第25話 太陽系内地戦。その2

「各部、対艦戦闘用意よし!」


 CICへ各部から戦闘用意完了を報せる無線が届き、それと同時にシュヴァルべから戦闘開始の号令がかかる。


「全艦、射程入り次第撃て!」


「EP-203了解。────艦長⋯⋯」


 ペッパーさんはシュヴァルべからの通信を確認した後、ダミオスさんの方を振り向いた。


「対艦戦闘⋯⋯始めろ」


 ダミオスさんは椅子に座り直して帽子を深く被り、一言そういった。


「了解⋯⋯攻撃します!」


 ペッパーさんはそう返事をすると無線ボタンを押し込む。


「姿勢制御はじめ!操艦は航海長に一任する。目標、左舷ひだりげん敵巡洋艦『E3』!」


「了解!目標ーE3。光学照準用意⋯⋯」


 俺は動作確認と共に声を出して砲撃準備をする。


「用意よし!!」


 俺の前方にあるディスプレイはE3と表示されている光点をマークしていた。


 俺はペッパーさんの方へ振り返り頷く。ペッパーさんはそれを見て無線のボタンをまた押した。


「対艦戦闘ー、CIC指示の目標。主砲、攻撃はじめ!!」


 砲雷長からの主砲攻撃指示。すぐさま俺は主砲のトリガーに手を掛ける。


「主砲、撃ちィ方はじめ!!」


「主砲発砲!」


 射撃担当班長の号令に合わせて俺は手元のトリガーを引き、それと同時に若干右から押されるような慣性力がかかる。


「敵戦艦から小型の飛翔体ひしょうたい艦載機かんさいきと思われる!」


 レーダー担当の隊員が叫んだ、確かにレーダーディスプレイには戦艦から無数の小さい光点が散らばっている。


「艦載機はほかがやってくれる、我々は主砲攻撃を継続。もしこちらに攻撃を仕掛けてきたら対応する。それまでは射撃に集中!」


 ペッパーさんはそう言ってディスプレイを睨みつけていた。俺達に出来る事は射撃、他の事にまで手を出していては正直忙し過ぎて容量限界キャパオーバーと言うやつだ。


「了解⋯⋯主砲発砲!」


 俺はまたトリガーを引く。


「一発目、命中インターセプトまで5秒前、4、3、2、1⋯⋯迎撃失敗ターゲットサーバイブ!避けられました!」


 主砲攻撃は行っている。ただ相手もそれを回避していて、全く当たるとは思えない⋯⋯


「了解、続けて行え。まだ距離がある、避けられるのは仕方が無い」


「⋯⋯了解」


 正直当たっても目標は巡洋艦、あんまりダメージにはならないと思うが⋯⋯そんなの言ってられない。まだ戦艦じゃ無いだけマシってやつだ。


「主砲発砲!」


 俺は主砲のリロードを確認次第トリガーを引いた。


 ★ ★ ★


 どうも斑雪です!!


 やっと戦闘開始!ノリノリになって書いていきたいと思います!(それで文章グチャグチャになりそう⋯⋯)


【追記】

 今回から本格的な戦闘が開始です。

 もちろんここでもリアルを意識して書かせて頂いておりますが、艦橋やCIC内での会話、号令などはオリジナルを入れさせていただいております。

 だいたいは海上自衛隊をリスペクトさせて頂いていますが⋯⋯

 例えば「命中インターセプトまで5秒前、4、3、2、1⋯⋯迎撃失敗ターゲットサーバイブ」の場面で「命中インターセプトまで10秒前、⋯⋯5、4、3、スタンバイ⋯⋯迎撃失敗ターゲットサーバイブ」と言う場合も有りふねによって言い方は様々な様です。

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