第28話合戦、開始

ざんと、棟梁が「皆雲家」の扉を開ける


「皆雲さんいるか」渋い声である「よぅ、わけぇの死にたくはねぇだろ」


がたがたブルブルする黒服

一方天を仰ぐ、れいじ


しばらくして、どたどたという音ともに、四十代くらいのおかみが、黒服と主に現れる

「なんだい、71代目、あたしに何かようかい?」

「手めぇー聞くところによるとずいぶん、あこぎな真似してくれんじゃねえか

うちの怖さ忘れたとは言わせねぇぞ」


「ふん、相変わらずーしぶといじいさんだ、もう年なんだからさっさと息子に後を譲りな」

「あいにく息子は、あめいりかにいって今はいねぇよ、それよりもあんたに今日は宣戦布告しに来ただけだーーやれ」


<亜空>から、鉄の球が飛んでくる

「合戦じゃあああああ」「うわ、、、あぶなっ」

両者ともに、弾丸をぶっぱなし―刀を振りかざす地獄の開始

「おい、新入りしっかりせい」

ええーとりあえず、死にたくはないので「人形」を使い

<催眠><予知>させる

こんなとき、いつもならーーー少年がいたのに今は、、、、

少年は、無事を祈りながらお料理をしていた


「ほう、若いのにうめぇな、あんさんはいいお嫁になるよ」

「、、はい」

顔を赤らめてうつむく少年

老婆は、頭をなでる

少年が作っているのは、煮豆、煮つけ、刺身である


ーー無事かな、お兄さん、、、、「おめぇの夫はあのひょろちぃ坊主だろ」

ぼっと顔が赤くなる、少年

「、、、ええと、、、ただの、、、友達で、、、その」


「どういうところを好きになったんだい」

――どういうところを好きになったのか

それはおそらく「面倒見」の良さだ


黒死の弾丸が終わっても、、、終わらなくても変わらない面倒見の良さ

人に何かを教えたり、伝えたりするときに割と強引になるし、自分の思い通りにならないとすぐに膨れるし

子供か、というようなところもあるが


ーー面倒見がよく、、、すこし、あほなところが

自分がいないとこの人はという気持ちになる

―――どこまでも突っ走ってこけて死にそう、なのだ「お兄さんは」


だから、見守りたい

「、、、私が、守らないといけないんです、じゃないとあの人が折れてしまう」

てをぴしゃりと頬に向かって打つおばあさん

「男ってのはどいつもこいつも馬鹿だね」

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