残業の社内 12-1
「きみも予定があっただろうに、こんな時間まで残業させてしまって、悪いな。まあ沖田くんがああいうことになってしまった以上、しばらくはきみに負担がかかるだろうけど辛抱して欲しい」
「わかってます。別に私は残業するのはなんとも思ってませんから」
「そうか、そう言ってくれると僕も胸のつかえが降りるよ。ところで頼んでる仕事、あとどれくらい?」
「はい、もう少しで」
「だったら、このあと食事でもご馳走するよ」
「いいです」
「だって家に帰ったら食事の用意をしなきゃならないんだろ? こんな時間に家まで帰ってそれから用意をしてたら随分と遅い晩飯になってしまうじゃないか」
「そうですけど……」
「きみをこんな時間まで引き止めたせめてもの気持だ。遠慮なく受け止めてくれたらいい。それとも僕と一緒じゃ嫌かい?」
「そんなことはありません」
「だったらそうしよう」
「はい」
「じゃあ打合室にいるから、でき上がったら届けてくれないか」
「わかりました」
――
「課長、これでよろしいでしょうか?」
「どれどれ。ふむ――これでOKなんだけど、ここんとこだけ赤のボールペンの数字に訂正してくれるかな。ああそれとプリントは明日のアサイチでいいからね」
「わかりました。すぐ修正します」
「頼むよ。帰る用意ができたら声をかけてくれ、ここで待ってるから」
「はい」
「それと、なにが食べたいか考えといて」
「はい」
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