第15話ただいま

学園の表のほうで、「おかゆ」を配っている


その中の一人―配ってるほうに、「少年」がいる

「おかえりなさい、お兄さん」


湯気で蒸されたのか、上気した頬に、汗に濡れる冷たい漆黒の黒髪


心なしか――、柔らかい手でかき混ぜられるおかゆにも、真心が伝わってる気がした

「はい、どうぞ」

決して多い量とはいえなっかったが、ま、こんなもんだろ

寮の入り口を抜けると階段がある


シャンデリアに照らされた4つの道ー上二つが、寮生の下宿に伝わる道で

したが、「食堂」「娯楽室」「お風呂」につながる道と


一応というか、廊下で男と女が分かれるらしく左が女、右が男

男のふろ場も娯楽室も右にあるため

寮生で間違える人は大体わざとだ

それはともかく廊下を抜けると

渡り廊下があって――よこには美しい噴水の黄色いバラの花畑がある


ただ、この花畑上から見ると、愛染明王の姿らしいけど

噴水の、像はふろ場と同じで「みずはめのかみ」だけども


とりあえず、学生は寮にいくもの、寮ではなく大広間(エントランスホール)に集まるもの多くいたが

主人公も少年も、「大広間(エントランスホール)」組だ

「ただいま、おにいさんぶじでよかった」

2度目を言って零時に抱き着く少年

涙を浮かべている

<いちゃつくな>

さっきまで黙っていた、インカムから声がする

「、、だからいちゃついてないって」

ふしぎそうに「?」マークを浮かべる少年

やれやれとため息を吐く、「れいじ」であった

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