第三艦隊配属。

第42話 地球。

 第三艦隊に配属それた時はびっくりした。

 確かに、俺は第三艦隊が運営している軍大学に所属していたが、中退して社会人になった今は第四艦隊のテリトリーであるコロニーに住んでいる。その為、てっきり第四艦隊に所属されると思っていたので面を食らった。もちろん腐れ縁となってしまったラノンもなぜか一緒に第三艦隊に配属だ。


「てっきり俺たち分かれるか第四艦隊配属と思ったけどな」


 ラノンが配属先に行くための船の中でそうつぶやいた。


「まあ、今回の事件で第三艦隊も発言力がさらに強くなっただろうし、むしろ弱くなった第四艦隊から俺たちの所属権も無理やり引き抜いたんだろうな」


 俺は何となく想像で答える。


「今回の事件は完全に内太陽系の艦隊パワーバランスをぶち壊しな。ただですら強力な戦艦を数多く持ってる第三艦隊が、今回は危機的状況を救った英雄だし。それに比べて第四艦隊は防衛ほっといて外太陽系に主力が行ってたなんて……、かなりそこを突かれてもう四大艦隊は均衡をたもててないね」


 さらっとまじめな発言と的確な考察をして見せたラノンに俺は少し驚いた。

 こんなまじめな奴だったか?そんなことを心の中で思いながら、無料提供フリーサービスとして出てきた緑茶を啜る。

 お、このお茶うまい。


「おい、聞いてんのか?せっかく俺が完璧な回答を返したのに」


「おお、そうだな。すげーよお前」


「おもってないだろ!」


 そんなことございませんよ~みたいな顔をして、俺はラノンのインフレ的キャラ崩壊をとりあえず適当に納めれた気がした。


               ★   ★   ★


 第三艦隊は地球周辺の領域を防衛しており、地球の衛星である月に拠点を置いている。大昔に使われなくなった月を再開発し、今では火星に次ぐ大型基地として運用されているわけで俺たちも今その本部に向かっている。

 俺たちの乗る船はそろそろ地球の重力圏を利用して、そのまま月面につながっている軌道エレベーターのステーションにドッキングする。


「おい、あれが地球だそうだ」


 ラノンが外に浮いている真っ黒な星を指さす。


「あんなんが俺たち地球人の起源なんて信じられねぇよな……」


 近づくにつれくっきりと真っ黒の星とその中にある砂粒のような明かりが見える。これは決して地球が真夜中というわけではない、目に見える黒と小さな光は軍艦など宇宙船の為に集められる地球内部の金属を製錬・加工する工場と採掘機。

 ただの採掘場所となった地球はあと数年ですべての資源を取りつくし、月と同じ出涸らし星と言われることになるだろう。

 所々に砂場のような砂漠が広がり、まさに地球は死の惑星と化している。


「地球、太陽やらやたら大げさな資源が必要なんだな……」


 ラノンは若干の嫌味を漏らす。


「仕方がないじゃないか、ただその資源のおかげでここまで地球人は発達してきたし、そのおかげでこの前の進行にも耐えられたんだ」


「そんなの分かってるさ……」


 ラノンの言いたいことは分からない訳でもないがそれが発達というもの。人類の発達の為には当たり前のことで今更そんなことを言っても仕方がない。


『まもなく月周回軌道に入ります。加速、減速が行われますのでシートベルトを締め、慣性力にご注意ください。』


              ★   ★   ★


 どうも斑雪です。再開すると言っときながらかなり投稿ペースが遅れてしまいました。申し訳ないです……

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