不老不死
「さて主人よ、これからどうするのだ?」
「そうだな……決める前にちょっとステータスを確認しても良いか?」
「かまわないのだ」
「ありがと」
リリムに許可をもらい、俺は首に掛けているステータスプレートに魔力を流し自分のステータスを確認する。
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アルス (人族) Lv10
【体力】 1000
【魔力】 500
【技能】 《不老不死》 《?????》 《飛剣》 《ヘイトアップ》
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迷宮に入る前よりもLvが2上がっていた。
それに新しい【技能】を覚えていた。
Lvについては、迷宮攻略中に上がったのだろう。
次に《ヘイトアップ》。これは、読んで字の如く、ヘイトを上げる、要は敵の注意を引きつける事が出来る【技能】だろう。
これについて思い当たる節は、チョウチン魔物から皆んなを逃そうとした時だ。
あの時俺は、チョウチン魔物注意を引きつける為に、大声で叫んだ。
すると不思議な事に、チョウチン魔物だけでなく、ナイトアーマーの注意も引きつけることができたのだ。
恐らくこの時に、《ヘイトアップ》を取得したのだろう。
それと、記憶を取り戻したからなのか、《????》から《不老不死》に変わっていた。
ステータスプレートに《????》と表示されている時点で《不老不死》は取得していたのだ。
ただ、無自覚から自覚出来るようになっただけだ。
因みに不老不死とは、簡単に言うと死なない体という事だ。
それは、寿命も然り。
ただ、ここまで普通に成長出来たことから、一定の年齢までは成長するのだろう。でなければずっと赤ちゃんのままだ。
永遠と赤ちゃんのままなんて御免だな。
閑話休題
取り敢えずここまでは、理解できた。
しかし問題は、もう一つの《?????》についてだ。
俺がテ・ィ・ア・に望んだのは、《不老不死》だけのはずだ。もしかして未だ思い出せていないことでもあるのかって思ったが、それはあり得ない。
何故なら、生前の記憶を鮮明に思い出したからだ。その中に、ティアに《?????》を望んだ記憶はなかった。
じゃあ、これは何だ?と思ったが、一つ予想出来ることがある。
恐らくこれは、ティアからの贈り物だろう。
何故そう思ったのかは分からない。直感でそうなんじゃないかと思っただけだ。
とにかく、記憶を取り戻して《不老不死》と表示されたように、何か条件があるのだろう。
記憶を取り戻したと言えば他にも思い出した事がある。
それは、『悪魔紋』の事だ。
何か何処かで見たことあるなと思ったけど、生前、勇者やってた時に見た事があったんだ。
本来これは、人が得るものではないのにどうして俺にとか、考える事は色々あるが、取り敢えず今は、リリムが言ったように、これからどうするのかを考えよう。
と言っても既に決めてるんだけどな。
「リリム……」
「ん?もうステータスは良いのか?」
「あぁ、それよりこれからの事だが……地上には戻らず、先に進もうと思う」
「……正気か?」
「この先には、俺が求めてるものがあるはずだ」
「それも、主人の生前の記憶なのか?」
「あぁ、神界にいた時、たまにだが《六勇者》の事観てたからな。
ここが何の為に造られたのかも何となく分かる」
「だとしても危ないのだ!」
「そうかもしれない……でも悔しくないか?
このままだと俺達、あのチョウチン魔物にやられたままだ」
「むっ、そう言われると確かに悔しいのだ」
「だろ?それに大丈夫だよ。俺は不老不死なんだし、何よりリリムがいるだろ?」
「なっ!?」
「リリムは強いからな、何せあのチョウチン魔物から俺をここまで運んできてくれたんだからな!」
本当は、チョウチン魔物が食べ飽きていなくなった隙に運び込んだだけなんだけど。
「ふ、ふん!当然なのだ!妾は強いのだ!」
俺が褒めた為の照れ隠しなのか、腕を前に組んで口調強くそう言った。
その顔に、ほんのり紅が刺しかっかって、口角が少し上がっていたのは、言わないでおこう。
それにしてもちょろいな。
「よし!じゃあ行くか!」
「うむ!」
こうして俺達は、迷宮の最下層を目指すべく、再び十一階層へ向かうのだった。
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神界 ディーティア
あ〜暇です。
世界がヤバイ!っと言うのに今の私では、世界に干渉する事が出来ず、何もする事がないので暇です。
どうしましょう
彼の観察日記でもしようかしら?
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