は、無抵抗だった。
動かないので、狙いも定めやすく、良い的になってくれたよ。
そのおかけでナイトアーマーを殲滅できたし、これで例の洞窟に罠を警戒する事なく入れる。
うん良い事づくしだね!
そんなこんなで例の洞窟にたどり着いた。
「……」
「どうしたのだ?……まさか今更になって怖じ気付いたのか?」
「なわけ。ちょっと緊張してただけだよ」
「そうか……ならば、一度深呼吸すればいいのだ」
「あぁ、そうするよ……すぅ……はぁ……」
「……どうなのだ?」
「……うん、もう大丈夫だ。ありがとうリリム……じゃあ、いくか!」
「うむ!」
こうして俺達は、決着をつけるべく、再び洞窟に足を踏み入れた。
幸い、チョウチン魔物のチョウチン部分が光っているおかげで、すぐに見つける事が出来た。
「キシャアァァア!」
「よお、さっきぶりだな。……残念だがお仲間さんは、来ないぜ!俺が全部倒したからなぁ!」
「ギギュュュアァァア!!」
俺の言葉を理解しているのか、チョウチン魔物は、俺に怒りの感情をぶつけてくる。
まぁ、コイツが何を思ってようと俺には関係ない。
なにせ最下層に向かおうってんだ、コイツ程度で立ち止まっちゃいられない。だから倒して乗り越えるんだ!先へ進むために。
教えてやるよ!俺は餌じゃないってことを。
今度はこっちが狩る番だ!
「さあ、コンティニューといこうか!」
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〜ディーティアの観察日記〜 その1
いよいよ、ランタン・パオク(チョウチン魔物の名前)と決戦ですね。
少し緊張していた様子ですが、大丈夫です。貴方なら絶対に勝てます。
それに今の貴方には、パートナーがいるのですから。
そうそう、パートナーと言えば、私一つ気づいた事があります。
あのリリムって子、可愛すぎません?
照れ隠ししている様子とか、貴方天使ですか?まぁ、悪魔ですけど……。
とにかく可愛いです。
見てるとなんだか抱き締めたくなる衝動に駆られます。
うふふ、彼との再会後の楽しみが一つ増えました。
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