鉄板焼き屋にて 6-1

「ねえ真由、なにかあったの? 最近えらく嬉しそうに見えるけど……」

「ふふふ」

「なによ、気味悪い笑い方してェ。変な真由」

「あのさあ、別に沙保里に隠すつもりはなかったんだけど、つい3週間ほど前から付き合いだしたカレシがいるの」

「へえーッ、初耳ですねェ」

「そりゃそうよ、だってまだ3週間だも」

「で、真由ゥ、その彼とはどこで知り合ったの? あっといけない、話に夢中になってお好み焼が焦げちゃってる。真由のほうは大丈夫?」

「私のほうはまだいいみたいよ」

「はふ、はふ……ぁあ熱―い。うーん、火傷しそう」

「そんなに慌てて食べなくたって……。はい、すぐにこのビールで冷やしたら?」

「うん、うん」

「もう、沙保里ったら。ほんとにそそっかしいんだから。話は食べてからでもいいんだからね」

「わかったわ」

「この海鮮のお好み焼、とってもおいしい」

「どこどこ、私にもひと切れシェアしてェ。私の塩お好みも食べていいからさ」

「どうぞ。好きなだけ食べていいよ。その代わり沙保里のもひと切れ食べさせて」

「いいわよ。どうぞ」

「私、塩のお好み焼ってはじめてなんだけど、さっぱりしてておいしいのね」

「でしょ? 前に一度食べて以来ハマっちゃってさ。それになんかヘルシーな感じがしてね」

「こんなのあるなんて、私知らなかった」

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