第10話 記憶。 その5
「光学機器での観測は出来たか?」
パトロール艦(MP-21)の艦長フルリール・パルター宇宙軍中佐は『
1からの叩き上げ経歴で、過去に様々な部隊に所属しており、7年前にはナバス紛争へ
しかし年齢も年齢という事で内太陽系へ転属、今は中佐ながらパトロール艦の艦長に就いていた。
「ん?影のようなものが·····」
チラッとディスプレイに映った影はやけに大きな物で、むしろレーダーで発見されない
「デカすぎないか?」
パルターの口も思わず空いたままになる。
「こちらMP-21、光学機器で
パルターは胸騒ぎがしてならなかった。
★ ★ ★
「MMSS1了解、データ確認した。第二艦隊へ
ジャスミンはマニュアル通り、第二艦隊の哨戒部隊へのスクランブルを要請する為、無線チャンネルを変えた。
その時だった。
「ジャスミン一等軍曹!!あ、
フェルトの声は震えていた。
当たり前と言えば当たり前、
「な、なに!?」
ジャスミンは一気に血の気が引く感覚を味わった。
「
ジャスミンは即座に無線のチャンネルを局部銀河同一周波に変え、同一言語で警告をはじめた。
「This is Earth Space Force. Your ship is approaching the solar system territory. Stop immediately. Stop immediately.
Repeat.
This is Earth Space Force. Your ship is approaching the solar system territory.
Follow my guidance.
『こちら、地球宇宙軍。貴方の船は太陽系領域を侵犯しています。すぐに停止しなさい。すぐに停止しなさい。
繰り返します。
こちら、地球宇宙軍。貴方の船は太陽系領域を侵犯しています。私の指示に従って下さい。』」
なかなか止まらない干渉体にジャスミンの口調が強くなる。
「 Follow my guidance. If you do not follow the guidance, we will not leave the attack.
Repeat.
Follow my guidance. If you do not follow the guidance, we will not leave the attack.
『私の指示に従え。指示に従わない場合、我々は攻撃を辞さない。
繰り返す。
私の指示に従え。指示に従わない場合、我々は攻撃を辞さない。』」
また、フェルトがジャスミンに大声で叫んだ。
「
ジャスミンは頭が追いついていなかった。
「ワープ·····?相手はまだ
ジャスミンは気付いていた、どうして相手は小惑星帯内部でワープをするか、そんなの簡単である。ジャスミンの言った通り、無数の小惑星をワープに巻き込むのである。単に相手は攻撃手段を増やしただけ、それだけなのだ。
それから導ける事は、相手は敵であるという事、否定し続けた、認めたく無い、事実なのである。
「ふ、ふざけんなよ!」
ジャスミンは怒号と共に無線のボタンを強く押す。
「こちらMMSS1、MP-21へ。領域侵犯をしている
you're under my control. 『MP-21、私の管制に従え。』」
了解。そう一言だけ怪物がジャスミンの無線に返事した・・・。
★ ★ ★
どうも斑雪です。今回は英語回ですね。間違ってるかもしれませんが、ご了承ください。
間違え見つけたって方は教えて下さい。
まず、なんで英語?と思われるかもしれませんが、基本このお話は日本語が地球語(英語のような地球で統一された言語)、英語が同一言語(局部銀河内で列強達によって勝手に決められた統一言語)とされています。
つまり、日本の自衛隊が英語で領空侵犯している飛行機に警告している感じです。
まあ、詳しくは閑話とかで話せればいいかなーって思ってます。
【エントロピー】
熱力学および統計力学において定義される示量性の状態量の事。熱力学においては断熱条件下で不可逆性を表す、統計力学においては小さな「乱雑さ」を表す。
今回はワープの為に平衡状態であった空間粒子が敵艦のエネルギーによって不安定になり、乱雑な動きを始めた事を表しています。
簡単に言えば氷(安定)が溶けて水(不安定)に成ったって感じです。
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