第5話ごちになります

「ありがとう、うんまい」


ぶっちっけた話ーー食べなれた味だが、安定してうまい


(そうだよ、このポテトサラダこれが好きだったんだよ)

もぐもぐと口を動かす

「ほら、口の周りが汚れてんぞ」


ハンカチで吹いてくれる

「ああ、ありがと」


ポテトサラダのほかには、つなさんど(手製)、豆腐(冷奴)油揚げを切って、醤油(九州産)をかけたやつ

「うめぇ」

その横で、ぬりぬりする女ーハンドクリーム的な


「ああ、これか、術的プロテクトだよ、、これしてないと術の影響をもろに受けるらな、俺」


ー知ってはいた、

そしてさっきから黙ってるインカム

そして、一緒にふろに

「ちょ、、ちょまった、、、狭い二人だと」

きょとんとする少年

「いや、そんな純真な笑みで見られても」

風呂に入るーーやっぱり、ない


「俺は――さ、生まれつきないんだよ、だからトイレだって女みたいな感じ

立ってするとかできねぇなぁ」

軽めに流すー知ってはいたから


「俺、骨折してもすぐに治るんだというか俺の骨は普通じゃないなんていうか、やわらかいんだ」


左手を右手でぐぐーっと抑える、、、下敷きを両手でもって折り曲げたみたいになる

「うん、そうだね」

「こんな体じゃあ、パンチもキックもサッカーだってできやしない」


ーーボールをけるときに衝撃が出ない、、ふやんと足のほうが曲がる


「俺、なんでこんな体に生まれたのかなーーもっと、まともな体のほうがよかった」

生まれつき肉が付きやすい体質で、両親が健在な時はご飯の量を減らされた

おなかがすいても、甘いものは一度も買ってくれなかった

皆と同じように甘いものが食べたい

おやつが食べたいそう思っても、体がだめだった


それなのに、どんどん柔らかくなる

「どうしたって、肉がつくんだよ」

ぼそっとつぶやく

「いいんじゃねえのーお前の体きれいだよ」

ぼっと赤くなる少年

「へ、、、変なこと言うなよ、体きれいとか言われたの、、、、初めてだ」

「いちやつくなよれいじ」

「わかってるよ」

インカムから突っ込みが、とりあえず――熊さんパジャマに着替える少年


少年の肉体はなんというか、そこまで肉がついてない気がするけども

軽い

全力で絞殺せば容易に死ねるほど軽い

だから、壊さないように、、それでいて、、、、それでいて、、、

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る